通販専門放送局大手2社が顧客との新たな接点作りに本腰を入れ始めた。ジュピターショップチャンネルは初のポップアップストアを出店し、新規獲得を強化している現状のコア顧客層よりも下の世代への認知拡大や新たな訴求方法を模索する。QVCジャパンはインターネット上の仮想世界・仮想空間であるメタバースを積極活用し、既存顧客とのコミュニケーションに活かすほか、新たな仕掛けを展開して新規層の取り込みも進めている。両社が挑む新たな顧客接点作りとは――。
初ポップアップで若年層にリーチ
ジュピターショップチャンネル
ジュピターショップチャンネルは都内で同社初のポップアップストアを2月26日から開設した。店内では直接商品は販売しないが、売れ筋商品のほか、特番で販売予定の商品などを展示するいわゆるショールーミング店で、3月10日までの期間限定で運営する。
ポップアップストア「PopUp Store by ショップチャンネル」は東京・二子玉川の家電販売店「二子玉川 蔦屋家電」内の2階の一角に、パブリックスペースを挟んだ2カ所のスペース(合計約30・6平方メートル)にそれぞれ販売中の化粧品などの美容関連品を中心とした売れ筋など、片方のスペースには同社運営の通販専門チャンネル「ショップチャンネル」で3月から放送するセール特番「心おどる、春いち大感謝祭」で販売予定の化粧品や衣料品などを中心に、通路側最前部の来店客から最も目立つ場所には「ショップチャンネル」で日替わりの特売品、推奨品を紹介する「ショップスターバリュー(SSV)」や「ゴー!ゴー!バリュー(GGV)」の商品を展示。開催中は毎日、当日のSSV、GGVの商品に入れ替える。なお、全体の展示商品数は常時約160点となる。
化粧品などやSSV・GGVの商品など販売中の商品の横には商品名や特徴、価格とともに同社の通販サイト内の当該商品の販売ページに誘導するQRコードを掲示した。なお、特番で販売予定商品は販売当日のみと特別価格で販売する商品も多いことなどから放送前は商品名や説明、放送予定日のみ掲示し、放送日にのみQRコードも掲示する。
化粧品などの一部はテスターを用意し来店者が試用できるようにした。また、サプリメントも要望があればサンプルとして提供する。「化粧品は色味など、サプリメントも実際の大きさなどは購入するうえで気になるところ。実際に見てお試し頂きたい」(同社)とする。
来店者には同社公式LINEを友だち追加した上で、会場内に掲示している「合言葉」をトーク画面に入力した来店者に1000円分のクーポンを配布する。また、同社公式SNS(X・インスタグラム)をフォローした人に会場で販売中のジュースを全員にプレゼントするほか、今回のポップアップストアで撮影した写真や動画を自身のSNSに投稿した人には抽選で賞品を贈与する取り組みも行い、来店客の購入の促進やSNS上での拡散による認知アップを狙う。
ポップアップストアの出足の状況は「実際に試すことができる化粧品など美容関連商品への関心が高いよう」(同社)だ。開催中はポップアップストアの告知を「ショップチャンネル」での放送や顧客向けのメルマガなどで行い、来店促進を図っていく。また、開催期間中にハーブバスソルトのクラフト、木の実やスパイスを使ったアレンジメントなど体験イベントをポップアップストア内で実施予定で「二子玉川 蔦屋家電」を訪れた人々へ興味関心をひく仕掛けを行っていく。
同社がポップアップストアを開設するのは今回が初めて。「リアル展開への新たなチャレンジとなる」(中曽根悟司経営企画本部経営企画部長)と意気込む。ただ、リアル展開としては大阪市内に長らく常設の実店舗を構えており、過去には東京や名古屋でも常設店舗を運営していた。また、年に数回の催事なども行ってきた。何が新たな挑戦といえるのか。それは「これまでの店舗や催事などのリアル展開は(既存顧客向けに)『お買い得な商品』を提供するという”販売”が主な目的。今回のポップアップはお客様との接点作りに重きを置いており、まだショップチャンネルを知らない層に知ってもらうことが目的となる。また、これまでのテレビ通販だけでなく、お客様のライフスタイルの変化にあわせてテレビとデジタル、リアルを連動させた新たな通販の形の構築や新たなショッピングエンターテインメントの可能性の追求にチャレンジしていこうとしており、今回の取り組みがそうした意味でのリアル展開の第一歩になる」(中曽根部長)とする。
ポップアップストアを含むリアル展開はこうしたテレビやウェブとの連携による展開を進めるという同社の戦略上、また、新規顧客開拓策としても現状、軸となっているBS局での番組放送による自社チャンネルへの引き込みやグーグルの「P‐MAX」などといったウェブ広告での獲得に加えて、それらではリーチできていない層の獲得に期待を寄せているようで、継続的に実施していきたいようだ。
