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高まる健食の顧客要望㊤ 多様化進む健康ニーズ、顧客の声で商品を拡充、プラスワン購入も

2011年12月 4日 21:00

昨今、健康食品通販実施企業の間で、商品ラインアップ拡充の動きが活発化しつつある。企業ごとに戦略はあるが、その中で聞かれるのは、「健康に対するニーズが多様化している」という声。健食通販実施企業は、それぞれ基幹商材を持つが、さらに顧客ニーズに対応した商品展開を進めることで囲い込みを図るとともに、従来から使用している商品とのプラスオン購入につなげていく考えのようだ。
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 有力健食通販企業でこの動きがいち早く見られたのは、山田養蜂場。同社では、2008年6月から「グルコサミン」や「コラーゲン」などをミツバチ産品以外の素材を使用した健食「山田養蜂場のサプリメントシリーズ」の販売を開始した。

 既存顧客の要望を受け展開を始めたもので、スタート時に「グルコサミン」「ビルベリー」「野菜クロレラ」「コラーゲン」の4アイテムを発売。顧客の要望が多かった成分を投入したという。

 その後、「DHA+EPA」や「セサミン」「青汁」などを投入している。また、11月18日には、価格を抑えた「レスベラトロール」の新商品を発売。すでに「レスベラトロール」を使った商品を扱っているが、顧客から購入しやすい価格にして欲しいという声があったことに対応したものだ。

 同社が主力とする「ローヤルゼリー」などのミツバチ産品は競争が激しい一方、市場の成熟化も囁かれているおり、新規顧客の獲得も年々難しくなっている。

 このため同社としても、「サプリメントシリーズ」でベースとなる既存顧客のニーズに対応するとともに、新たな客層を取り込む"入り口商品"として期待。これまでの展開では、既存顧客のプラスオン購入や若年層新規顧客の利用で売り上げを伸ばすなど成果を出しているようだ。

 また、「ブルーベリー」や「カシス」、「ルテイン」など目の健康ニーズに対応した商品を主力にしてきたわかさ生活でも、今年9月から「ウコン」や「イソフラボン」「マカ」など多様な素材の健食の展開を始めた。

 第1弾として「イソフラボン」や「ミネラル」「ローヤルゼリー&プロポリス」「マカ」「ウコン」など10アイテム。その後も新商品を投入し、約30アイテムにまで商品ラインアップを拡充している。

 同社によると、自社の顧客は健康に対する意識が高いコアな層が多く、以前から、様々な健康成分に関する問い合わせ、あるいは商品の取り扱いの要望が寄せられていたという。

 今回の商品ラインアップ拡充は、こうした顧客の要望に応えたものだが、さらに健康成分の情報サイト「わかさの秘密」を開設するなど、顧客サービスの面でも強化を図っている。

 健食通販で重要なのは、新規顧客の獲得と同時に、商品をいかに長く利用してもらえるようにするか。そのベースとなるのは、強力な主力商材で顧客を惹きつけることだが、一方では、既存顧客の年齢の上昇とともに健康に対する関心が高まり、ニーズも多様化してくる。

 新規顧客の獲得が難しくなる中、健食通販実施企業が既存顧客の活性化や囲い込みを考える上で、基幹商材に加え、細かな顧客ニーズに対応した商品の展開も重要になりつつあるようだ。

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