ECやフリマアプリにおけるビンテージ品の動向に関して、前号に続き、楽天グループのコマース&マーケティングカンパニーラクマ事業部の長谷川健一朗ゼネラルマネージャーと、イベントを主催したVCMの十倍直昭代表取締役に聞いた。
◇
――ビンテージ品を販売するフリマアプリとして、ラクマの強みとは。
長谷川健一朗ゼネラルマネージャー(以下、長谷川)「一つは、リユースファッションに特化しており、そういった事業者が集まっていること。もう一つは、毎月1~7日に『ラクマブランドウィーク』を開催しており、クーポンを配布したり楽天ポイントの付与率を高めたりしていることだ。また、『フリル』というレディースファッション中心のフリマアプリが母体という点と、購入した商品到着前に真贋を判定する『ラクマ最強鑑定』を導入した点も強みになるのではないか」
――強みを活かすべく「VCM」のスポンサーとなった。
十倍直昭代表取締役(以下、十倍)「今までのスポンサー企業の中でも、一番ブースが盛り上がったのではないか。Tシャツやブランド品が違和感なく展示されており、ラクマが取り組んでいることが体現されていた。来場者も、ブースを一つのショップとして捉えて満足度も高かったのではないか」
長谷川「カップルの来場者も多いので、女性も楽しめる空間を意識したことが良かった」
――スポンサーになったきっかけは。
長谷川「6月に東京・表参道で『ラクマ公式ショップ』出店事業者が出品するラグジュアリーブランドの名品を集めたリユース品展示会を開催したが、そこに十倍氏が来場したのがきっかけ。以前から気になっていたイベントなので、トントン拍子で話が進んだ」
――出展の成果は。
長谷川「オンラインで多くの流通額がある事業者にとって、リアルイベントは、投資対効果でいうとそこまで高くない、というのが一般的だが、『VCM』は非常に濃い、優良顧客が多いので、直接話を聞けたことが大きかった。ラクマを知っているユーザーは非常に多かったが、『公式ショップ』という形でビンテージ品が買えることを知らないユーザーが多かったので、それを周知できたことも良かった。単価についても、2万5000円程度を予想していたが、5万5000円だった」
十倍「ラクマは他のフリマアプリに比べて、ファッションに強いということもあって、商品の編集がおしゃれ。当社としても『ビンテージを買うならラクマ』と、ビンテージファンに対して促せるようにしていきたい。実際のところ、ラクマの流通規模を考えたらリアルイベントの売り上げは小さい。ラクマは、ネットでビンテージを買う人たちへのブランディングの部分で当社に期待してくれているはずなので、きっかけが作れれば」
――ビンテージ市場は広がりを見せている。
十倍「『良く分からないけどビンテージ品が人気らしい』『そんな高くないやつでいいけどビンテージデニム買ってみようかな』というマス層が増えていると思う。なので、マニアに特化しすぎるのではなく、ラクマで『初めてビンテージ品を買うならこれ!』といった、ビンテージ初心者の基本を作りたい」
――『ビンテージは難しそう』というイメージを持つ消費者は少なくないのではないか。
十倍「確かに『知識がないから何を買えばいいか分からない』という人は多い。当社は『全身ビンテージ』にしてほしいとは思っていない、例えば、記念日なら5万円や10万円のワインを買うかもしれないが、日常使いではもっと安いワインを飲むわけで、『高いものなら何でもいい』というような考えはない。例えばデニムなら、気軽に買える2000年初頭のものからはじめて、好きになったらもっと高いものを買えばいい」
十倍「少しずつビンテージを楽しんでもらえばいいし、どっぷりはまったらもっと良いものを買う、というようになれば、ビンテージショップも高級品だけを揃えずに済む。ラクマには『ビンテージに挑戦しよう』という消費者に対し、ハードルを下げるような存在になってほしい」
――ECやフリマアプリにおいてビンテージ品がもっと売られるようになりそうだ。
十倍「特に最近はECへの抵抗が減っているので、ビンテージはネットで売買されていることがもっと増えていく。ただ『誰から買うか、どこで買うか』が付加価値になるはずだ。『ラクマだったら安心してビンテージ買えるよね』『ラクマで買えば満足できる』となるように、当社の力もお貸ししたい。ラクマならそういった共通認識が作れるのではないか」
長谷川「楽天市場で高級バッグを買うようなユーザーが、当該ブランドの過去のバッグをラクマで購入する、という流れが加速できるのではないか。それとは別に、もっと若い人たちがビンテージ品を気軽に買えるような仕組みも作れれば良いと思う」
