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消費者庁の機能評価事業、食品11成分を評価、食品表示制度に活用検討

2012年 5月10日 11:15

消費者庁が4月25日、「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告を行った。モデル事業では、食品成分の機能性評価の手法や、これに伴う課題、さらに食品11成分について試験的に評価を実施。消費者庁では今後、評価手法を食品表示制度に活用する方策を検討するとしている。検討は、同庁の食品表示課で行う。ただ、「新たな枠組みとなるか、既存制度を使うかの見通しはついてない」(食品表示課)としており、実際の活用時期も「できるだけ早く」(同)と話すにとどめた。

モデル事業は、諸外国における表示制度の実態調査、食品成分の機能性評価基準の検討、成分の機能性評価に関する課題の整理の3点。昨年6月、日本健康・栄養食品協会が事業を受託して調査を行っていた。

 さらに策定した評価基準に沿って試験的に食品11成分の評価。評価は、学術論文の内容など研究の質や数、一貫性(肯定的な内容で一貫しているか否か)を「機能性評価専門チーム」が行い、学識経験者らが中心の「評価パネル会議」が総合評価する2段階で行った。評価は機能性をA(明確で十分な根拠がある)、B(肯定的な~)、C(示唆的な~)、D(示唆的な根拠が少数ながら存在するが不十分)、E(ヒトでの効果確認例がなく評価不能)、F(根拠情報とみなせるものがほとんどない)の5段階で実施。各成分で期待される機能を対象にした。

 セレンの総合評価は、「前立腺がん」がB、「膀胱がん」「食道がん」「原発性肝がん」がいずれもD評価。オメガ3系脂肪酸は、EPAやDHAについて「心血管疾患リスク低減」「血中中性脂肪低下作用」「関節リウマチ症状緩和」でA、「乳児の成育、行動・視覚発達補助」でB、「血圧改善作用」「うつ症状の緩和と発生率低下」でCの評価が得られた。

 ルテインは「加齢黄斑変性の進行抑制」でB、「白内障の予防効果」でDの評価。CoQ10は「心機能改善効果」「スタチンによるCoQ10欠乏状態の改善」でB、「高血圧症の血圧改善」ためでCの評価だった。

 ヒアルロン酸は「ひざ関節痛改善効果」「皮膚の保湿効果」で共にC評価。ビルベリーエキスは「視機能改善」でC、「血流改善」でD評価。グルコサミンは「変型性ひざ関節症の症状改善」でB評価、BCAAは「筋たんぱく質の合成促進・分解抑制」「運動により生じる筋損傷・筋肉痛の軽減」でB、「運動による疲労の軽減」でCの評価だった。

 イチョウ葉は「認知機能改善」でB、「血流改善」でC、ノコギリヤシは「軽度から中程度の良性前立腺肥大に伴う頻尿、排尿障害の改善」でB、ラクトフェリンは「感染防御」「免疫調節機能の向上」でB、「脂質代謝改善」でD評価だった。

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