12月を決算期とする有力総合通販企業三社の2009年中間期業績が出揃った。今上期は、千趣会、ニッセン、セシールとも昨年来の景況悪化の影響で春カタログ商戦が苦戦し、通販事業全体では、いずれも減収減益を余儀なくされた。ただ、その中にあっても、ネット部門は順調な拡大を見せた。各社は、当面厳しい消費環境が続くものと見ており、今後カタログからネットへのシフトをさらに進め収益性の改善を図るとともに、顧客ニーズに対応した価格訴求型の施策を強化していく構えだ。
各社の通販事業売上高は、千趣会が前年同期比7.3%減の683億9600百万円(頒布会事業含む)、ニッセンが同1.7%減の681億1000万円(関係会社含む)、セシールが同9.0%減の295億2900万円で、いずれも減収だった。各社が挙げる減収要因は、カタログを中心に消費低迷で苦戦したことだが、配布の効率化や制作費の抑制、ネットへの誘引の一環として、カタログの発行部数を絞り込んだことも影響。ニッセンやセシールの場合、ネット限定の値引きセールを行ったことも減収要因となったようだ。
また、顧客の購買動向としては、低価格志向の強まりを受け、受注単価が下落。千趣会が前年同期比4%減の1万2580円、ニッセンが同5%減の1万8163円だった。セシールでは上期受注単価の金額を公表していないが、月次情報によると6月までの累計で同4.5%減となっている。商材的にも、高単価商材の動きが鈍かったもようで、各社とも家具インテリアの落ち込みが大きかった。この背景には、景況の悪化に伴う新築住宅着工件数の下落などもあるが、売り上げへの影響も小さくはなかったようだ。
また、インターネット経由の売上高については、千趣会が同5.6%増の347億8700万円で売上高構成比60.6%、ニッセンが同10%増の307億円で同73%と拡大。セシールでは、ネット売り上げの詳細を公表していないが、売上構成比が39.5%と前期末比3.9ポイント上昇し、金額ベースで116億6000万円になる計算で、各社とも、ネットへのシフトの取り組みが進展した形だ。
特に純ネット売り上げが伸びており、千趣会が同17.1%増の210億6800万円、ニッセンも同18.5%増の224億円と2桁の増加。ニッセンの場合、特にモバイルが好調で売上高が同20%増の82億円、うち純ネットが同51.9%増の41億円だった。
一方、利益面は振るわず、千趣会が4億5300万円の営業損失(前年同期は16億1800万円の利益)を計上。ニッセンでも営業利益が同69.5%減の10億8000万円と大幅な減益にとなり、セシールでは連結ベースで2億200万円の営業損失(同6700万円の損失)となり、前中間期よりも損失幅が拡大した。
各社ともカタログ制作費等の販管費の削減を進めたが、売り上げの不振や、バーゲン商品の在庫増加、在庫処分の実施などで商品原価率が悪化。千趣会の場合、棚卸資産評価方法の変更に伴う商品評価損の拡大が響き、営業損失を計上する形となった。
今上期は、消費低迷の影響で苦戦を強いられたが、各社では、顧客の低価格志向に十分対応できなかった面があると分析。このため下期は、ネットへのシフトを進め収益体質を強化していくと同時に、低価格志向への対応にも本腰を入れる構え。
この一環として、千趣会ではインテリア・雑貨の秋冬カタログで、「スペシャルプライス」等として特別価格商品を訴求。ニッセンでも、海外からの商品調達先の見直しに着手しており、セシールでは、上期中に動きが見られた機能性や素材に特徴を持つ商品の開発を強化するほか、休眠顧客の掘り起こしに取り組むとしている。
12月を決算期とする有力総合通販企業三社の2009年中間期業績が出揃った。今上期は、千趣会、ニッセン、セシールとも昨年来の景況悪化の影響で春カタログ商戦が苦戦し、通販事業全体では、いずれも減収減益を余儀なくされた。ただ、その中にあっても、ネット部門は順調な拡大を見せた。各社は、当面厳しい消費環境が続くものと見ており、今後カタログからネットへのシフトをさらに進め収益性の改善を図るとともに、顧客ニーズに対応した価格訴求型の施策を強化していく構えだ。
各社の通販事業売上高は、千趣会が前年同期比7.3%減の683億9600百万円(頒布会事業含む)、ニッセンが同1.7%減の681億1000万円(関係会社含む)、セシールが同9.0%減の295億2900万円で、いずれも減収だった。各社が挙げる減収要因は、カタログを中心に消費低迷で苦戦したことだが、配布の効率化や制作費の抑制、ネットへの誘引の一環として、カタログの発行部数を絞り込んだことも影響。ニッセンやセシールの場合、ネット限定の値引きセールを行ったことも減収要因となったようだ。
また、顧客の購買動向としては、低価格志向の強まりを受け、受注単価が下落。千趣会が前年同期比4%減の1万2580円、ニッセンが同5%減の1万8163円だった。セシールでは上期受注単価の金額を公表していないが、月次情報によると6月までの累計で同4.5%減となっている。商材的にも、高単価商材の動きが鈍かったもようで、各社とも家具インテリアの落ち込みが大きかった。この背景には、景況の悪化に伴う新築住宅着工件数の下落などもあるが、売り上げへの影響も小さくはなかったようだ。
また、インターネット経由の売上高については、千趣会が同5.6%増の347億8700万円で売上高構成比60.6%、ニッセンが同10%増の307億円で同73%と拡大。セシールでは、ネット売り上げの詳細を公表していないが、売上構成比が39.5%と前期末比3.9ポイント上昇し、金額ベースで116億6000万円になる計算で、各社とも、ネットへのシフトの取り組みが進展した形だ。
特に純ネット売り上げが伸びており、千趣会が同17.1%増の210億6800万円、ニッセンも同18.5%増の224億円と2桁の増加。ニッセンの場合、特にモバイルが好調で売上高が同20%増の82億円、うち純ネットが同51.9%増の41億円だった。
一方、利益面は振るわず、千趣会が4億5300万円の営業損失(前年同期は16億1800万円の利益)を計上。ニッセンでも営業利益が同69.5%減の10億8000万円と大幅な減益にとなり、セシールでは連結ベースで2億200万円の営業損失(同6700万円の損失)となり、前中間期よりも損失幅が拡大した。
各社ともカタログ制作費等の販管費の削減を進めたが、売り上げの不振や、バーゲン商品の在庫増加、在庫処分の実施などで商品原価率が悪化。千趣会の場合、棚卸資産評価方法の変更に伴う商品評価損の拡大が響き、営業損失を計上する形となった。
今上期は、消費低迷の影響で苦戦を強いられたが、各社では、顧客の低価格志向に十分対応できなかった面があると分析。このため下期は、ネットへのシフトを進め収益体質を強化していくと同時に、低価格志向への対応にも本腰を入れる構え。
この一環として、千趣会ではインテリア・雑貨の秋冬カタログで、「スペシャルプライス」等として特別価格商品を訴求。ニッセンでも、海外からの商品調達先の見直しに着手しており、セシールでは、上期中に動きが見られた機能性や素材に特徴を持つ商品の開発を強化するほか、休眠顧客の掘り起こしに取り組むとしている。