アテニアは1月20日、主力のスキンケアラインを刷新した。1日の体や肌の変化に合わせて適切なケアを行うことで、スキンケアの効率を最大化させる「時間美容」という新理論をもとに設計。新ラインの展開で、2008年3月期をピークに減収基調にある業績のV字回復を目指す。
「最近、『時短型』のアイテムが増えている。ニーズの一つではあるが、スキンケアという行為、あり方をもう一度見直す必要がある。どこか義務化、しなければならないスキンケアになっていないか」。女性の社会進出とともに、スキンケアに求められる機能も、より手軽さが求められているが、須釜社長は、スキンケアという行為の原点回帰を提唱。「(従来型スキンケアが主流の)市場に一石を投じたい。義務ではなく、楽しむ、心地よい、積み重ねることできれいになれる実感が得られるような提案をしたい」と話した。
新ラインは、エイジングケアを目的にした「ドレスリフト」(税込2743円~4320円)と、保湿を目的にした「プリマモイスト」(しっとり、さっぱりの2タイプ、同1512円~3240円)の2ライン。市場にある商品の中には、「朝」「日中」「夜」と、それぞれの時間帯ごとに生じる肌悩みを解決することを念頭に設計されるものがある。だが、アテニアはこれらを"点"ではなく、"線=24時間"で捉える。
これを支えるのは、「時間美容」という美容理論。人の"睡眠の質"は、起床時に分泌される睡眠に関与したホルモンがつかさどり、日中に適切なケアをして過ごすことで睡眠中の肌再生力が高まるというものだ。これらホルモンの分泌など生体リズムに応じたケア、サポートする成分や精油を配合した化粧品を使うことで"睡眠の質"が高まり、スキンケアの効果も引き出すことができるという。
新ラインには、"睡眠の質"をサポートする成分や精油をそれぞれ配合。「ドレスリフト」には、肌のハリや弾力に関わるクインシードエキスや発酵コラーゲンに加え、複数の保湿成分、最大7種類の天然精油も配合した。「プリマモイスト」には、肌のうるおいや弾力に関わるプロテオグリカンをはじめ複数の保湿成分や、ノバラを基調に複数の天然精油をブレンドした。
また、顔のマッサージを行うことで成分の浸透や働きを高める独自の「タッチングメソッド」も初めて導入。使用方法の浸透も図ることでスキンケア効果の最大化を目指していく。
須釜憲一社長「ポーチで売らない」来期増収転換へ
アテニアの須釜憲一社長にスキンケアライン刷新の背景と、今後の展開を聞いた。
――業績が低迷している。課題はどこにあった。
「最大の課題は他社との差別化。エイジング、保湿など肌悩みに応じて美容成分を(他社より)より多く入れるという発想に留まり、独自性がなかった。革新的な価値が生み出せず、(顧客への)説得力に欠けていた」――従来のラインが抱えていた課題は。
「『クラスAベーシックライン』と上位ラインの『インナーエフェクター ベーシックスキンケア』を展開していた。『インナー―』はよりエイジングケアを意識しているが、2つとも"保湿ライン"であり、既存客から見ても選びにくかった」
――新ラインのコンセプトは。
「美のサイエンスと時間のサイエンスを融合させた『時間美容』という新発想のスキンケアで差別化を図っている。ただ、アテニアは創業時から生体リズムを意識して"日中用""夜用"といった商品の棲み分けを行っており、『時間美容』はとってつけた概念ではない。よりその発想を進化させた。『エイジングケアライン』と『高保湿ライン』に分け、(顧客から見ても)分かりやすくなっている」
――昨年、ブランドを代表する夜用美容クリーム「インナーエフェクター」を先行発売した。販売の動向は。
「2011年のリニューアル時と比べ、売り上げ個数は約3倍に伸びている」
――今期はグループのファンケルの連結業績(中間)で売上高が前年比9%減と、減収傾向にある。来期以降の見通しは。
「08年(3月期)以降一度も増収に転じていないが3月にはメークアイテムも刷新する。今期をボトムに来期はプラスに転じさせる」――これまでポーチやトライアルセットを使い、低価格ながら満足感のあるセットで新規獲得していたが、「低価格」の面ばかりが理解されていた。現在、ブランド再構築の途上にあるが、創業時に掲げたコンセプトである「高品質、ハイセンス、低価格」を維持しつつ、どう新規獲得を進める。
「従来型のプロモーションは見直す。トライアルセットは展開するかもしれないが、積極的に行わない。ポーチなどは使わず、イメージも変える。ディスカウントも基本は行わず、例えば化粧水を買うと乳液のミニボトルがつくなど見せ方を変える。基本は、本商品を購入してもらうモデルを作っていく」――キーアイテムは。
「『プリマモイスト』の化粧水は(化粧水では珍しく、プロテオグリカンなど高機能成分を配合している)。広告では最も効果実感を得やすい各ラインの化粧水を前面に出す」
