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バロックJリミテッド 顧客開拓にTVCM活用、中国では自社EC開始へ

2011年 7月14日 11:12

 4-2.jpgバロックジャパンリミテッドは、店頭との相互補完やムック本、テレビからのウェブ誘導など、チャネルミックスの取り組みで通販売り上げを伸ばしている。
 
 「シェルター」は、同社の人気ブランド「マウジー」と「スライ」を一緒に販売する実店舗の屋号として2004年にスタート。ブランドをまたいだ着こなし提案や、ブランドごとのテイストを打ち出す総合ストアとして始まり、06年3月に自社通販サイト、07年10月に創刊したムック本も「シェルター」ブランドで展開する。
 
 ムック本の取り組みは、以前、「スライ」などで単独のブランドムックを販売してウェブに誘導したところ大きな反響を得たため、費用対効果の側面からも自社の取り扱いブランドを集め、年4回発行の総合版ムックとして展開している。
 
 「シェルター」ムックは創刊以来、企画や見せ方、起用モデル、ブランドの掲載順番などに変化をつけてテストを繰り返すと同時に、読み物とカタログ機能(商品軸)のバランスをとって読者に楽しんでもらえる誌面構成を心がけてきたという。
 
 ムック本は昨年秋に放映したテレビCMの影響もあって、発行部数は創刊当時の4万部から約10万部まで伸びている。
 
 テレビCMは昨年9月と11月に放映。同社として初のテレビCMの第一弾は通販サイトを架空の空港に設定し、到着する飛行機を自社のブランドに見立てたストーリーで、飛行機からは各ブランドの服を身にまとった女性たちが降り立つという内容だった。
 
 テレビというマス媒体でも、ブランドイメージを立たせたことで、「休眠客を含め、共感してもらえる消費者の獲得を目指した」(深澤哲人上席執行役員シェルター事業本部長)とする。
 
 実際に、サイトへのアクセス数は放映直後に急増。購入にもつながったようで、昨年9月以降、ネット販売の底上げにつながったほか、店舗への来店効果も見られたため、今秋にも再度テレビCMに取り組む計画だ。
 
 自社通販サイトでは今年5月末に、最新アイテムを紹介するオリジナルの動画コンテンツ「シェルターTV」の配信を開始。番組の進行役やモデルを接客に慣れた同社スタッフが務めることで番組がスムーズに展開するようにした。
 
 自社ブランドの新作をミックスさせたスタイルを紹介するだけでなく、ムック本の撮影風景や新店のセレモニーをレポートするなど、飽きのこない番組構成もあって動画へのアクセスは多く、紹介した商品は概ね売れ行きが良かったという。
 
 動画は今秋冬シーズンでも違った切り口で再挑戦。コンテンツのクオリティーを高めることでサイト内の動画活用の拡充や、自社製作のテレビ通販番組などにつなげたい考えのようだ。
 
 また、今期は海外展開の布石を打つ。「マウジー」など実店舗のある中国、香港、台湾を候補にネット販売を始める計画で、年内にも中国で直営の通販サイトと現地の有力モールに出店する。
 
 実店舗のある「マウジー」ブランドでスタートし、上海の現地法人を通じてネット販売する。商品在庫は中国で保管し、サイト開設時からチャット対応など同国のネット事情に合わせた顧客サポートを実装するという。
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