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このうち、トラックによる宅配便(主要26ブランド)の取扱個数は、31億9329万個で、前年比2・8%の増加だった。内訳としては、ヤマト運輸の「宅急便」が同7・0%増の13億4877個で全体の42・2%を占有。これに佐川急便の「飛脚宅配便」の11億9404個(前年比6・1%増、構成比37・4%)が続いており、依然、大手2社が順調に取扱個数を伸ばしている状況だ。
また、郵便事業会社の「ゆうパック」の取扱個数は、同31・4%増3億4682個。昨年7月、JPエクスプレスが運営していた「ペリカン便」の統合により大幅増となった。因みに、統合前の「ペリカン便」の取扱個数は、同75・6%減の4690万個。単純計算で、「ゆうパック」との合算取扱個数は前年比13・7%減の3億9372万個になる。
順調に拡大を続ける大手2社に対して、「ゆうパック」(ペリカン便との合算)は2桁のマイナスだが、統合までの混乱や、昨年7月の統合直後に発生した遅配問題で、通販など荷主企業の離脱が影響したもの見られ、こうした荷主企業をヤマト運輸と佐川急便が取り込んでいる面もあるようだ。
一方、メール便では、郵便事業会社の「ゆうメール」の取扱冊数が前年比3・2%増の26億2158万冊で、50・0%のシェアを占有。これにヤマト運輸の「クロネコメール便」の23億1219万冊(前年比2・2%増、構成比44・1%)、佐川急便の「飛脚メール便」の1億4924万冊(同8・5%減、同2・8%)が続く。
宅配便全体としては、ネットやテレビなど通販関連の荷物をけん引役に、取扱個数が伸長。宅配便各社でも、拡大が見込まれる通販関連荷物の取り込みに向け、決済など付帯サービスの拡充やB〓C荷物の集配インフラ整備などに取り組んでおり、運賃単価からサービス・配送品質の競争にシフトしつつある。
この部分ではヤマト、佐川の大手2社が先行しているが、一方で業界3番手の「ゆうパック」は収益改善のため、サービス内容を犠牲にした輸送体制の見直しとともに、荷主企業と運賃の引き上げ交渉を進めている状況。これが通販など荷主企業離れの要因となる可能性もあり、大手2社との格差がさらに広がることも考えられる。