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フォーラムでは、まず主催者側(JACDS)がセルフメディケーションに対する考え方などについて説明し、セルフメディケーションが求められる理由として、寝たきりや闘病生活の回避などの高齢者の満足度向上のほか、医療費抑制による若い世代の将来に対する安心感の醸成、現行医療制度の安定的持続の3点を提示。また、セルフメディケーションの定義について、軽い病気やケガなどを自分で判断し一般用医薬品を使って治すという従来の考えに加え、加齢に伴う生活習慣病や慢性疾患の予防などへ領域を拡大すべきとした。
医療費削減などの観点から、セルフメディケーションの重要性は以前から指摘されており、一般用医薬品の販売制度の見直しを盛り込んだ「薬事法」改正のきっかけにもなっている。だが、医師の間では、セルフメディケーションの推進は患者の受診回数の減少につながり、一般用医薬品の販売拡大を狙うドラッグストアや薬局・薬店の策略とする見方も根強いのが実情のようだ。
これについてJACDS側は、医薬品販売の現場で薬剤師などの専門家が顧客の状況に応じて受診勧奨をするなど、医師側と連携を図ることで受診機会が増えると説明。セルフメディケーションの推進は、未病状態の改善や症状の早期発見・治療に向けた受診勧奨の仕組みを構築するものとの考えを示した。
一方、同フォーラムでは、JACDS副会長の樋口俊一衆院議員、日本薬剤師会の藤原英憲常任理事、NPO法人・高齢社会をよくする女性の会の樋口恵子理事長、厚生労働省医薬食品局総務課の山本史薬事企画官などによるパネルディスカッションを行い、セルフメディケーションの推進に向けた課題などについて意見を交換。この中で、厚労省の山本企画官は、セルフメディケーションの推進に向け、販売現場での専門家の対応を徹底するよう注文をつけた。
健康食品や医薬品を扱う通販事業者にとっても、セルフメディケーションの推進は重要なテーマ。フォーラムでは、規制問題を抱える医薬品通販には特に触れなかったが、主催者のJACDS側は健食について、活用ニーズが高まってくると予測。消費者の正しい商品選択に資する情報提供のあり方など健食の制度整備を進めるべきとした。
今後、JACDSでは、川柳コンクールなどを通じ、消費者に対するセルフメディケーションの理解深耕を図っていく考え。一般用医薬品や健食を扱う通販事業者としても、セルフメディケーションをめぐる動向が注目されるところだ。