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大地を守る会(本社・千葉市美浜区、藤田和芳社長)は、7月度のネット販売売上高は前年同月比83%増の4800万円と急伸した。新規客が増加したことにより顧客数は同80%増の2万8000人となった。
大地を守る会では6月から、通販サイト「大地を守るウェブストア」で西日本産の野菜セット「子どもたちへの安心野菜セット」を発売したほか、西日本産の卵を集めた「西から卵」、九州・日本海の魚をピックアップした特集を展開。6月以降、西日本産の食品が売れ筋となり、通常と比べて1・5~2・5倍の売り上げとなっている。
らでぃっしゅぼーや(本社・東京都港区、緒方大助社長)の7月度売上高は予算どおりに推移。産地を限定した野菜セットの定期購入者数は4000人で、食の不安を理由とした顧客の離脱抑制に貢献した。
同社では7月から、週刊カタログ内で西日本産と東日本産の野菜を購入時に選べるようにしたほか、別チラシで産地を限定した野菜の販売を開始した。産地限定後の売上高は1・5~2倍に伸長しているという。
各社ではこれまで、カタログや通販サイトなどの産地表記は「千葉、奈良、ほか」などと表記しており、産地を特定して商品を購入することができなかった。このため、食の不安が広がった原発事故以降は、放射能の影響を受けた地域の商品が届けられることを避けるため、顧客が特定の産地の野菜を選んで購入できるスーパーなどに離脱してしまう傾向にあったようだ。
これに対し、食品通販2社では西日本産の品揃えの充実を図ることで、東日本産と西日本産の野菜を選んで購入できるよう利便性を向上。震災後に復興支援と食の安全性確保と二極化した消費者の二ーズにも対応することができた。「西日本産の野菜のニーズは圧倒的に高いが、西日本産のものだけを販売するとユーザーの信頼は得られない。だが、従来から販売している東日本産と西日本産の野菜を2つ並べて販売したことで、西日本産と東日本産のそれぞれが好調に売れ、野菜セットが回復した」(らでぃっしゅぼーや)とている。
また、ソーシャルメディアを通じた情報発信が奏功し、企業への信頼性が向上。大地を守る会ではツイッターやフェイスブックを通じて、放射能自主検査の取り組みや被災地の状況や支援活動などを現地からツイッターで紹介。フォロワーのリツイートが活発化し、情報の拡散で認知度が向上。28000人の新規客獲得につながった。大地を守る会では「フォロワーは震災後4カ月で2000人以上増え、震災前の2倍に増加した」としている。