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好調ネット販売企業の研究 ユークス・グループ、ブランド品を独自展開

2011年 2月10日 10:50

イタリア発のファッションEC、日本市場開拓にも本腰

欧米や日本などで衣料品のネット販売を展開するユークス・グループ(本社・イタリアボローニャ、フェデリコ・マルケッティCEO)が順調に拡大を遂げている。ファッションブランドの限定品やオフシーズン商品を販売、商材の独自性などが人気を呼び欧州を中心に認知を高めている。数年前に日本にも進出。日本のデザイナーやブランドとの連携も視野に入れているようだ。
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 2000年に開設したファッション&デザイン通販サイト「ユークス・ドットコム」は現在、67カ国・9言語に対応。欧州を中心に数千のブランドを扱い、衣料品に加えインテリアやペット用品など商品のジャンルやアイテム数を徐々に拡充している。

 大きな特徴は、取り扱う商品が基本的に同サイトでしか手に入らない点。ブランドとのコラボやオリジナル商品を提供するほか、オフシーズンの商品を定価から割り引いて販売し、ブランド側とバッティングすることなく、サイトの独自性も保てるようにしている。

 商品はすべて本社を構えるボローニャの倉庫に一旦保管し、注文を受けてから世界各国へ発送する。日本向けの場合は送料が2200円、4~6営業日で到着する。商品は到着から14日以内であれば返品が可能。実際に試着してサイズやフィット感などが合わなければ返品できるようにすることで、ユーザーの不安感を払拭する狙いだ。

 一方で、08年にはモール型通販サイト「ザ・コーナー・ドットコム」を開設。こだわりを持つブランドを100近く厳選し、トレンドを追求したサイト運営が特徴で、そのシーズンの商品を店頭と同じ価格で販売する。同サイトは現在、52カ国に対応している。

 こうしたマルチブランドの商品を扱う通販サイトを運営する一方で、06年からはファッションブランドの公式オンラインストアの制作・運営サービス「パワード・バイ・ユークス・グループ」を手がけている。

 これまでにエンポリオアルマーニやバレンティノなど23ブランドの通販サイトを立ち上げており、その多くは日本向けのネット販売にも対応している。

 同社は09年12月、ミラノ株式市場に上場。10年第3四半期(1~9月)の売上高は前年同期比41・2%増の約165億8800万円で、営業利益は同27・6%増の約8億2500万円(1ユーロ=110円換算)となっている。

 04年9月に「ユークス・ドットコム」の日本語対応を行い、08年10月には日本にオフィスを構えた。地域別の売上高シェアで見ると日本は6・4%だが、今後伸びていく重要なマーケットと位置付けている。今のところ海外ブランドの商品を日本へ販売している状況だが、日本のデザイナーやブランドとのコラボにも意欲を見せる。国内でもスタートトゥデイの「ゾゾタウン」など衣料品のネット販売が徐々に浸透していく中で、イタリア発のネット販売サービスがどこまで日本のマーケットに食い込んでいくのかが注目される。


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