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フジ・メディア・サービスは今年5月から7月にかけてセシール株の公開買い付けを行い、11月25日現在で持株比率78.06%に当たる3,382万3,229株を保有。これまで、フジ・メディアHDとディノス、セシールの三社で通販事業の展開手法などについて検討を進めてきた。今回の株式交換契約の締結は、通販事業における施策の展開や意思決定の迅速化、経営資源の有効活用を図るためにセシールの完全子会社化が必要と判断したもので、来年1月に各社が開催する臨時株主総会で承認を得る運びだ。
セシールは、2月24日付で上場廃止となり、株式交換契約の効力発生日である来年3月1日付でフジ・メディア・サービスの完全子会社となる予定。フジ・メディア・サービス以外の株主に対しては、上場廃止の代替措置として一株当たり180円を支払う。
一方、ディノスとセシールの連携ついては、フジ・メディアHDグループ内に通販事業を統括する中間持株会社を設け、両社をその傘下に置く方向で検討を進める考え。当初は合併も有力視されていたが、「これまでの検討作業を踏まえ、総合的に判断した結果」(セシール広報室)、中間持株会社方式を選択したという。
現状、中間持株会社方式を選んだ具体的な理由は不明だが、合併により間接部門の統合などの効率化が期待できる半面、両社が保有するブランドや顧客情報、社員の扱いなどの問題もあったと見られる。フジ・メディアHD側では、通販事業を新たな収益の柱にする意向があり、両社が得意とする分野に注力しながら、双方の顧客基盤を活用し展開の拡大を図ることが得策と判断したようだ。
具体的な連携策については、これから詳細を詰めていく段階だが、まず双方の顧客基盤を有効活用することから着手。既に11月5日からそれぞれの通販サイトに相互リンクを張り送客をする試みを行っており、今後、既存顧客へのカタログやチラシの送付なども行う見込みだという。
ただ、他の通販企業の見方は冷ややかで、「客層があまりにも違い過ぎ、上手くいくとは思えない」(某総合通販経営トップ)といった声も浮上。フジ・メディアHD側の思惑通りにシナジー効果が得られるか、今後の動向が注目されるところだ。