化粧品や美容サプリメントの製造や通販などを手がけるアクシージアの売上高が急伸している。前期(2023年7月)の連結売上高は前年比38・0%増の113億4100万円と初めて年商100億円を突破し、今期(2024年7月)の売上高も122億円(前年比7・0%増)とさらに過去売上高を更新する見通し。破竹の勢いで売り上げを伸ばす要因の1つは中国におけるライブコマースの成功にあるという。 

　同社はスキンケアブランド「AXXZIA(アクシージア)」などの化粧品や美容サプリ、美容機器などを製造販売する日本のメーカーながら創業者の段卓社長が中国出身であることなどから主戦場を中国に定めて、主に越境ECで中国の消費者に向けて商品を販売している。実際、同社の総売上高に占める中国でのEC売上高シェアは今期第3四半期(2～4月)の実績では76・8%とおよそ8割を占めており、第3四半期の売上高も前年同期比21・7%増の69億9700万円と成長を続けている。

　同社の急成長を支える主因は中国国内で展開する短尺動画共有サービス「抖音(ドウイン)」上でのライブ配信機能を活用したライブコマースの成功だ。同社では「KOL(キー・オピニオン・リーダー)」と呼ばれる消費者に消費行動に影響力を持つという複数のインフルエンサーを起用して商品の紹介を行うスキームを採用。「抖音」ではライブ配信画面からシームレスに商品購入ができる仕組みとなっているため、ライブコマースの消費意欲の高まった消費者を効果的に購買に導き、短期間で爆発的な売り上げを上げることができているという。

　同社でも中国越境ECでは主に美容サプリメントの販売を行っており、中でも主力の美容ドリンク「エイジーセオリーAGドリンク」が売れ筋となっているが、今年3月30日に行った「抖音」でのライブコマースでは2日間で同商品を1万2000箱を売り上げたという。同商品の価格は30本入り1箱で税込2万9160円であるため、同商品のみで単純計算で3・5億円を売り上げたことになる。

　ただ、アクシージアの営業統括部長の王志華執行役員によるとライブコマースがこのような高い販売力を得るためにはいくつかの抑えるべきポイントがあるという。具体的には「現地に合わせたマーケティング」と「抖音の掲げるFACT+Sの徹底」「KOLの選定、関係構築」だという。　(つづく)