(おわり)
――ビンテージ品を販売するフリマアプリとして、ラクマの強みとは。
長谷川健一朗ゼネラルマネージャー(以下、長谷川)「一つは、リユースファッションに特化しており、そういった事業者が集まっていること。もう一つは、毎月1~7日に『ラクマブランドウィーク』を開催しており、クーポンを配布したり楽天ポイントの付与率を高めたりしていることだ。また、『フリル』というレディースファッション中心のフリマアプリが母体という点と、購入した商品到着前に真贋を判定する『ラクマ最強鑑定』を導入した点も強みになるのではないか」
――強みを活かすべく「VCM」のスポンサーとなった。
十倍直昭代表取締役(以下、十倍)「今までのスポンサー企業の中でも、一番ブースが盛り上がったのではないか。Tシャツやブランド品が違和感なく展示されており、ラクマが取り組んでいることが体現されていた。来場者も、ブースを一つのショップとして捉えて満足度も高かったのではないか」
長谷川「カップルの来場者も多いので、女性も楽しめる空間を意識したことが良かった」
――スポンサーになったきっかけは。
長谷川「6月に東京・表参道で『ラクマ公式ショップ』出店事業者が出品するラグジュアリーブランドの名品を集めたリユース品展示会を開催したが、そこに十倍氏が来場したのがきっかけ。以前から気になっていたイベントなので、トントン拍子で話が進んだ」
――出展の成果は。
長谷川「オンラインで多くの流通額がある事業者にとって、リアルイベントは、投資対効果でいうとそこまで高くない、というのが一般的だが、『VCM』は非常に濃い、優良顧客が多いので、直接話を聞けたことが大きかった。ラクマを知っているユーザーは非常に多かったが、『公式ショップ』という形でビンテージ品が買えることを知らないユーザーが多かったので、それを周知できたことも良かった。単価についても、2万5000円程度を予想していたが、5万5000円だった」
十倍「ラクマは他のフリマアプリに比べて、ファッションに強いということもあって、商品の編集がおしゃれ。当社としても『ビンテージを買うならラクマ』と、ビンテージファンに対して促せるようにしていきたい。実際のところ、ラクマの流通規模を考えたらリアルイベントの売り上げは小さい。ラクマは、ネットでビンテージを買う人たちへのブランディングの部分で当社に期待してくれているはずなので、きっかけが作れれば」
――ビンテージ市場は広がりを見せている。
十倍「『良く分からないけどビンテージ品が人気らしい』『そんな高くないやつでいいけどビンテージデニム買ってみようかな』というマス層が増えていると思う。なので、マニアに特化しすぎるのではなく、ラクマで『初めてビンテージ品を買うならこれ!』といった、ビンテージ初心者の基本を作りたい」
――『ビンテージは難しそう』というイメージを持つ消費者は少なくないのではないか。
十倍「確かに『知識がないから何を買えばいいか分からない』という人は多い。当社は『全身ビンテージ』にしてほしいとは思っていない、例えば、記念日なら5万円や10万円のワインを買うかもしれないが、日常使いではもっと安いワインを飲むわけで、『高いものなら何でもいい』というような考えはない。例えばデニムなら、気軽に買える2000年初頭のものからはじめて、好きになったらもっと高いものを買えばいい」
十倍「少しずつビンテージを楽しんでもらえばいいし、どっぷりはまったらもっと良いものを買う、というようになれば、ビンテージショップも高級品だけを揃えずに済む。ラクマには『ビンテージに挑戦しよう』という消費者に対し、ハードルを下げるような存在になってほしい」
――ECやフリマアプリにおいてビンテージ品がもっと売られるようになりそうだ。
十倍「特に最近はECへの抵抗が減っているので、ビンテージはネットで売買されていることがもっと増えていく。ただ『誰から買うか、どこで買うか』が付加価値になるはずだ。『ラクマだったら安心してビンテージ買えるよね』『ラクマで買えば満足できる』となるように、当社の力もお貸ししたい。ラクマならそういった共通認識が作れるのではないか」
長谷川「楽天市場で高級バッグを買うようなユーザーが、当該ブランドの過去のバッグをラクマで購入する、という流れが加速できるのではないか。それとは別に、もっと若い人たちがビンテージ品を気軽に買えるような仕組みも作れれば良いと思う」