靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは5月28日から、スポーツ用品を販売する新たな通販サイトを開設した。同日付でスポーツ用品販売大手のアルペンと締結した資本業務提携を受けたもの。ロコンドがこれまでファッション通販サイトで実施してきた送料・返品無料などのサービスは踏襲しつつ、アルペンの幅広いスポーツ用品の商品力を生かし、新たに"スポーツファッションEC"の市場創出を目指す。
資本提携は10億円で、アルペンがロコンドの第三者割当増資と転換社債を引き受けるが、ロコンド株式の取得割合は20%未満とし、同社の独立性は維持する。
新たに立ち上げたアルペンがメーン出店社として参画するスポーツファッションの通販サイト「ロコスポ」(画像)は、送料無料・30日間返品無料(3000円以上)のサービスや、午後2時までの注文を即日出荷する無料サービス、電話やメールで相談に乗るコンシェルジュサービスなどを踏襲するとともに、スポーツ商材であってもファッション性を意識した見せ方で訴求する。
ロコンドは女性会員が、アルペンは男性客が多いため、双方で弱い層の開拓につなげる。開設時は人気スポーツブランドやアルペンのプライベートブランドを含めた1万品番を扱い、初年度10億円、数年後には140億円規模の売上高を目指す。
併せて、業務提携の一環としてロコンドの開発・運営によるアルペンの自社通販サイトも開設。5000円以上で送料無料、サイズ交換無料などスポーツ専門店のECとしては高水準のサービス力で顧客を開拓する。
また、ロコンドが4月に始めた、実店舗の商品欠品時に店舗で決済し、ロコンドの倉庫から購入者の自宅に無料配送する「ロコチョク」サービスについても、アルペンは愛知県内のスポーツ用品店「スポーツデポ」3店舗でテスト導入しており、順次、全国の「スポーツデポ」や「アルペン」「ゴルフ5」でも導入する。
ロコンドの2015年2月期の取扱高は前年比47%増となる75億円で、年商100億円と黒字化の達成が見えてきている。一方、アルペンは「楽天市場」や「アマゾン」など複数の仮想モールに出店して約20億円のEC売上高があるが、ロコンドとタッグを組むことで3年後に100億円を目指す。
両社に聞く提携の狙いは?「テスト販売で成果、自社ECでもタッグ」――提携の経緯は。
ロコンド田中社長(以下、田中=写真㊨)「今後の成長には従来のファッションECで扱っていないカテゴリーの強化が不可欠で、1兆4000億円の市場があるスポーツ分野を考えていたが、有力ブランドを集めるのには時間がかかる。そこでアルペンさんにメーンの出店社となってもらい、タッグを組むことで一気に広げられると考えた。1月にアルペンさんが扱う人気ブランドのスニーカーを『ロコンド』でテスト販売したら予想以上に売れ、新サイトを立ち上げるきっかけになった。同時にアルペンさんの自社ECも当社が運営するほか、当社の『ロコチョク』にも参画してもらうことになり、業務提携だけでなく資本を入れてもらうことになった」――持ち株比率を20%未満にした。
田中「1000以上のブランドを扱うサイトとして、ひとつの企業の色が出過ぎるのはよくないので、独立性を保った。今回の資金は大幅に広がる品ぞろえに対応して、物流や撮影、コンシェルジュなどに投入する」
アルペン白鳥執行役員(以下、白鳥)「当社としても成長企業のスピード感を尊重したい。ベンチャー企業への投資やデジタル領域での事業提携は初めてだ。ロコンドはサービス水準が高く、顧客が満足している。スポーツの小売りはECのサービス水準が低く、商品を翌日に届けられるのも武器になる。当社は商品陳列も含めてファッション性に乏しく、商品はあるのに女性客をとり切れていない。『ロコスポ』で女性客にリーチし、実店舗にも来店してもらえればいい」――テスト販売での感触は。
白鳥「1月時点ではシューズだけをテスト販売したが、従来から展開している各仮想モールの販売量の合計よりも売れた。これまで値引きして売っていたファッション性の高いスニーカーなどが『ロコンド』では定価で売れたりして、お互いにメリットがあることが分かった」
――「ロコスポ」の可能性は。
田中「可能性は大きい。スタート時は1万品番程度だが、『ロコスポ』ではアルペンさんが展開する全業態の商品を扱う。今までなかった"スポーツ×ファッション"をキーワードに新しい価値を提供する。初年度は10億円を見込んでいるが、早い段階で市場規模の1%に当たる140億円を目指したい」
――「ロコチョク」の状況は。
白鳥「当社店舗で欠品していた場合、端末で他店の在庫をチェックし、1週間後くらいに再来店してもらっているが、競合店に行ってしまう消費者も多く、その場で決済して翌日には自宅に届けられる『ロコチョク』サービスは非常に好評だ。在庫回転率の観点からも、『ロコチョク』を活用すれば売れるたびに同じ商品を補充しなくてよく、抱える在庫も少なくて済む」
