コロナ禍を経て、実店舗回帰への動きが強まっている。EC企業にとって、実店舗やリアルでのイベントは、自社のブランドや商品を知ってもらう貴重な場であるとともに、ECへと誘導するチャンスにもなる。こうしたEC企業のOMO戦略を支援するために、プラットフォーマーなどが実店舗を開設したりイベントを開催したりするケースが目立っている。楽天グループとスーパースタジオの取り組みをみてみる。
アウトドアの良さ伝える
楽天グループ
楽天グループでは7月15日と16日の2日間、東京都世田谷区の商業施設「二子玉川ライズ スタジオ&ホール」において、「Outdoor Market ”THE POP UP” by Rakuten」を開催した。
アウトドアのリアルイベントを開催した理由について、同社アカウントイノベーションオフィスマーケティング課Sports&Outdoor戦略グループの新井翔氏は「コロナ禍を経てアウトドアブームが加速しているが、もっと広げていくためには『アウトドアを知ってもらうこと』が大事。もちろんオンラインでも可能だが、こうしたリアルイベントで店舗が消費者とコミュニケーションすることで、アウトドアの良さはもっと伝わるのではないかと考えた」と、イベント開催の理由を説明。楽天市場における、アウトドア関連商品の流通額も急速に拡大しているが、「まだまだ楽天市場でアウトドア商材を扱っていることを知らない人も少なくない。そういう意味でも、オフラインで新たな接点を作ることが大事だと考えた」という。
開催場所には、30~40代ファミリー層が多い二子玉川を選定。出店する8店舗の中には、ECで知名度の高いナチュラムといったアウトドアグッズを扱う店舗だけではなく、食品を販売する「デサンジャパン」や、コーヒーメーカーを扱う「キューリグオンライン」といった顔ぶれも出店。また近年、中国発の格安テントブランドとして注目を集めている、「One Tigris(ワンタイガー)」を扱う「OneTigris Camping」もブースを構えた。
新井氏は「東京近郊に店を構えていない出店店舗に出てもらいたいと考えた。こうした店舗に、直接消費者と触れ合える場所を作るのが当社の役割だと思っている」と選定基準を説明。また、QRコードを付けた商品カードも商品ごとに設置。その場では商品を購入しない消費者が多いことから、自宅に帰ってからでも商品を選びやすい工夫となっており、同様の取り組みは、今年6月に「マルイファミリー溝口」(川崎市高津区)で開催した、父の日ギフトを体験できるショールーミング型のポップアップストアでも行っている。
イベントブースは家族連れでも入りやすい空間にすることを重視。試飲や試食も積極的に行ったほか、子供が遊べる場所も設けた。新井氏は「ファミリー層が非常に多く訪れており、キャンプについて良く知らない人も多いようだ。アウトドアについてもっと知ってもらうという目的は果たせるのではないか。今後もこうした取り組みを続けることで、『楽天のアウトドア』の認知を広げ、もっと流通額を増やしていきたい」と意気込む。
バイク用品メーカーのデイトナでは、オリジナルブランドのキャンプ用品の取り扱いを昨夏から本格的に開始。アニメ「ゆるキャン」の影響などから、バイクでキャンプ場に出かけるユーザーが増えたことを受けたもので、楽天市場にも今春出店した。新規事業部アウトドアグループの落合篤グループリーダーは「バイク用品店にキャンプ用品を買いに行く人はあまり多くない。『キャンプのショップとしてアピールした方がいいだろう』と考え、自社でECを始めた」と明かす。
今回のイベント出店も、キャンプ用品市場での知名度を上げるための一環という。落合グループリーダーは「試作品も置いているが消費者の反応は良い。特に、試作品のペグハンマーは『発売されたら買う』という人がかなり多かった」と手応えを口にする。ペグハンマー(テントなどを固定するための杭を打ち込むためのハンマー)は一般的にT字型だが、試作品は打面の横幅を短くすることでI字型に近づけ、収納効率を良くしたのが特徴。また、デザイン性の良さも受けているという。落合グループリーダーは「楽天市場は商品検索から来店する人がほとんどなので、イベントで反応が良かったペグハンマーなどを、検索してもらえるような人気商品に育てたい」と意気込む。
