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ヤフーが運営するネット宿泊予約サイト「ヤフートラベル」は従来まで複数の宿泊予約事業者の宿泊施設情報を掲載し、予約成立時に成果報酬を得るアグリゲート型モデルを採用してきたが、それと並行して今夏から直販も開始する。
ヤフーによる直販の場合、手数料モデルではなく、「広告モデル」を採用することにし、宿泊施設からはシステム利用料や初期費用、月額固定費なども徴収せず無料化する。ただ、「ヤフートラベル」の利用を促すため、宿泊予約者に還元する「Tポイント」の還元率を最低5%(最大14%まで宿泊施設が設定できる)と高めたため、宿泊施設には原資の5%とポイント手数料の0・3%を負担させることになる。ヤフーによると「一般的なネット宿泊予約事業者のシステム手数料率は売上額の7~10%、ポイント原資負担額は1~2%程度で合計8~12%程度を宿泊施設は支払う必要があった」(齋藤克也ショッピングカンパニー予約事業本部長)ことから、ポイント原資を負担しても、宿泊施設にとっては割安感があり、利用のハードルは低くなるようだ。
加えて、外部リンクを開放。宿泊施設が「ヤフートラベル」経由で自社サイトなどに誘導するリンクを自由に貼れるようにする。無料化と自由化で「これまで手数料負担などの問題でネット予約に対応できなかった小規模な旅館やペンション、民宿なども含めて多くの宿泊施設に契約頂きたい」(小澤隆生ショッピングカンパニー長)とし、「ヤフートラベル」で宿泊予約可能な施設数を従来までのアグリゲート型モデル(現状、1・3万施設を掲載)と直販を合わせて「早期に競合サービスの2~3万施設を超え、日本一にしたい」(小澤氏)。また宿泊施設数を増やしつつ、高ポイント還元やヤフーの検索サービスを活用した送客強化、ビックデータを活用したレコメンデーションの強化などで利用者数も増やし、取引数でも日本最大規模を目指す。
2月26日から宿泊施設向けに直接契約を行う専用ページを設置。今後は専用の営業員を増強し宿泊施設への営業を本格化させる考えだ。
ヤフーは昨秋に仮想モールで無料化+自由化を導入、出店者数が急増している。ネット宿泊予約事業でも同様のビジネスモデルを導入することで規模拡大を図る狙い。