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ハースト婦人画報社 期間限定や服以外で新規獲得、雑誌の読者ターゲットに

2015年 7月16日 15:50

051.jpg ハースト婦人画報社は、運営する通販サイト「エル・ショップ」で、海外の人気ブランドを期間限定で取り扱うウェブ上のポップアップストアや、取り扱いカテゴリーの拡充などで新規顧客の開拓につなげている。

 例えば昨年は、同社発刊の雑誌「エル・ジャポン」の創刊25周年を記念して7~8月に「ロンハーマン」や「イザベルマラン」など高級ブランドの期間限定店を「エル・ショップ」内に開設し、150点以上の商品を販売したが、そのほとんどを「エル・ジャポン」の誌面に掲載。"エル"ならではのスタイリングで見せてウェブ誘導したところ、多くの商品がすぐに売れたという。

 今年も2月下旬にイタリアのブランド「ゴールデングースデラックスブランド」の期間限定店を「エル・ショップ」内で展開した。雑誌「エル・ジャポン」でも10ページにわたる企画ページを掲載。エルならではのビジュアルで商品を紹介し、通販サイトの訪問客増と買い上げにつなげた。

 同社によると、普段はネット上では購入できないブランドを扱うことで、雑誌の読者やブランド名検索によるサイト流入など、新客獲得の起爆剤になっているという。

 今秋には、フランス版雑誌「エル」の創刊70周年を記念して誕生したドレスを「エル・ショップ」でも扱う。これは、1940年代から2000年代にわたり、各時代の世相やトレンドを反映させたドレスをブランド「エル」が制作するもので、10月下旬発売の「エル・ジャポン」と同時にウェブ上でも期間限定店を開設して販売する。

 一方、婦人衣料以外の取り扱いを強化することでも新規客の開拓に成功している。同社では昨年2月から、料理雑誌「エル・ア・ターブル」の編集者が選定するスイーツやワインなど食の提案を始めた。同カテゴリーの商品については、既存会員では上位顧客が購入するケースが目立つが、ウェブマガジン「エル・オンライン」のグルメチャンネル経由で訪問する新規客も多いようだ。

 今年は、「エル・ア・ターブル」5月号で別冊付録の「キッチンツール・バイブル」と連携し、付録で紹介する商品の一部が「エル・ショップ」でも購入できることをアピールした。同誌9月号ではグローサリーを特集する別冊企画が進行中で、再度、通販サイトとの連携を予定している。

 また、今年1月には通販サイトでメンズ商品の取り扱いにも本格着手。「エル・ショップ」の主要顧客層であるファッションを楽しむ大人の女性が、"パートナーや家族に着てほしいと思うメンズウエア"をコンセプトに、服からファッション雑貨までをそろえた。

 最近では、通販サイトにアップする前の商品を一足早く見せる小冊子「エル・ショップ・エクスプレス」でも通販会員や「エル・ジャポン」の定期購読者に向けてメンズ商材を紹介している。

 さらに、同社では"エル"以外の雑誌との通販連携にも取り組んでいる。昨年10月には、男性ファッション誌「メンズクラブ」と全日空商事の通販サイト「エースタイル」とのコラボ企画が始動。「エースタイル」の持つトラベル関連商品の開発力と、雑誌編集部の目利き力を生かし、双方の中心顧客層である30~40代のビジネスマンをターゲットにしたコラボ商品を開発、提案する。

 今年2月には雑誌「ヴァンサンカン」の通販サイトを開設。"プリンセス気分になれるオンラインショップ"をコンセプトにワンピースやファッション小物など約100型の販売を始めた。昨年の「ヴァンサンカン」5月号から本誌掲載した別注アイテムを販売する「これ、いただくわ」企画をスタートしているが、読者から好評だったため、規模を拡大した「ヴァンサンカン・ショップ」として運営していく。

 最近では、着物専門誌の「美しいキモノ」夏号で掲載した高級浴衣や和小物の一部を「エル・ショップ」で販売するなど、従来の雑誌媒体だけではリーチできる層が限定的なため、通販サイトを通じた商品提案にも力を注ぐ考えだ。

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