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九州通販2社受賞、企業姿勢に評価

2017年 3月30日 10:28

職場環境の改善や女性の社会進出支援の先駆的な取り組みで評価される通販企業が増えている。「通販」は生活になくてはならない購入手段として定着する一方、参入企業の増加で競争は激化している。社会の評価は、企業姿勢を広く認知させ「企業ブランド」の確立にもつながる。顧客との関係性を深める意味でもこうした取り組みは、今後、通販各社の競争力にもなりそうだ。

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新日本製薬、社会貢献活動で評価

 「通販企業が社会的に価値ある活動をしているのか。『商品×数』ではなく、企業の価値を高める取り組みが必要になる」。今年1月、新日本製薬の後藤孝洋社長(写真、左から3人目)は、日本通信販売協会の賀詞交歓会でこう話した。

 社員食堂では、復興支援米を利用し、管理栄養士が監修した食事で社員の健康管理にも気を配る。地域イベントでは飲酒運転撲滅に向けた取り組みを行い、障がい者雇用の受け入れなど人材の多様性への対応も行う。

 3月21日には、こうした取り組みが評価され、人を大切にする経営学会主催の「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の実行委員長賞を受賞した。企業の存在価値や社会での役割を問い続けながら経営する姿勢が評価された。

 応募は、過去5年以上にわたり「リストラ等の人員整理をしていない」「障がい者雇用率が法定雇用率以上」「黒字経営」であることなどが条件。7回目となる今回は条件を満たす85社が応募し、17社が受賞。新日本製薬は、応募2回目での受賞だった。

 坂本光司審査委員長は「高層ビルの本社最上階には美しい社員食堂がある。午前中の疲れを癒し、午後の鋭気を養う場となる立派な空間。プロを配置して栄養のことも考えながら社員を癒している姿は立派」と講評。後藤社長は受賞後、「ほかに受賞を受けた企業の立派な取り組みも見習い、より一層良い会社にしていきたい」とコメントした。

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愛しとーと、女性の活躍後押し

 健食通販を行う愛しとーとも3月23日、経産省・中小企業庁主催の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれた。選考のテーマは「生産性向上」「需要獲得」「担い手確保」の3つ。20年以上前から行う女性の雇用創出や社会進出など「担い手確保」に向けた取り組みが評価された。

 従業員は8割が女性。「女性が元気になれば日本が元気なる。子供とともに出社でき、親子で食事ができる(環境が必要)」(写真㊧、岩本社長)との信念から創業まもなくキッズルーム(託児施設)や社員食堂を作り、無料で開放してきた。

 社会問題にも目を向ける。「多くの企業が子育てしながら仕事ができる職場を作れば待機児童の問題は解決する。いくつになっても働ける会社が増えれば老老介護も解決する。日本の国が発展する土台をつくっていけたら」と、今後の取り組みに意欲をみせる。

 一方、受賞企業には女性経営者の少なさが目立った。「家事や育児、仕事、たくさんのことをできる力を持っているのが女性の素晴らしさ。ぜひ社会に出て力を発揮してほしい」と呼びかけた。

 2000年に485社あった中小企業は381万社まで減少。今後5年で40数万社が廃業・解散するという推計もある。授賞式に参加した世耕弘成経済産業大臣は、「(中小企業の)先駆的・意欲的な取り組みが全国に広がることが経済の発展につながる」とエールを送った。

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