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通販各社「発熱」「保温」商品の展開強化 「ヒートテック」ヒット背景に冬本番に向け拡販

2009年11月11日 21:54

081.jpg 通販各社が発熱・保温機能を有する機能性衣料などの展開を強化している。昨冬、ユニクロが投入した「ヒートテック」のヒットを背景としたもので、ラインアップの拡充や新たな機能の追加など、商品力を強化。今冬シーズンの戦略商品として販促に力を入れている企業の中には、予想を上回る売れ行きで、一部の商品が品薄になっているという。昨年来の消費の冷え込みで苦戦を強いられてきたが、これから寒さが本格化する時期に向け、一層の拡販を推進。巻き返しを図っていく構えだ。

 発熱素材を使った高機能肌着の火付け役であるユニクロは今シーズン、「ヒートテック」(=写真)の販売数量について、前年比でおよそ80%増となる5,000万枚を計画する。うち300万枚は海外を想定しており11月初旬、米国と仏国で初めて通販サイトを開設した。

 「ヒートテック」はユニクロが東レと共同開発・製品化した発熱や保温性に優れた肌着シリーズ。今年の展開では、静電気や洗濯による型崩れ防止機能を追加するなど商品力を強化。また、メンズ24型、ウィメンズ13型、1デザインで最大23色を取り揃えるなど色・型を拡充するとともに、ハイネックやタートルネックなどもラインアップした。

 ネット販売は現在、日本、英国、韓国、中国で行っているが、秋冬の期間限定で仏国と米国でもサイトを開設。海外での拡販を狙い、音楽に合わせて「ヒートテック」のスタイリングなどを訴求するブログパーツ「ユニクロチューンズ」を展開するなど、ウェブマーケティングも強化している。

 昨年は国内外で2,800万枚を完売し、11月に品切れとなったが、今年も「現在の販売状況は、「計画を上回り、やはり品切れする」(柳井社長)との見方だ。

 セシールは、保温・発熱の機能性衣料「スマートヒート」シリーズが好調に推移、冬カタログ発行から約1カ月で受注件数が10万枚(卸含む)を突破した。来年3月までの受注目標についても、当初の30万枚から50万枚に上方修正している。

 「スマートヒート」は、人の皮膚から出る湿気を生地に取り込み発熱する発熱・保温素材「バイロフト」を使用。断面が長方形の同素材と、断面が円形の「マイクロアクリル」が作る隙間に暖かな空気を保つのが特徴だ。

 これまでの展開で、特に売れているのが「8分袖」(税込価格990円から)。単品で2万枚超を受注しており、約1カ月で2億円以上を売り上げた計算だ。同社では、「スマートヒート」シリーズの好調要因について、豊富なサイズバリエーションや手頃な価格などがあると分析。また、ブラジャーのストラップのズレを防止する「ストラップ留」の付加や、前かがみなった際に背中が見えにくいよう着丈を長めにするといった工夫も奏効していると見る。

 また、ヒラキは10月に韓国の生地メーカーと共同開発した保温肌着「快温発熱インナー」を発売した。吸湿発熱や防菌・防臭、ストレッチ性などに優れているのが特徴で、キャミソールやシャツ、スパッツなど10種類を展開。レディース、メンズ、ジュニア用と幅広くラインアップし、価格を税込714円に統一することで、「低価格」の靴を多く扱う自社のイメージを訴求している。

 商品は自社通販サイトのほか、カタログや実店舗でも販売。発売からこれまで数量的には計画通り推移しているとし、今後は状況を見ながら追加発注をかけていく考え。今年の展開では50万着の販売を目指す。

 一方、サルースでは蓄熱保温素材を使用したブーツやパンプス等の「ヒートシューズシリーズ」を展開している。立ち上がりは緩やかだったが、11月に入ってからは、気温の低下のほか、広告や自社サイトのリニューアル企画などが集中し高伸。現在は計画通りの推移を辿っているという。


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