前年比8.6%増、輸入代行シフト進む?日本国内のネット販売(EC)市場が拡大を続けている。経済産業省が8月27日に公表した「平成23年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2011年度における日本国内の消費者向けEC(BtoC―EC)の市場規模は、前年比8・6%増の8兆4590億円、EC化率は同0・3ポイント増の2・8%となった。業種・業態別でも、ほぼ全てが前年をクリア。震災関連の特需などから、医薬化粧品小売業や食品小売業などが高伸した。
業種別では総合小売業の市場規模が最も大きく、1兆7820億円。前年比10・6%増と2桁のプラスだった。これに宿泊・旅行業および飲食業の1兆2700億円(前年比15・3%増)、自動車・パーツ小売業および家具・家庭用品小売業、電気製品小売業の1兆2460億円(同2・0%増)が続いた。
また、伸び率についてみると、医薬化粧品小売業が同34・6%増の4200億円と高伸したほか、衣料・アクセサリー小売業が同28・6%増の1440億円、食品小売業が同22・0%増の5320億円と20%超の伸長。
同調査で分類する医薬化粧品小売業はドラッグストアなどがメーンであるため、経産省では化粧品や医薬品自体よりも、一般食品や日用品などでのネット購入の拡大が伸長要因と分析。また、衣料品・アクセサリー小売業についてはネット購入の浸透や品揃えなどの充実、食品小売業については、GMSや食品スーパーが展開するネットスーパーの利用拡大、東日本大震災の発生を受けた食品のまとめ買いなどで高伸したと見る。
震災に伴うまとめ買いの傾向は、ドラッグストアなどの医薬化粧品小売業にも共通したものだが、この際にネットが一般食品や日用品の購入場所として認知され、ネット販売利用者の裾野が広がった面もあるようだ。
また、BtoB―ECの前年度国内市場規模は、同0・6%増の257兆7680億円(VAN・専用回線使用など含む)で、EC化率は0・6ポイント上昇し24・3%。多くの業種でプラスとなっており、産業関連機器・精密機器製造、情報通信、運輸、広告・物品賃貸が2桁の伸となった。
この背景としては、業種ごとにECの基盤整備、ASPやマッチングサイトなどのサービス拡充の進展、効率的な自社製品の販路拡大、あるいは中小取引先の開拓でECの活用を検討する事業者が増えていることなどがあるようだ。
一方、前回から行っている日米中3カ国間における越境ECの調査についてみると、各国消費者の越境EC利用状況は、日本消費者の米国および中国事業者からの購入額が同58・1%減の145億円、米国消費者の日本および中国事業者からの購入金額が同15・1%減の1075億円、中国消費者の日本および米国事業者からの購入金額は同7・1%増の2331億円だった。
中国消費者のみがプラスだが、経産省はインターネットの普及や人民元のレート上昇傾向などが背景にあると分析する。この要因は日本も同様と言えるが、日本消費者の場合、輸入代行事業者(※輸入代行は調査対象外)をするケースが増え、海外通販サイトからの直接購入による越境ECの市場規模が縮小した可能性があると指摘。実際、同調査によると、「eBay」の日本向けオークションサイト「セカイモン」では、円高が進行した昨年7月下旬から8月初めにかけ、円高の恩恵を受けやすい高額商品を中心に落札金額が急増しているという。
また、米国についてはドル安の影響や経済に対する先行きの不安感などから、越境ECの利用が縮小したと分析する。
日本国内のネット販売(EC)市場が拡大を続けている。経済産業省が8月27日に公表した「平成23年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2011年度における日本国内の消費者向けEC(BtoC―EC)の市場規模は、前年比8・6%増の8兆4590億円、EC化率は同0・3ポイント増の2・8%となった。業種・業態別でも、ほぼ全てが前年をクリア。震災関連の特需などから、医薬化粧品小売業や食品小売業などが高伸した。
業種別では総合小売業の市場規模が最も大きく、1兆7820億円。前年比10・6%増と2桁のプラスだった。これに宿泊・旅行業および飲食業の1兆2700億円(前年比15・3%増)、自動車・パーツ小売業および家具・家庭用品小売業、電気製品小売業の1兆2460億円(同2・0%増)が続いた。
また、伸び率についてみると、医薬化粧品小売業が同34・6%増の4200億円と高伸したほか、衣料・アクセサリー小売業が同28・6%増の1440億円、食品小売業が同22・0%増の5320億円と20%超の伸長。
同調査で分類する医薬化粧品小売業はドラッグストアなどがメーンであるため、経産省では化粧品や医薬品自体よりも、一般食品や日用品などでのネット購入の拡大が伸長要因と分析。また、衣料品・アクセサリー小売業についてはネット購入の浸透や品揃えなどの充実、食品小売業については、GMSや食品スーパーが展開するネットスーパーの利用拡大、東日本大震災の発生を受けた食品のまとめ買いなどで高伸したと見る。
震災に伴うまとめ買いの傾向は、ドラッグストアなどの医薬化粧品小売業にも共通したものだが、この際にネットが一般食品や日用品の購入場所として認知され、ネット販売利用者の裾野が広がった面もあるようだ。
また、BtoB―ECの前年度国内市場規模は、同0・6%増の257兆7680億円(VAN・専用回線使用など含む)で、EC化率は0・6ポイント上昇し24・3%。多くの業種でプラスとなっており、産業関連機器・精密機器製造、情報通信、運輸、広告・物品賃貸が2桁の伸となった。
この背景としては、業種ごとにECの基盤整備、ASPやマッチングサイトなどのサービス拡充の進展、効率的な自社製品の販路拡大、あるいは中小取引先の開拓でECの活用を検討する事業者が増えていることなどがあるようだ。
一方、前回から行っている日米中3カ国間における越境ECの調査についてみると、各国消費者の越境EC利用状況は、日本消費者の米国および中国事業者からの購入額が同58・1%減の145億円、米国消費者の日本および中国事業者からの購入金額が同15・1%減の1075億円、中国消費者の日本および米国事業者からの購入金額は同7・1%増の2331億円だった。
中国消費者のみがプラスだが、経産省はインターネットの普及や人民元のレート上昇傾向などが背景にあると分析する。この要因は日本も同様と言えるが、日本消費者の場合、輸入代行事業者(※輸入代行は調査対象外)をするケースが増え、海外通販サイトからの直接購入による越境ECの市場規模が縮小した可能性があると指摘。実際、同調査によると、「eBay」の日本向けオークションサイト「セカイモン」では、円高が進行した昨年7月下旬から8月初めにかけ、円高の恩恵を受けやすい高額商品を中心に落札金額が急増しているという。
また、米国についてはドル安の影響や経済に対する先行きの不安感などから、越境ECの利用が縮小したと分析する。