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消費者庁の健食ネット監視、336社389商品に指導

2017年 5月18日 10:25

消費者庁が四半期ごとに行う健康食品のネット広告監視事業の運用を変えた。これまでは四半期ごとに「疾病の治療・予防関連」「ダイエット関連」など検索するテーマを設定してきたが、2016年度は年間を通じて複数のテーマで検索する運用に変更。健康食品を扱う336事業者の389商品の表示について改善指導を行った。今年度も同じ運用でネット監視事業を行う予定という。

ネット監視事業は、四半期ごとにロボット型全文検索システムを用いてキーワードによる検索を行うもの。期間中に検索した数千サイトを目視で監視。健康増進法に基づく「虚偽・誇大広告等の表示の禁止」の観点から改善指導を行う。

 これまでは、四半期ごとにテーマを変えていた。よく扱われるのは、「がん」や「動脈硬化」「糖尿病」など疾病の治療・予防を目的とする効果があるかのような表現、「疲労回復」「記憶力」「免疫力」など身体の組織機能の増強・増進を目的とする効果があるかのような表現、「ダイエット」や「発毛」「美白」など身体を美化したあり、皮膚や毛髪を健康に保つことに資する効果があるかのような表現など。16年度は、これら3テーマについて年間を通じてさまざまなキーワードを設定して監視した。ほかに「機能○○食品」など保健機能食品とまぎらわしい表示を行う商品の監視が行われるケースもある。四半期ごとのテーマ変更では、設定するキーワードによって監視件数にばらつきがでていたため運用を変えて平準化を図った。

 16年度の指導件数の内訳は、「いわゆる健康食品」が330商品。脂肪燃焼や新陳代謝の向上、女性ホルモンの活性化に働きかけて美白や美肌、更年期障害の軽減に関する表現があった。農産加工品など「加工食品」は32商品。活性酸素の働き抑制、抗酸化作用によるがんや動脈硬化の予防に関する表現があった。お茶など「飲料」は27商品。心臓病や動脈硬化、高血圧等の予防に関する表現、インフルエンザや花粉症に関する効果の表現などがあった。

 事業者が出店するショッピングモールの運営事業者にも表示適正化に向けた協力を要請。改善件数は264事業者の294商品(1~3月に指導した66事業者の89商品は要請中のため除く)。3事業者が扱う3商品は、要請後も改善がみられないため個別に調査を行っている。

 運用を変えたほか、検索キーワードが異なるため単純比較はできないが、15年度の指導件数は400事業者の501商品で、年間の指導件数は減少した。

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