――EC在庫は。
白鳥「店頭在庫を使って仮想モールに出品していたため、店も欠品しやすかった。今回の提携によりEC用の在庫をロコンドの倉庫に置き、『ロコスポ』と自社EC、『ロコチョク』用に活用する」
資本提携は10億円で、アルペンがロコンドの第三者割当増資と転換社債を引き受けるが、ロコンド株式の取得割合は20%未満とし、同社の独立性は維持する。
新たに立ち上げたアルペンがメーン出店社として参画するスポーツファッションの通販サイト「ロコスポ」(画像)は、送料無料・30日間返品無料(3000円以上)のサービスや、午後2時までの注文を即日出荷する無料サービス、電話やメールで相談に乗るコンシェルジュサービスなどを踏襲するとともに、スポーツ商材であってもファッション性を意識した見せ方で訴求する。
ロコンドは女性会員が、アルペンは男性客が多いため、双方で弱い層の開拓につなげる。開設時は人気スポーツブランドやアルペンのプライベートブランドを含めた1万品番を扱い、初年度10億円、数年後には140億円規模の売上高を目指す。
併せて、業務提携の一環としてロコンドの開発・運営によるアルペンの自社通販サイトも開設。5000円以上で送料無料、サイズ交換無料などスポーツ専門店のECとしては高水準のサービス力で顧客を開拓する。
また、ロコンドが4月に始めた、実店舗の商品欠品時に店舗で決済し、ロコンドの倉庫から購入者の自宅に無料配送する「ロコチョク」サービスについても、アルペンは愛知県内のスポーツ用品店「スポーツデポ」3店舗でテスト導入しており、順次、全国の「スポーツデポ」や「アルペン」「ゴルフ5」でも導入する。
ロコンドの2015年2月期の取扱高は前年比47%増となる75億円で、年商100億円と黒字化の達成が見えてきている。一方、アルペンは「楽天市場」や「アマゾン」など複数の仮想モールに出店して約20億円のEC売上高があるが、ロコンドとタッグを組むことで3年後に100億円を目指す。
両社に聞く提携の狙いは?「テスト販売で成果、自社ECでもタッグ」
――提携の経緯は。
ロコンド田中社長(以下、田中=写真㊨)「今後の成長には従来のファッションECで扱っていないカテゴリーの強化が不可欠で、1兆4000億円の市場があるスポーツ分野を考えていたが、有力ブランドを集めるのには時間がかかる。そこでアルペンさんにメーンの出店社となってもらい、タッグを組むことで一気に広げられると考えた。1月にアルペンさんが扱う人気ブランドのスニーカーを『ロコンド』でテスト販売したら予想以上に売れ、新サイトを立ち上げるきっかけになった。同時にアルペンさんの自社ECも当社が運営するほか、当社の『ロコチョク』にも参画してもらうことになり、業務提携だけでなく資本を入れてもらうことになった」
――持ち株比率を20%未満にした。
田中「1000以上のブランドを扱うサイトとして、ひとつの企業の色が出過ぎるのはよくないので、独立性を保った。今回の資金は大幅に広がる品ぞろえに対応して、物流や撮影、コンシェルジュなどに投入する」
アルペン白鳥執行役員(以下、白鳥)「当社としても成長企業のスピード感を尊重したい。ベンチャー企業への投資やデジタル領域での事業提携は初めてだ。ロコンドはサービス水準が高く、顧客が満足している。スポーツの小売りはECのサービス水準が低く、商品を翌日に届けられるのも武器になる。当社は商品陳列も含めてファッション性に乏しく、商品はあるのに女性客をとり切れていない。『ロコスポ』で女性客にリーチし、実店舗にも来店してもらえればいい」
――テスト販売での感触は。
白鳥「1月時点ではシューズだけをテスト販売したが、従来から展開している各仮想モールの販売量の合計よりも売れた。これまで値引きして売っていたファッション性の高いスニーカーなどが『ロコンド』では定価で売れたりして、お互いにメリットがあることが分かった」
――「ロコスポ」の可能性は。
田中「可能性は大きい。スタート時は1万品番程度だが、『ロコスポ』ではアルペンさんが展開する全業態の商品を扱う。今までなかった"スポーツ×ファッション"をキーワードに新しい価値を提供する。初年度は10億円を見込んでいるが、早い段階で市場規模の1%に当たる140億円を目指したい」
――「ロコチョク」の状況は。
白鳥「当社店舗で欠品していた場合、端末で他店の在庫をチェックし、1週間後くらいに再来店してもらっているが、競合店に行ってしまう消費者も多く、その場で決済して翌日には自宅に届けられる『ロコチョク』サービスは非常に好評だ。在庫回転率の観点からも、『ロコチョク』を活用すれば売れるたびに同じ商品を補充しなくてよく、抱える在庫も少なくて済む」
――EC在庫は。
白鳥「店頭在庫を使って仮想モールに出品していたため、店も欠品しやすかった。今回の提携によりEC用の在庫をロコンドの倉庫に置き、『ロコスポ』と自社EC、『ロコチョク』用に活用する」