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商品は「箱庭栽培」。ケース、LEDライト、液肥、種などがセットになっており、上からLED光を当て、ケースの中で液肥を用いて種から無農薬野菜を育てるというもの。成長までは3~4週間程度。種はベビーリーフやハーブ、レタスなどおよそ50種類で、栽培に必要な光量の関係から、葉モノに特化して販売していく。透明なガラスケースになっているため、観葉植物のような観賞用としての利用も想定している。
主要ターゲットは都市部に暮らす30代などの若い層。近く専用のSNSを開設し、ユーザー間で栽培方法などの情報をやり取りする場に育てる方針だ。
価格は3種類で、一番小さいケース(10センチメートル×10センチメートル×10センチメートル)の「ミニ」は5800円からで、「スタンダード」(30センチメートル×30センチメートル×30センチメートル)が9800円から、最大の「ラージ」(60センチメートル×30センチメートル×36センチメートル)は1万9800円から。年間1万個の販売を目指す。
商品の調達はネットを使ってBtoBで少量ずつ仕入れ、在庫リスクを低減する。販路を通販サイトに絞ることで、販売からカスタマーサポートに掛かるコストを削減。一連の流通をオンライン上で完結させることで、相場に比べて大幅に価格を下げている。
エスキュービズムは、通販サイト構築パッケージなどを手がけているが、「システム化されていない分野は開拓の余地がある」(薮崎社長)と、今年4月に農業やエネルギーに関する事業を専門に扱う子会社アグリエナジーユニティ(AEU)を設立。「箱庭栽培」は第一弾の取り組みとなる。
同商品は5月28日の販売開始後、一般紙に取り上げられたこともあり、日に数十件の受注があった。想定外の注文の多さから、商品の供給が間に合わない状況となった。さらにパーツの改良などもすることになり、現在は予約販売に切り替えている。早ければ、7月から供給が再開できる見込みという。
AEUによると、東日本大震災による原発事故を受け、消費者の食に対する意識が変化するなか、自宅で栽培する無農薬野菜への需要は高いと手応えを感じている。今後は同社が工場の中で種から苗を育て、ある程度発育させてから販売していくことも検討している。