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東京都では昨年7月から11月にかけ、生活安全課がネット販売で購入したカシミヤ製のジャケット・コート類53品目(価格5208~5万9850円)の商品テストを実施。このうち32・1%に当たる17品目で、カシミヤ100%とうたいながら実際の混用率極めてない少ないなどの不適正な表示が見つかった。
調査対象の商品のうち不適正表示があったのは、紳士用のジャケット・コートがともに42・9%だったのに対し、婦人用ジャケットが16・7%、婦人用コートが23・1%。婦人用商品の割合が低いことについて都では「女性の方が商品に対する見方が厳しいことがあるのではないか」(生活安全課)としている。
一方、東京都取引指導課では、この商品テストの結果を踏まえ、表示に疑義のある商品を販売していた事業者を調査。カシミヤ混用率の表示に景表法の規定に違反する事実が認められたとして、ネット販売を行っていた三京商会(本社・大阪府箕面市)、ミツヤ(同・愛知県豊川市)、H.M.A(同・新潟県上越市)、関西コンピュータマネージメント(同・兵庫県姫路市)、ヴァップス(同・高知県高知市)、ビービーエフ(同・東京都港区)、テイクアイ(同・神奈川県横浜市)、ティー・ファミリー(同・愛知県名古屋市)の8社に指示を実施。このうち2社については二重価格の問題もあった。このほかに製造・表示事業者として鷹岡(同・大阪市中央区)、大栄既製服(同・愛知県名古屋市)、オーティーエス(同・東京都江戸川区)の3社にも指示を行った。
混用率の不適正表示の要因等について都は、販売事業者の多くが製造事業者や卸事業者の説明をそのまま鵜呑みにして表示していたと指摘。これについては以前から言われていることだが、中小事業者の場合、取引先から出された商品説明の全てを確認した上で表示を行うのが難しいという問題が改めて浮き彫りとなった形だ。
一方、製造事業者については、商品製造前の生地の検査で適正な混用率が検出されていたが、製造・流通した商品の混用率が大きく異なっていたとしており、商品の品質管理や情報提供の面で問題があったようだ。