ファンケルのブランド再構築の展望を占う今期第1四半期の状況が明らかになった。今年3月の「新無添加スキンケア」発売以降、ファンケルではスキンケアの"ライン訴求"を徹底してきた。だが、第1四半期の状況はマーケティング費用の増加の増加を受けて大幅な減益に(3面に関連記事)。ファンケルは「マイルドクレンジングオイル」「洗顔パウダー」などスター商品への依存から脱却し、スキンケアの顧客獲得を進めることができるのか。
ファンケルは第1四半期の売り上げ計画を公表していないが、売上高は計画に対して未達だった。
ただ「ファンケル化粧品」の国内売上高は前年同期比3・6%増の76億5900万円。前年は限定品の売り上げが11億3000万円含まれており、限定品の施策を行わない中で増収を達成した。
製品カテゴリ別の売上高は「基礎(化粧液・乳液)」が前年同期比50%増となり、新スキンケアで新規獲得が進んだ。その他の製品群は「美容液」が同30%増、「洗顔」が同45%増。「クレンジング」や限定品の売り上げを含む「その他」は、それぞれ前年並み(同0%)、同30%減となった。新スキンケアの販売に注力し、限定品や「マイルドクレンジングオイル」(以下、マイクレ)の営業施策を実施してこなかったことが影響した。
既存客の「新スキンケア」移行は順調に進んでいる。「化粧液」を使う既存客は約40万人(前期末実績)で、6月末の移行率は58%。同月末の目標に55%を掲げており、これを達成した。
一方、顧客数は「ファンケル化粧品」全体では前年を未達。新規客の獲得は同20%減と低調だった。ただ、「スキンケア(ライン使用)」の新規獲得は同約3・5倍に。特に「基礎」に限ると前年を上回り、新規獲得は同80%増だった。ただ、ここでもマイクレの販促を行わなかったことが影響し、マイクレの新規獲得はほぼ半減している。
購入単価は、「旧スキンケア」に比べ約2000円向上。購入2カ月後の継続率も約2倍となった。
◇
一方で課題として浮上したのが、新規獲得の強化だ。
広告表現で「無添加の機能性=素肌純化」を伝えきれず、新規客の獲得商品も本商品を使ったため購入のハードルを高める結果となった。今後はトライアルセットを積極的に展開。「お買得感」も重視し、キットの価格帯も最適な価格のテスト検証を進めている。
9月に予定していたテレビCMの集中スポットも前倒しで実施。7月20日から行っている「ドリカム・ライヴチケットキャンペーン」との連動で顧客獲得を強化する。
また、「ライン訴求」が中心となったことでマイクレや洗顔パウダー、美容液など強い「単品」の埋没も招いた。今後は、スター商品を営業施策に組み込みつつ、ライン使いに落し込む戦略に転換する。マイクレの限定ボトルの展開など例年実施してきた施策も行う。
これにより上期は、化粧品事業全体(いいもの王国の連結の影響を除く)で同6・2%増となる240億5000万円を目指す。
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第2四半期移行の対策は、マイクレや洗顔パウダーなどスター商品への回帰との印象も受ける。これら商材を使い、いかにライン購入につなげるか、その具体策が明らかでないため今後を待つことになるが、化粧液や乳液を中心とするスキンケアで顧客との関係性を築けるかが、今後のカギとなりそうだ。
ファンケルは第1四半期の売り上げ計画を公表していないが、売上高は計画に対して未達だった。
ただ「ファンケル化粧品」の国内売上高は前年同期比3・6%増の76億5900万円。前年は限定品の売り上げが11億3000万円含まれており、限定品の施策を行わない中で増収を達成した。
製品カテゴリ別の売上高は「基礎(化粧液・乳液)」が前年同期比50%増となり、新スキンケアで新規獲得が進んだ。その他の製品群は「美容液」が同30%増、「洗顔」が同45%増。「クレンジング」や限定品の売り上げを含む「その他」は、それぞれ前年並み(同0%)、同30%減となった。新スキンケアの販売に注力し、限定品や「マイルドクレンジングオイル」(以下、マイクレ)の営業施策を実施してこなかったことが影響した。
既存客の「新スキンケア」移行は順調に進んでいる。「化粧液」を使う既存客は約40万人(前期末実績)で、6月末の移行率は58%。同月末の目標に55%を掲げており、これを達成した。
一方、顧客数は「ファンケル化粧品」全体では前年を未達。新規客の獲得は同20%減と低調だった。ただ、「スキンケア(ライン使用)」の新規獲得は同約3・5倍に。特に「基礎」に限ると前年を上回り、新規獲得は同80%増だった。ただ、ここでもマイクレの販促を行わなかったことが影響し、マイクレの新規獲得はほぼ半減している。
購入単価は、「旧スキンケア」に比べ約2000円向上。購入2カ月後の継続率も約2倍となった。
一方で課題として浮上したのが、新規獲得の強化だ。
広告表現で「無添加の機能性=素肌純化」を伝えきれず、新規客の獲得商品も本商品を使ったため購入のハードルを高める結果となった。今後はトライアルセットを積極的に展開。「お買得感」も重視し、キットの価格帯も最適な価格のテスト検証を進めている。
9月に予定していたテレビCMの集中スポットも前倒しで実施。7月20日から行っている「ドリカム・ライヴチケットキャンペーン」との連動で顧客獲得を強化する。
また、「ライン訴求」が中心となったことでマイクレや洗顔パウダー、美容液など強い「単品」の埋没も招いた。今後は、スター商品を営業施策に組み込みつつ、ライン使いに落し込む戦略に転換する。マイクレの限定ボトルの展開など例年実施してきた施策も行う。
これにより上期は、化粧品事業全体(いいもの王国の連結の影響を除く)で同6・2%増となる240億5000万円を目指す。
第2四半期移行の対策は、マイクレや洗顔パウダーなどスター商品への回帰との印象も受ける。これら商材を使い、いかにライン購入につなげるか、その具体策が明らかでないため今後を待つことになるが、化粧液や乳液を中心とするスキンケアで顧客との関係性を築けるかが、今後のカギとなりそうだ。