また、デサンジャパンではキムチや果実酢といった食品を展示。試食や試飲も実施した。同店を運営する大象(デサン)ジャパンの親会社は韓国の大手総合食品メーカーだ。大象ジャパンオンラインチームの牧野司課長は「キムチは韓国では料理に使うことが多い。キムチを使ってアウトドアで簡単に調理できる料理を提案することで、キムチを食べてもらう機会を広げたいと考えた」とイベントに参加した理由を説明する。両日とも12時台に、韓国グルメの作り方やコツなどを実演した。
牧野課長は「リアルの場で消費者に知ってもらうことは大事。当社の扱う商品はどうしても『韓国の食品』とひとくくりにされがちだが、こうした場を当社の商品やブランド名を知ってもらうきっかけにしたい」と話す。
週単位で出店可能に
スーパースタジオ
EC基幹システム「ecforce(イーシーフォース)」を提供するSUPER STUDIO(スーパースタジオ)は7月15日、三井不動産と協業し、同社が展開する東京・渋谷のMIYASHITA PARK内の商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」に、OMO型店舗「THE[]STORE(ザ・ストア)」をオープンした。
スーパースタジオは昨年6月、三井不動産とグローバル・ブレインが共同運営するベンチャー共創事業などから総額約44億円の資金調達を実施したのを機に、自社のEC運営ノウハウと三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせたECブラン向けのOMOソリューションに取り組んでいる。「ザ・ストア」は同ソリューションのひとつとして展開するリアル店舗だ。
一定規模に成長したECブランドの多くはさらなる認知度アップやネット上では獲得できないユーザーの開拓などを目的にリアル店舗への出店を検討するものの、実店舗の運営リソースやノウハウ不足、出店コスト、リアル店舗でのデータ取得などが課題となって出店に踏み出せないケースがあるという。
「ザ・ストア」では、こうしたECブランドの課題をサポートする。具体的には、実店舗に必要な内装、接客人員、システムを用意。出店費用やスタッフの手配なども含めて一般的なテナント出店よりも安価な設定とした。
ECの基幹システムに「ecforce」を利用している事業者であれば、「ザ・ストア」の購入データは「ecforce」に取り込まれるため、ECの購入分析と比較した分析も容易で、出店の費用対効果が計測できるほか、「ザ・ストア」での購入以降にEC購入につながっているかも可視化できる。
また、「ザ・ストア」では商品の持ち帰りも含めてECの購入導線を使用するため、その場で定期購入を訴求したり、その後のLINEやメールなどを介したコミュニケーションで購入者に定期購入を促すこともできる。
スーパースタジオでは、「データを扱う会社としてオフライン活用の課題解決を図りたいと思っていた。EC事業者もオフラインの売り場を持った方が効率的に成長できる。リアルの場で接点を持ったユーザーをECチャネルで引き上げていくサポートをしたい」(林紘祐CEO)とする。
「ザ・ストア」の外観については、店舗サインは「THE[]STORE」の[]内に液晶が埋め込まれており、出店ブランド名や商品ジャンルを入れることで店舗名を変更可能だ。
約66平方メートルの広さがある店舗内は、どんなブランド、商品を陳列しても馴染むモノトーンを基調とした内装デザインとし、ベンチとしても商品ラックとしても使用可能なスペースを設置。テーブルなどの什器は可変式で、用途やブランドイメージに合わせてカスタマイズできる。
既設什器の撤去や持ち込みも可能だ。アパレル向けに天井吊り下げ型のハンガーや試着スペースも用意している。2面のデジタルサイネージと店頭の大型モニターで出店ブランドによる自由な映像表現が可能だ。
店内や店外に設置したAIカメラで来店者の行動、目線データを取得するため、商品配置や店舗内導線を、データをもとに改善できるという。
