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クックパッド  セレクチュアーを売却、通販事業縮小の可能性も

2016年 5月19日 13:57

 クックパッドは5月10日、セレクチュアーの株式譲渡の検討を開始すると発表した。譲渡先と譲渡金額は未定。経営体制の変更に伴い、主力の「レシピ」や「料理」にリソースを集中させるため、生活領域のサービスを売却することにした。セレクチュアーはクックパッド傘下入り後、クックパッドの通販事業をけん引してきた。セレクチュアーの売却は、クックパッドが手掛ける通販事業への影響がありそうだ。

 クックパッドはセレクチュアーが保有する顧客リストや従業員を含めて譲渡するもよう。クックパッドが派遣していたセレクチュアーの取締役2人と監査役1人の今後ついては、未定としている。

 クックパッドは2014年8月に、セレクチュアー株式800株を5億5000万円で取得した。セレクチュアーの2015年12月期の売上高は13億8300万円だった。営業利益は1億4900万円、経常利益は1億5000万円だった。なお、前期は5カ月間の変則決算のため、増減率は算出できない。

 セレクチュアー買収は「食」から「生活」への事業領域を拡大する狙いで行ったもの。雑貨やインテリアを扱う通販サイト「アンジェwebshop」は、料理の空間を演出できるとしてレシピサイト「クックパッド」との親和性が高いと予想。クックパッド傘下入り後は、レシピサイトへのバナー広告を出稿するなどし、新規客獲得を強化していた。

 これに伴う、クックパッドの通販サイト「クックパッドストア」や野菜の定期購入サイト「クックパッド産地直送便」の今後については、「個別に判断する」(クックパッド)と説明する。

 セレクチュアーの社長を務める三好宏明氏は、クックパッドのネット販売を担当しており、クックパッド産地直送便の社長に就く。通販サイトの「クックパッドストア」は「アンジェwebshop」のシステムを活用し、セレクチュアーが運用してきた。通販サイト「クックパッドストア」の売上高が大きくないことなどを踏まえると、セレクチュアーと同時に通販事業も売却される可能性もありそうだ。

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