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大手小売りのEC・店舗連動㊦ ユニクロ、イケア 期間店でEC在庫活用、ネット販売の認知拡大図る

2017年 9月28日 09:57

前号に引き続き、大手小売りの実店舗とネット販売の連動について、今回は「期間限定売り場」を使った送客施策について見てみる。

ユニクロは店舗でネット商品を販促

 ユニクロが9月14日から実店舗で取り組んでいるのは、ネット特別展開商品であるセミオーダーシリーズの期間限定売り場を使った販促。

 同商品シリーズは2015年から男性向けのシャツで開始し、翌年にはジャケットでも展開。17年2月には同様に女性向けにもシャツ・ジャケットのラインアップで開始している。注文に際しては実店舗で採寸を受け、全サイズ・色柄などを取りそろえている通販専用の倉庫からピックアップして配送される仕組み。実店舗では置ききれないサイズ・型の在庫が必要なセミオーダー商品を通販が補完したサービスで、2回目以降の購入については採寸データが残っていることからネットだけで注文が完結できる。

 9月14日から都内の銀座店を皮切りに、国内大都市5店舗で同商品シリーズの期間限定特設フロアを最大1カ月の期間で展開。加えて全国131店舗の売り場も刷新して、ポップなどで同サービスの利用方法などを分かりやすく解説するようにした。まだ同商品を知らない顧客層に向けて専用フロアによる大規模なポップで認知を広げ、まとめ買いのセールも合わせて実施することで、気軽に採寸・試着を利用してもらう試みとなっている。

 なお、男性シャツについてはサイズ169型・828通りのバリエーションで、最短翌日配送の税別価格2990円。男性ジャケットはサイズ64型、2112通りのバリエーションで、最短7日配送の同1万4900円(うち、補正代2000円)。採寸はスーツ販売の専門教育を受けた店舗スタッフが行う。

 同社によると同商品の購入者のリピート率は8割となっており、特にメンズシャツについては2、3着目の購入率が高くなるという。「リピート率は高まっているが、認知度ではまだ低く、良さを伝えきれていなかったので、商品理解を進めたい。オンラインの特別展開商品をこの規模で(実店舗で)展開するのは今回が初めて」(同社)とし、今後も同サービスを試しやすい売り場づくりを実店舗で進めていく考え。

イケアではQRコードから送客

 家具・インテリアでも、期間限定店舗からのネット送客が始まっている。イケアグループの日本法人であるイケア・ジャパンは9月14日~16日、都内の商業施設「二子玉川ライズ」において期間限定店舗を開設した。

 店舗スペースは650平方メートルで、10月から発売を開始するペット向けのインテリア商品をはじめ、リビングルームセット、小物、雑貨、食品などを展示して販売。飲食やキッズスペースも完備している。

 今年4月よりネット販売を本格開始した同社では、これまでの期間限定店舗では実施していなかったネット販売との連携企画を今回から初めて取り入れた。店舗内のルームセット展示の横にはQRコードを掲載し、店舗内にいるスタッフの誘導のもと、来訪者が気になる商品についてはコードをスマートフォンなどで読み込むことで通販サイトで購入できるようになっているという。「限られたスペースで在庫をたくさん置けるわけではないので、気になる商品はネットでの購入を促していく。商品は送り先の近隣店舗から届ける仕組み」(同社)とした。

 既存のイケア実店舗に来店していない新規顧客層や休眠顧客の開拓が狙いで、二子玉川を選んだ理由としては同社がターゲットとしている子連れのファミリー層に人気のエリアであることなどを理由としている。

 なお、11月3~5日にも大阪府の「万博記念公園駅」付近の商業施設で同様の仕組みの期間限定店舗を開設する予定。

 家具・インテリアといった店内に在庫を大量に置きづらい大型商品であっても、QRコードといった購入導線を取り入れることで顧客の手間を少なくネット送客ができるようにしている。
      (おわり)
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