また、店舗に関するアンケートへの回答や公式LINE登録ができるスペースを設置。登録情報は「ザ・ストア」や通販サイトの情報と紐づけできるため、属性に合わせたコミュニケーションをとることでブランドのファンになってもらう継続的なCRM施策を実施できる。
店舗内の商品購入については、来店客が自分のスマートフォンで商品のQRコードを読み取り、その場で購入に必要な情報を入力して決済を行う。商品の受け取りは店頭か自宅かを選択でき、その場で持ち帰りたい場合は購入完了画面で発行されるQRコードをスタッフに見せれば購入商品を受け取ることができる。
第1弾ブランドはメクリが出店
ECブランドは週単位で「ザ・ストア」への出店が可能で、食品の試食や新商品、新ブランドの発表会、トークイベント、店舗からのライブ配信など、リアルの場ならではの体験価値を提供できる。
出店ブランドの第1弾はストリートアパレルブランド「メクリ」で、7月26日までの12日間出店。その後は、ヘアプロテインのD2Cブランド「イファー」、自宅焙煎コーヒーブランド「ロースト」、クラフトカクテル「コヨイ」などが1~2週間ごとに出店を予定する。
第1弾の「メクリ」はスーパースタジオが手がけるD2Cブランドで、人気漫画の「寄生獣」や「グラップラー刃牙」など、作品に寄り添ったデイリーユースのキャラクターアパレルとファッション雑貨を中心に提案している。
主要顧客層は20~30代のファッション感度が高く、ストリートスタイルが好きな男女という。同商業施設は若い世代やストリートアパレルとの相性が良く、訪日外国人の来店も見込めることから、「メクリ」として初めてとなるポップアップストアの開催場所に「ザ・ストア」を選んだ。
D2Cブランドにとって、ポップアップ開催時の売り上げは計画しづらく、人的リソースをかけられないなど、出店のハードルは高いという。「ザ・ストア」については、内装やサイネージも含めてブランドの世界観を表現しやすいほか、各種データを取得できる利点があるという。
「メクリ」では期間中の売り上げだけでなく、ポップアップ経由の新規ユーザーに対してマーケティングを行ってファン化できるかなど、長期的な視点を大事にしている。また、ブランドの成長に合わせて実店舗の開設も視野にあることから、まずは「ザ・ストア」でデータを取得して実店舗のポテンシャルを見極めたい考えだ。
アウトドアの良さ伝える
楽天グループ
楽天グループでは7月15日と16日の2日間、東京都世田谷区の商業施設「二子玉川ライズ スタジオ&ホール」において、「Outdoor Market ”THE POP UP” by Rakuten」を開催した。
アウトドアのリアルイベントを開催した理由について、同社アカウントイノベーションオフィスマーケティング課Sports&Outdoor戦略グループの新井翔氏は「コロナ禍を経てアウトドアブームが加速しているが、もっと広げていくためには『アウトドアを知ってもらうこと』が大事。もちろんオンラインでも可能だが、こうしたリアルイベントで店舗が消費者とコミュニケーションすることで、アウトドアの良さはもっと伝わるのではないかと考えた」と、イベント開催の理由を説明。楽天市場における、アウトドア関連商品の流通額も急速に拡大しているが、「まだまだ楽天市場でアウトドア商材を扱っていることを知らない人も少なくない。そういう意味でも、オフラインで新たな接点を作ることが大事だと考えた」という。
開催場所には、30~40代ファミリー層が多い二子玉川を選定。出店する8店舗の中には、ECで知名度の高いナチュラムといったアウトドアグッズを扱う店舗だけではなく、食品を販売する「デサンジャパン」や、コーヒーメーカーを扱う「キューリグオンライン」といった顔ぶれも出店。また近年、中国発の格安テントブランドとして注目を集めている、「One Tigris(ワンタイガー)」を扱う「OneTigris Camping」もブースを構えた。
