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悠香(本社・福岡県大野城市、中山慶一郎社長)の「茶のしずく石けん」(旧製品)による小麦アレルギー発症を巡り、各県で結成された被害者弁護団が集団訴訟の準備を進めている。結成された弁護団は全国14の都道府県。11月20日には都内で情報共有化を目的に合同会議を開き、製造物責任法(PL法)に基づく損害賠償を求め足並みを揃えていく方針を固めた。各報道機関による報道も再燃しており、被害者の数はさらに増えることになりそうだ。
複数の弁護団に準備状況を聞く限り、集団訴訟は来春となる見通し。
東京弁護団の中村忠史弁護士は、「できれば全国で同時期に集団提訴という形を取りたい」と話す。大阪弁護団の日高清司弁護士も「各弁護団の準備状況は異なるが、社会問題に発展する可能性がある問題。アピールという言葉は適切でないかもしれないが、裁判所に重大な問題と認識してもらう上でも一緒に(提訴)できたらいい」とする。
ただ、各弁護団の準備状況にはばらつきがあり、原告も確定していない。
東京弁護団は、現状、問い合わせのあった相談者に対し、個別相談を行っている段階。対象となる相談者は70人、これまで20~30人の聞き取りを終えている。ただ、一般紙各紙の報道を受けて問い合わせは急増しており、「やっと知ったという人がどんどん来ている。憶測だが、相談者の数も倍になる可能性がある」(中村弁護士)とする。
大阪弁護団では、個別相談の希望者が100人を超えたという。ただ原告の確定には至っておらず、今後、症状の確認、プリックテスト(皮膚テスト)の実施、提訴の意思確認、受任手続きといった段階を踏んでいく方針。
このほか、北海道弁護団は80~90件の問い合わせが寄せられている段階。福岡弁護団も100件近い問い合わせが寄せられている。愛知弁護団は9月以降、2度に渡る被害者説明会に70~80人が参加している。
ただ、各弁護団に対する問い合わせは、他県の弁護団と重複する可能性があるほか、県外からの相談も含まれている。
中村弁護士も「北関東、千葉、山梨から相談が寄せられているが、弁護団が結成されておらず受け皿がない。今後、各県の弁護士会に働きかけていく」としている。
このほか、宮城、新潟、埼玉、神奈川、京都、兵庫、広島、佐賀、鹿児島で弁護団が結成されている。