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ベネッセアンファミーユ、DM見直しで好発進

2011年 7月21日 21:52

 食材の宅配サービスを行うベネッセアンファミーユが乳幼児を持つ母親向けに通販展開する食材セット「ママ&ベビーコース」の販促を強化する。離乳食初期の需要獲得を目的とした新商品の発売に合わせて、DM内容の見直しを実施。DMの主役を"母親"から"子ども"に変え、課題となっていた利用期間の長期化を目指す。今期(2012年3月期)売上高は前期並みの25億円、経常利益は増益を計画する。

 同社の食材宅配コースは妊娠期から乳幼児の離乳食需要の獲得を狙った「ママ&ベビーコース」と、離乳食終了から就学前までを対象とした「withキッズコース」を展開。子どもの成長に合わせてコースを選び、最長で6~7年間継続利用できる仕組みだ。

 「ママ&ベビーコース」は09年に開始し、大人向け食事を取り分けて離乳食を調理できるという利便性で訴求。発売から2年で売上高の10~15%を占めるまでに成長したが、平均利用期間は4カ月程度と短かった。また、「withキッズコース」への移行率は2割にとどまっていた。

 こうした課題を解消するため、今年4月から「ママ&ベビーコース」に、離乳食に使用できるペースト状の野菜を組み合わせた食材セットを発売した。離乳食専用商品を投入することで、低月齢乳幼児を持つ家庭の開拓を強化したい考えだ。
 同時にDMの内容の見直しも実施した。「節約」や「簡単」など母親の利便性で訴求していた従来の内容を変更。新たに子どもを主役とした内容で、他社と差別化する。「徹底的に子どものことを考えているベネッセの強みを生かす」(同社)方針としている。

 DM内では「毎日の食事をパクパク食べる子どもを主役にした」(同社)という。子どもの好き嫌いをなくすことで母親の悩み解決につながるとして誘導。また4週間連続で、1000円割引で購入できる販促キャンペーンも実施したほか、プレゼントなどのインセンティブで購入につなげている。

 DMの発送先はベネッセが発刊する育児誌の読者の中から、子どもの月齢に合わせたDMを発送する。また、今期からは1カ月間利用のないユーザーや、初回購入で離脱した休眠顧客の掘り起こしを図る方針。

 離乳食終了後は「withキッズコース」への導線を強化する。継続率を高めるため、アウトバウンドによる販促にも着手したい考え。

 立ち上がりは好調で、「ママ&ベビーコース」の新規客獲得が順調に進んでいるという。継続率向上が業績に反映するのは来期となる見通しで、「少子化で市場が縮小する中での横ばいは評価できるのでは」(同社)とみている。
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