今回の初のポップアップストアでは場所は二子玉川、展示商品は美容関連商品を中心としたが、今回の反響、特に来店客の実購入率や配布した割引クーポンの利用状況などをみながら、獲得に注力する現状のコア顧客層よりも下の次の中心顧客層となりうる30~40代へリーチできるような開催場所や展示・試用商品などを引き続き検討し、次回以降に備える考え。
初ポップアップで若年層にリーチ
ジュピターショップチャンネル
ジュピターショップチャンネルは都内で同社初のポップアップストアを2月26日から開設した。店内では直接商品は販売しないが、売れ筋商品のほか、特番で販売予定の商品などを展示するいわゆるショールーミング店で、3月10日までの期間限定で運営する。
ポップアップストア「PopUp Store by ショップチャンネル」は東京・二子玉川の家電販売店「二子玉川 蔦屋家電」内の2階の一角に、パブリックスペースを挟んだ2カ所のスペース(合計約30・6平方メートル)にそれぞれ販売中の化粧品などの美容関連品を中心とした売れ筋など、片方のスペースには同社運営の通販専門チャンネル「ショップチャンネル」で3月から放送するセール特番「心おどる、春いち大感謝祭」で販売予定の化粧品や衣料品などを中心に、通路側最前部の来店客から最も目立つ場所には「ショップチャンネル」で日替わりの特売品、推奨品を紹介する「ショップスターバリュー(SSV)」や「ゴー!ゴー!バリュー(GGV)」の商品を展示。開催中は毎日、当日のSSV、GGVの商品に入れ替える。なお、全体の展示商品数は常時約160点となる。
化粧品などやSSV・GGVの商品など販売中の商品の横には商品名や特徴、価格とともに同社の通販サイト内の当該商品の販売ページに誘導するQRコードを掲示した。なお、特番で販売予定商品は販売当日のみと特別価格で販売する商品も多いことなどから放送前は商品名や説明、放送予定日のみ掲示し、放送日にのみQRコードも掲示する。
化粧品などの一部はテスターを用意し来店者が試用できるようにした。また、サプリメントも要望があればサンプルとして提供する。「化粧品は色味など、サプリメントも実際の大きさなどは購入するうえで気になるところ。実際に見てお試し頂きたい」(同社)とする。
来店者には同社公式LINEを友だち追加した上で、会場内に掲示している「合言葉」をトーク画面に入力した来店者に1000円分のクーポンを配布する。また、同社公式SNS(X・インスタグラム)をフォローした人に会場で販売中のジュースを全員にプレゼントするほか、今回のポップアップストアで撮影した写真や動画を自身のSNSに投稿した人には抽選で賞品を贈与する取り組みも行い、来店客の購入の促進やSNS上での拡散による認知アップを狙う。
ポップアップストアの出足の状況は「実際に試すことができる化粧品など美容関連商品への関心が高いよう」(同社)だ。開催中はポップアップストアの告知を「ショップチャンネル」での放送や顧客向けのメルマガなどで行い、来店促進を図っていく。また、開催期間中にハーブバスソルトのクラフト、木の実やスパイスを使ったアレンジメントなど体験イベントをポップアップストア内で実施予定で「二子玉川 蔦屋家電」を訪れた人々へ興味関心をひく仕掛けを行っていく。
同社がポップアップストアを開設するのは今回が初めて。「リアル展開への新たなチャレンジとなる」(中曽根悟司経営企画本部経営企画部長)と意気込む。ただ、リアル展開としては大阪市内に長らく常設の実店舗を構えており、過去には東京や名古屋でも常設店舗を運営していた。また、年に数回の催事なども行ってきた。何が新たな挑戦といえるのか。それは「これまでの店舗や催事などのリアル展開は(既存顧客向けに)『お買い得な商品』を提供するという”販売”が主な目的。今回のポップアップはお客様との接点作りに重きを置いており、まだショップチャンネルを知らない層に知ってもらうことが目的となる。また、これまでのテレビ通販だけでなく、お客様のライフスタイルの変化にあわせてテレビとデジタル、リアルを連動させた新たな通販の形の構築や新たなショッピングエンターテインメントの可能性の追求にチャレンジしていこうとしており、今回の取り組みがそうした意味でのリアル展開の第一歩になる」(中曽根部長)とする。
ポップアップストアを含むリアル展開はこうしたテレビやウェブとの連携による展開を進めるという同社の戦略上、また、新規顧客開拓策としても現状、軸となっているBS局での番組放送による自社チャンネルへの引き込みやグーグルの「P‐MAX」などといったウェブ広告での獲得に加えて、それらではリーチできていない層の獲得に期待を寄せているようで、継続的に実施していきたいようだ。
今回の初のポップアップストアでは場所は二子玉川、展示商品は美容関連商品を中心としたが、今回の反響、特に来店客の実購入率や配布した割引クーポンの利用状況などをみながら、獲得に注力する現状のコア顧客層よりも下の次の中心顧客層となりうる30~40代へリーチできるような開催場所や展示・試用商品などを引き続き検討し、次回以降に備える考え。