TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

同文書院とJAHFIC 健食の認証事業開始、NMDBで有効性を評価

2010年 5月20日 19:28

 6-1-1.jpg世界最大の健康食品に関するデータベースとして知られる「ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)」を用い、同文書院が今年6月、健食の安全性・有効性認証事業に乗り出す。すでに店販、通販の複数社のテスト認証を開始しており、6月に正式発表して一般公募を開始。今年10月をメドに100~200製品に認証を付与する計画だ。
 
 認証事業は、「ハイクオリティ認証」。同文書院が版権を持つNMDBを使い、今年3月に設立した日本健康食品・サプリメント情報センター(JAHFIC)が実際の認証作業を行う。
 
 NMDBとは、欧米をはじめ世界40カ国の行政機関が健食情報のデータベースとして正式採用するもの。同文書院は独自に国内で販売されている健食約3万品目の情報や学術論文が追加している。国内では日本医師会が正式に採用しており、約17万人の医師会会員が閲覧できる状態になっている。
 
 実際の認証過程は、①NMDBを用いた医薬品との相互作用など原材料の安全性確認、品質確認を行う「ハイクオリティ認証」、②NMDBに記載されている原料の有効性情報から素材ベースで評価する「有効性ハイクオリティ認証」、③独自素材を用いた個別製品を認証する「特定有効性ハイクオリティ認証」の3ケースで安全性・有効性評価を行う。審査・更新費用は1商品年額10万円、データベースの管理費用等は月額1万円。

 認証を受けた製品にはQRコードを付帯させた認証マークを付与。製品を購入した消費者がQRコードを通じて、モバイルサイトから製品の安全性や有効性に関する情報を確認できるようにする。一方で、認証を受けていない製品は、認証製品と区別してデータベースに収載される。

 同文書院は1929年に創業。2006年にNMDBの日本、中国、韓国における版権を取得した。
 
 日本医師会では同年、NMDBを正式採用し、健康被害情報を集積する「食品安全に関する情報システム」のモデル事業を実施。今年から事業を本格化させる。


同文書院・宇野社長に聞く、有効性認証開始の狙い

消費者の信頼回復目指す

 6-1-2.jpg同文書院が版権を持つ「ナチュラルメディシン・データベース(NMDB)」を使い、健康食品の安全性・有効性認証を行うJAHFIC。同文書院宇野文博社長に認証事業開始の狙いを聞いた。

──認証事業開始の狙いは。
 「数年前から医薬品との相互作用など消費者の関心の高い分野の情報を豊富に含むNMDBを有効活用すれば、健食に対する信用を取り戻せると考えたためだ。また、日本製品は海外から高い評価を受けている。世界40カ国の行政機関で採用されるNMDBを使えば、海外展開にも貢献できる。中国、韓国における版権も保有しており、すでに中国の行政当局にも採用を働きかけ実需を実感している」

──取得メリットは。
 「日本医師会が正式採用しており、例えば、製品に"医師に相談して下さい"と表示すれば、医師を通じて消費者は有効性・安全性情報を得られる。認証商品はNMDB上の扱いも異なる」
 
──具体的には。
 「個別商品で認証を取得した場合、有効性情報の欄に『商品名』が併せて掲載される。一方で認証を受けていない商品は、厚生労働省監視指導・麻薬対策課(監麻課)の指導による"注意書き"に同意した上で商品名を検索する仕組みだ」
 
──「ハイクオリティ認証」のプロジェクトについて行政サイドと話し合いはしているのか。
 「数年前から、行政サイドと話し合いは行っている。ただ、始めは医師向けDBと消費者向けDBは異なる編集をする」
 
──というと。
 「医師向けには個別商品の有効性評価のレベルを表示するが、消費者向けには公開しない。"科学的根拠がある"との表現に留める。効き目を表示しては医師の相談なく利用してしまうためだ」

──現状で医師会からのアクセス数は。
 「1日最大1000件だ」
 
──認知向上には医師の利用促進が必要だ。
 「今までは医療現場で患者から健食について聞かれることは少なかった。だが、ハイクオリティ認証が普及すれば徐々にコミュニケーションが深化し、医師も使うようになる」
 
──日健栄協も健食の安全性・有効性認証を行う計画がある。混乱を招く懸念はないか。
 「事業者主導では(特に有効性評価で)消費者から『第三者認証』という理解を得られないのではないか。また、日本独自の制度では海外展開の障害になる」
 
──現状では何社が関心を寄せている。
 「200社程度。ドラッグストアチェーンなど店販事業者やメーカー、通販事業者も多い」
 
──今後のスケジュールは。

 「6月中に一般公募を開始する。幅広く商品を集めるため、第1期の募集は1成分1商品で行う」
楽天 通販のよみもの 業界団体の会報誌「ジャドマニューズ」 通販売上高ランキングのデータ販売