──無料化後、「ヤフーショッピング」の流通総額に変化は。
「そう短期間で上がるものではなく、新規出店希望者の出店が本格的に始まり、商品が増え始める来年から大きく変化が出てくると思う。来年1年間で商品が徐々に増え始め、そのことが買い手である利用者にも認知されてきた時点で流通総額はどんどん上がってくるだろう。ただ、無料化以降、皆様に注目されたことに加えて、『無料分』をポイント増額や送料無料という形でユーザーに還元している既存店も増えており、利用者にとってのお得感も徐々に出てきている。また、我々としても広告宣伝費をこれまでより大きく増やし、身銭を切って『ヤフーショッピング』へ誘導するための広告をかなり出稿しており、それによってある程度、(流通総額のアップが)出てきていることも確かだ。ここは年末に向けて、より(流通総額の)増大は見込めると思っている」
──流通総額を拡大させる1つの要素としては「レディースファッション、食品・スイーツ」などレディース商材の強化がポイントとなりそうだ。具体的な施策はあるのか。
「1つは商品数、出店者数の増加による品ぞろえの拡充だ。個人出店も相当増えてくるため、この部分も品ぞろえの拡充としては大きいだろう。これに加えて、その品ぞろえをいかに魅力的に見せ、便利に購入できるかが重要だと思う。これまでは出店者に良い商品画像を登録頂いても表示上の画素数が荒いなどの問題があった。また、PCのほか、スマートデバイスでもUIが極めて悪かった。現状、迅速に機能面の強化を進めている。例えば10月上旬には懸賞の仕組みを導入したり、カート機能のUI改善やクーポン機能の追加なども(10月下旬から)開始した。スマートタブレットのトップページは年内までに、PCのトップページは部分改修を行いつつ、来年早々に大きく変える予定だ。商品の見せ方については、例えばファッション関連商品の購入履歴をもとにした精度の高いレコメンデーションエンジンなども必要だと思うがこれまではあまりできていなかった。これについても現在、開発・改良を進めている。スマートフォン対応ではアプリを相当出す予定でアプリを介して機能や利便性を強化してきたい。レディース商材に限ったことではないが、増えた品ぞろえに対して、きちんと商品を魅力的に見せ、買いやすいようにすることが重要だと思っている。そういった施策で『ここで買いたい』と思って頂ける方を増やしていきたい」
──無料化で商品が増えるのは良いことだが、個人出店なども増え、「売り場」が荒れるのではとの懸念も出店者にはあるようだ。
「我々には数十万の出品者に対して『ヤフオク!』が実施してきたノウハウがあり、そうした出店審査やパトロールをヤフーショッピングにそのまま生かせる。まったく経験がないというわけではなく、これまできわめて事故率を低く抑えてきた『ヤフオク!』のやり方をベースに必要な処置はすべてヤフーショッピングでもとっていく。また、個人出店に関しては『エスクロー』をマストとするため、取り引きへの不安は払拭できると思っている」
──2019年度までに国内最大の「ネット上の売り場」を目指すと明言しているが、達成できるのか。例えば来年度はどの程度まで流通総額はあがってくるのか。
「社内では目標数値は持っているが非開示だ。ただ、我々としては身銭を切って、広告を出稿するなど集客を強化する施策をどんどん打っていこうと思っている。ポイントのキャンペーンも我々の負担でどんどん大きくやっていく。ヤフーショッピングが買い手から『よい売り場だ』と思って頂くまでには多少時間がかかるかと思うが、きちんと認知されるようPR活動やキャンペーンを打っていく。そこは一生懸命やらせて頂くので出店者の皆様にはご期待頂きたい」(おわり、㊦-2は
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