――容器のデザインもこだわっているが製造原価に変更は。
「ほぼ旧ラインと同じ。販売価格も据え置いている」
「最近、『時短型』のアイテムが増えている。ニーズの一つではあるが、スキンケアという行為、あり方をもう一度見直す必要がある。どこか義務化、しなければならないスキンケアになっていないか」。女性の社会進出とともに、スキンケアに求められる機能も、より手軽さが求められているが、須釜社長は、スキンケアという行為の原点回帰を提唱。「(従来型スキンケアが主流の)市場に一石を投じたい。義務ではなく、楽しむ、心地よい、積み重ねることできれいになれる実感が得られるような提案をしたい」と話した。
新ラインは、エイジングケアを目的にした「ドレスリフト」(税込2743円~4320円)と、保湿を目的にした「プリマモイスト」(しっとり、さっぱりの2タイプ、同1512円~3240円)の2ライン。市場にある商品の中には、「朝」「日中」「夜」と、それぞれの時間帯ごとに生じる肌悩みを解決することを念頭に設計されるものがある。だが、アテニアはこれらを"点"ではなく、"線=24時間"で捉える。
これを支えるのは、「時間美容」という美容理論。人の"睡眠の質"は、起床時に分泌される睡眠に関与したホルモンがつかさどり、日中に適切なケアをして過ごすことで睡眠中の肌再生力が高まるというものだ。これらホルモンの分泌など生体リズムに応じたケア、サポートする成分や精油を配合した化粧品を使うことで"睡眠の質"が高まり、スキンケアの効果も引き出すことができるという。
新ラインには、"睡眠の質"をサポートする成分や精油をそれぞれ配合。「ドレスリフト」には、肌のハリや弾力に関わるクインシードエキスや発酵コラーゲンに加え、複数の保湿成分、最大7種類の天然精油も配合した。「プリマモイスト」には、肌のうるおいや弾力に関わるプロテオグリカンをはじめ複数の保湿成分や、ノバラを基調に複数の天然精油をブレンドした。
また、顔のマッサージを行うことで成分の浸透や働きを高める独自の「タッチングメソッド」も初めて導入。使用方法の浸透も図ることでスキンケア効果の最大化を目指していく。
須釜憲一社長「ポーチで売らない」来期増収転換へ
アテニアの須釜憲一社長にスキンケアライン刷新の背景と、今後の展開を聞いた。
――業績が低迷している。課題はどこにあった。
「最大の課題は他社との差別化。エイジング、保湿など肌悩みに応じて美容成分を(他社より)より多く入れるという発想に留まり、独自性がなかった。革新的な価値が生み出せず、(顧客への)説得力に欠けていた」
――従来のラインが抱えていた課題は。
「『クラスAベーシックライン』と上位ラインの『インナーエフェクター ベーシックスキンケア』を展開していた。『インナー―』はよりエイジングケアを意識しているが、2つとも"保湿ライン"であり、既存客から見ても選びにくかった」
――新ラインのコンセプトは。
「美のサイエンスと時間のサイエンスを融合させた『時間美容』という新発想のスキンケアで差別化を図っている。ただ、アテニアは創業時から生体リズムを意識して"日中用""夜用"といった商品の棲み分けを行っており、『時間美容』はとってつけた概念ではない。よりその発想を進化させた。『エイジングケアライン』と『高保湿ライン』に分け、(顧客から見ても)分かりやすくなっている」
――昨年、ブランドを代表する夜用美容クリーム「インナーエフェクター」を先行発売した。販売の動向は。
「2011年のリニューアル時と比べ、売り上げ個数は約3倍に伸びている」
――今期はグループのファンケルの連結業績(中間)で売上高が前年比9%減と、減収傾向にある。来期以降の見通しは。
「08年(3月期)以降一度も増収に転じていないが3月にはメークアイテムも刷新する。今期をボトムに来期はプラスに転じさせる」
――これまでポーチやトライアルセットを使い、低価格ながら満足感のあるセットで新規獲得していたが、「低価格」の面ばかりが理解されていた。現在、ブランド再構築の途上にあるが、創業時に掲げたコンセプトである「高品質、ハイセンス、低価格」を維持しつつ、どう新規獲得を進める。
「従来型のプロモーションは見直す。トライアルセットは展開するかもしれないが、積極的に行わない。ポーチなどは使わず、イメージも変える。ディスカウントも基本は行わず、例えば化粧水を買うと乳液のミニボトルがつくなど見せ方を変える。基本は、本商品を購入してもらうモデルを作っていく」
――キーアイテムは。
「『プリマモイスト』の化粧水は(化粧水では珍しく、プロテオグリカンなど高機能成分を配合している)。広告では最も効果実感を得やすい各ラインの化粧水を前面に出す」
――容器のデザインもこだわっているが製造原価に変更は。
「ほぼ旧ラインと同じ。販売価格も据え置いている」