新井氏は「東京近郊に店を構えていない出店店舗に出てもらいたいと考えた。こうした店舗に、直接消費者と触れ合える場所を作るのが当社の役割だと思っている」と選定基準を説明。また、QRコードを付けた商品カードも商品ごとに設置。その場では商品を購入しない消費者が多いことから、自宅に帰ってからでも商品を選びやすい工夫となっており、同様の取り組みは、今年6月に「マルイファミリー溝口」(川崎市高津区)で開催した、父の日ギフトを体験できるショールーミング型のポップアップストアでも行っている。
イベントブースは家族連れでも入りやすい空間にすることを重視。試飲や試食も積極的に行ったほか、子供が遊べる場所も設けた。新井氏は「ファミリー層が非常に多く訪れており、キャンプについて良く知らない人も多いようだ。アウトドアについてもっと知ってもらうという目的は果たせるのではないか。今後もこうした取り組みを続けることで、『楽天のアウトドア』の認知を広げ、もっと流通額を増やしていきたい」と意気込む。
バイク用品メーカーのデイトナでは、オリジナルブランドのキャンプ用品の取り扱いを昨夏から本格的に開始。アニメ「ゆるキャン」の影響などから、バイクでキャンプ場に出かけるユーザーが増えたことを受けたもので、楽天市場にも今春出店した。新規事業部アウトドアグループの落合篤グループリーダーは「バイク用品店にキャンプ用品を買いに行く人はあまり多くない。『キャンプのショップとしてアピールした方がいいだろう』と考え、自社でECを始めた」と明かす。
今回のイベント出店も、キャンプ用品市場での知名度を上げるための一環という。落合グループリーダーは「試作品も置いているが消費者の反応は良い。特に、試作品のペグハンマーは『発売されたら買う』という人がかなり多かった」と手応えを口にする。ペグハンマー(テントなどを固定するための杭を打ち込むためのハンマー)は一般的にT字型だが、試作品は打面の横幅を短くすることでI字型に近づけ、収納効率を良くしたのが特徴。また、デザイン性の良さも受けているという。落合グループリーダーは「楽天市場は商品検索から来店する人がほとんどなので、イベントで反応が良かったペグハンマーなどを、検索してもらえるような人気商品に育てたい」と意気込む。
また、デサンジャパンではキムチや果実酢といった食品を展示。試食や試飲も実施した。同店を運営する大象(デサン)ジャパンの親会社は韓国の大手総合食品メーカーだ。大象ジャパンオンラインチームの牧野司課長は「キムチは韓国では料理に使うことが多い。キムチを使ってアウトドアで簡単に調理できる料理を提案することで、キムチを食べてもらう機会を広げたいと考えた」とイベントに参加した理由を説明する。両日とも12時台に、韓国グルメの作り方やコツなどを実演した。
牧野課長は「リアルの場で消費者に知ってもらうことは大事。当社の扱う商品はどうしても『韓国の食品』とひとくくりにされがちだが、こうした場を当社の商品やブランド名を知ってもらうきっかけにしたい」と話す。
週単位で出店可能に
スーパースタジオ
EC基幹システム「ecforce(イーシーフォース)」を提供するSUPER STUDIO(スーパースタジオ)は7月15日、三井不動産と協業し、同社が展開する東京・渋谷のMIYASHITA PARK内の商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」に、OMO型店舗「THE[]STORE(ザ・ストア)」をオープンした。
スーパースタジオは昨年6月、三井不動産とグローバル・ブレインが共同運営するベンチャー共創事業などから総額約44億円の資金調達を実施したのを機に、自社のEC運営ノウハウと三井不動産のリアルアセットの強みを組み合わせたECブラン向けのOMOソリューションに取り組んでいる。「ザ・ストア」は同ソリューションのひとつとして展開するリアル店舗だ。
一定規模に成長したECブランドの多くはさらなる認知度アップやネット上では獲得できないユーザーの開拓などを目的にリアル店舗への出店を検討するものの、実店舗の運営リソースやノウハウ不足、出店コスト、リアル店舗でのデータ取得などが課題となって出店に踏み出せないケースがあるという。
「ザ・ストア」では、こうしたECブランドの課題をサポートする。具体的には、実店舗に必要な内装、接客人員、システムを用意。出店費用やスタッフの手配なども含めて一般的なテナント出店よりも安価な設定とした。
