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協和発酵バイオ、今期通販売上高50億円へ、主力「オルニチン」知名度40%に

2012年 8月 2日 10:00

メーカー系健康食品通販の中で協和発酵バイオ(本社・東京都千代田区、石野修一社長)が頭角を現してきている。前期(11年12月期)は、通販売上高が前期比約20%の増収を果たし、40億円半ばに到達。今期は50億円の売上高を目指す。今年1月からは地上波キー局でテレビ通販も始めており、主力の健食に配合する「オルニチン」の知名度も高まってきている。

 協和発酵バイオでは、これまでBS・CS局、地上波地方局でテレビ通販を展開してきたが、今年1月から地上波キー局の展開も始めた。予算配分に占めるテレビ関連のマーケティング費用は6~7割。今期も同規模をテレビの広告出稿に充てる。

 テレビではキャスターの草野仁をイメージキャラクターに起用。また、富士経済調べで「オルニチン」市場の売上高1位だったことから、"ナンバー1訴求"も始めた。現在、累計顧客数は90万人を突破。このためテレビCMで表示しているが、今期は早期に同100万人を超える見通し。テレビCMの新しいクリエイティブも模索する。

 主力商品は「リメイク オルニチン」と「リメイク 発酵コエンザイムQ10」。ここ数年、共に約4割の売上比率で推移していたが、前期は「オルニチン」の売上比率が約7割に達した。

 テレビCMの影響や、オルニチンの原料供給先である永谷園の味噌汁「1杯でしじみ70個分のちから」が好調な売れ行きを維持したこと、キリンホールディングスが展開する横断ブランド「キリン プラス―アイ」のプロモーション施策が追い風となった。

 また、"肝機能への対応"など限定的な機能性で訴求せず、ここ数年、"疲労感"や"朝の目覚め"など幅広いアプローチを行ってきたことで、市場のすそ野が広がったとみられる。半期ごとに行う「オルニチン」の認知度調査ではかつて8%前後だった認知度が約40%(今年6月時点)にまで高まっている。

 協和発酵バイオでは、通販事業と原料販売事業を行う「ヘルスケア事業」が核となる事業に成長してきたことを受け、初めて事業スローガンも定めた。

 スローガンは「発酵で10年後の元気をつくる」。健食の役割を議論する中で、「病気の治癒に使われる医薬品と異なり、健常者の方との長い付き合いの中で健康でいるためのサポートをしていきたいという想いを込めた」(同社)という。

 メーカー系健食通販の中でも「原料供給(川上)」から「通販(川下)」まで一貫して製造・販売する事業者は珍しい。今後、原料にも精通する専門企業として顧客に"安心・安全"を訴求していく。


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