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三越伊勢丹通信販売と郵便局物販サービス、カタログ通販で合弁会社、三越ブランドを郵便局で展開

2013年 1月31日 11:03

三越伊勢丹通信販売(本社・東京都江東区、勝田潤一社長)と日本郵便子会社の郵便局物販サービス(同・同、松村茂社長)は、今年8月に両社のカタログ事業を分離・統合して新会社を設立し、10月1日から事業を開始する。三越ブランドの衣料品などで大都市圏に強い前者と、食品を中心に地方に強い後者の顧客基盤を活用し合い、双方の主要顧客であるシニア層の囲い込みを加速。日本有数の総合カタログ通販事業を目指す。


両社の商品調達部門やカタログ制作部門を統合して設立する新会社の社名や資本金は未定だが、郵便局物販サービスが60%、三越伊勢丹通信販売の親会社である三越伊勢丹ホールディングスが40%を出資する予定。

 三越伊勢丹通信販売としては、全国に約2万4000ある郵便局の販売網を活用できるようになり、一方、食品中心のカタログを展開する郵便局物販サービスは、三越伊勢丹通信販売との協業により衣料品や雑貨、リビング用品などに商材の幅を広げて新規需要を創出する。

 また、カタログ事業統合による規模拡大で商品調達力の強化やフルフィルメントなどの効率改善を図り、収益力アップにつなげるという。

 今後は、郵便局にカタログを設置するだけにとどまらず、配達員が三越ブランドの紙媒体を配布したり、受注面では郵便局の窓口に加えて三越伊勢丹通信販売のコールセンターを活用するなどの取り組みも出てきそうだ。

 2012年3月期の売上高は郵便局物販サービスが635億円、三越伊勢丹通信販売が282億円だった。とくに、後者は11年4月に三越の通信販売事業部が株式会社化して独立。通販売り上げはこの10年で100億円以上縮小しており、カタログ通販の立て直しが急務だった。

 今回、カタログ事業がメーンの両社が紙媒体の機能を中心に新会社へ移管することになったが、知名度の高い三越と郵便局、双方のブランドを存続させるためにも「合併」という選択肢はとらなかったようだ。

 近年、カタログ通販市場ではこれまでの主要顧客層の高齢化やネット販売へのシフトなどもあって苦戦を強いられるケースが目立つ。大手通販実施企業では、「現状の打破や株価対策としても、昨今は異業種とのアライアンスがミッションのひとつになっている」と指摘。勝ち残り競争が激化しているネット販売市場も含め、今後も通販企業と異業種との提携話が出てきそうだ。

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