ECの基幹システムに「ecforce」を利用している事業者であれば、「ザ・ストア」の購入データは「ecforce」に取り込まれるため、ECの購入分析と比較した分析も容易で、出店の費用対効果が計測できるほか、「ザ・ストア」での購入以降にEC購入につながっているかも可視化できる。
また、「ザ・ストア」では商品の持ち帰りも含めてECの購入導線を使用するため、その場で定期購入を訴求したり、その後のLINEやメールなどを介したコミュニケーションで購入者に定期購入を促すこともできる。
スーパースタジオでは、「データを扱う会社としてオフライン活用の課題解決を図りたいと思っていた。EC事業者もオフラインの売り場を持った方が効率的に成長できる。リアルの場で接点を持ったユーザーをECチャネルで引き上げていくサポートをしたい」(林紘祐CEO)とする。
「ザ・ストア」の外観については、店舗サインは「THE[]STORE」の[]内に液晶が埋め込まれており、出店ブランド名や商品ジャンルを入れることで店舗名を変更可能だ。
約66平方メートルの広さがある店舗内は、どんなブランド、商品を陳列しても馴染むモノトーンを基調とした内装デザインとし、ベンチとしても商品ラックとしても使用可能なスペースを設置。テーブルなどの什器は可変式で、用途やブランドイメージに合わせてカスタマイズできる。
既設什器の撤去や持ち込みも可能だ。アパレル向けに天井吊り下げ型のハンガーや試着スペースも用意している。2面のデジタルサイネージと店頭の大型モニターで出店ブランドによる自由な映像表現が可能だ。
店内や店外に設置したAIカメラで来店者の行動、目線データを取得するため、商品配置や店舗内導線を、データをもとに改善できるという。
また、店舗に関するアンケートへの回答や公式LINE登録ができるスペースを設置。登録情報は「ザ・ストア」や通販サイトの情報と紐づけできるため、属性に合わせたコミュニケーションをとることでブランドのファンになってもらう継続的なCRM施策を実施できる。
店舗内の商品購入については、来店客が自分のスマートフォンで商品のQRコードを読み取り、その場で購入に必要な情報を入力して決済を行う。商品の受け取りは店頭か自宅かを選択でき、その場で持ち帰りたい場合は購入完了画面で発行されるQRコードをスタッフに見せれば購入商品を受け取ることができる。
第1弾ブランドはメクリが出店
ECブランドは週単位で「ザ・ストア」への出店が可能で、食品の試食や新商品、新ブランドの発表会、トークイベント、店舗からのライブ配信など、リアルの場ならではの体験価値を提供できる。
出店ブランドの第1弾はストリートアパレルブランド「メクリ」で、7月26日までの12日間出店。その後は、ヘアプロテインのD2Cブランド「イファー」、自宅焙煎コーヒーブランド「ロースト」、クラフトカクテル「コヨイ」などが1~2週間ごとに出店を予定する。
第1弾の「メクリ」はスーパースタジオが手がけるD2Cブランドで、人気漫画の「寄生獣」や「グラップラー刃牙」など、作品に寄り添ったデイリーユースのキャラクターアパレルとファッション雑貨を中心に提案している。
主要顧客層は20~30代のファッション感度が高く、ストリートスタイルが好きな男女という。同商業施設は若い世代やストリートアパレルとの相性が良く、訪日外国人の来店も見込めることから、「メクリ」として初めてとなるポップアップストアの開催場所に「ザ・ストア」を選んだ。
D2Cブランドにとって、ポップアップ開催時の売り上げは計画しづらく、人的リソースをかけられないなど、出店のハードルは高いという。「ザ・ストア」については、内装やサイネージも含めてブランドの世界観を表現しやすいほか、各種データを取得できる利点があるという。
「メクリ」では期間中の売り上げだけでなく、ポップアップ経由の新規ユーザーに対してマーケティングを行ってファン化できるかなど、長期的な視点を大事にしている。また、ブランドの成長に合わせて実店舗の開設も視野にあることから、まずは「ザ・ストア」でデータを取得して実店舗のポテンシャルを見極めたい考えだ。