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国交省 宅配ロッカー進捗報告、JPやヤマト運輸が会議で

2016年 7月16日 17:33

 国土交通省の交通政策審議会交通体系分科会物流部会は7月8日、「第8回物流体系小委員会・第5回物流サービス小委員会合同会議」を開催し、物流効率化などの進捗状況について議論した。宅配ロッカーの取り組みについて京王電鉄グループ、日本郵便(JP)、ヤマト運輸、佐川急便が報告。各社とも宅配ロッカーの現状や今後の事業展開について委員や国交省職員へ説明した。

 京王電鉄グループの京王地下駐車場は既存のコインロッカーを活用した荷物受取サービス「駅中受取ロッカー」の実証実験を2月からシステム開発会社、ロッカーメーカーと行っている。コインロッカーの操作パネルを変更して宅配便を受け取れるようにしており、京王線の6駅で再配達やネット販売商品の受け取りでテスト展開している。

 同社のコインロッカーは日中でもターミナル駅以外では満稼働にならず、また夜間や朝にかけては極端に稼働率が低い点に着目。空いている時間帯に宅配ロッカーとして活用することで稼働率を高め、同時に収入(宅配ロッカー使用料として手数料を徴収)も拡大できると見てテストしている。実証実験は9月までを予定しており、展開する駅の拡充などを検討していく。

 日本郵便は宅配ロッカー「はこぽす」の取り組み経緯や今後の事業展開について報告。宅配ロッカー事業はネット販売市場の拡大など宅配便が増加していることから14年秋口から検討し、昨年4月から楽天市場で商品の受け取りテストを始めた。

 現在は郵便局25カ所、鉄道駅7カ所、商業施設2カ所の合計34カ所に設置して本格的に展開。一方で今年に入りオープン化することを表明し、他社の宅配便との連携にも乗り出す準備を進めている。現状、関東圏のみの設置だが、人口30万人超の中核都市へ設置を行っていく考えという。

 佐川急便は来年から新潟県の北越急行のほくほく線での貨客混載事業の取り組みの一環で、同線駅構内に宅配ロッカーを設置すると報告。また同社は以前に福岡県で宅配ロッカーをテストした経緯があり、その運営ノウハウを活かして展開するとした。

 ヤマト運輸は宅配ロッカー事業について自社の営業時間内に受け取れないといった一般ユーザーのアンケート結果から、公共性の高い場所で背圧時間以外の受け取りを可能にするという目的から行っていると説明。1度利用した一般ユーザーはその利便性を認識してリピート利用する傾向が強いサービスとの見方も示した。また自社だけでなく社会全体で活用できるオープン型を進めていることも報告した。

 宅配ロッカーに関する報告後、委員からは同サービスの有料・無料の確認、ロッカーの標準化についての質問があった。有料・無料については京王電鉄が通常のコインロッカーを使用していることから手数料を徴収している以外はいずれも無料とし、日本郵便は不在再配達を回避できるだけにトータルとして効率化できるとの考えを示した。一方、標準化は京王電鉄グループが自社のコインロッカーを活用した事業以外に、日本郵便の「はこぽす」を井の頭線駅に設置している中で、特に混乱は見られないと見解を述べた。

 合同会議は昨年末に答申した「今後の物流政策の基本的な方向性等について」の施策の進捗状況について事業者へ意見を求める目的で開催。宅配ロッカー以外に鉄道事業者や宅配便事業者による手ぶら観光、宅配便事業者による物流ネットワークを活用した地域の暮らしサポート事業についても報告があった。


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