通販事業者としても年間でいくつかある一大商戦の中でも重要なものの1つである「『母の日』商戦」がスタートしている。コロナ禍により、リアルでの買い物よりもネット販売サイトでプレゼントを求める消費者が増加傾向にあるためか、今商戦の出足時点では例年よりも堅調な売れ行きとなっている通販実施企業も少なくないようだ。仮想モール各社の状況を中心に、カタログギフト、花宅配各社の母の日商戦の現状とトレンドを見ていく。
いやし関連商品売れ筋に
楽天グループは4月1日、仮想モール「楽天市場」において、母の日向けギフトの特集ページ「楽天市場 母の日特集2022」を公開した。
楽天市場では、3月30日時点で約380万点の商品が、母の日向けギフトとして販売されている。コロナ禍を受けた「ステイホーム」により、ネット販売が生活基盤のインフラとして定着傾向にあることを受け、ギフト需要もEC化が進展。同モールにおける母の日向けギフトの流通額は、2020年から21年の1年間で約30%増(20年と21年の4月1日~5月11日の流通総額を比較)となっているほか、コロナ禍をきっかけとしたライフスタイルの変化に伴い、ニーズは多様化しているという。
花やスイーツなど定番商品だけではなく、ウナギやマグロなどの高級食品や惣菜など「中食」用商品、電動頭皮ブラシやネックケアなどの美容・健康家電など「いやし」関連商品のギフト需要が拡大傾向にある。こうした傾向を受け、21年における母の日向けギフトの平均購入単価は、前年比約30%増(同)だった。
今年の特集ページでは、「『贈りたい』がきっと見つかる!」をコンセプトに、定番の人気商品のほか、「おうち時間」を充実させる「楽ちん便利&充実! おうち時間グッズ」や「ご褒美ギフト」など、貰い手のライフスタイルに合わせた多様な切り口で母の日向けギフトを紹介している。
今年の母の日商戦については、忙しい母親向けに「アイロボット」などのお掃除ロボット、リラックスした時間を過ごせるようなシャワーヘッドや電動頭皮ブラシなど、自宅でもできる美容家電等が人気で、家電分野における母の日ギフトの流通額は前年比約21%増(21年と22年の4月1日~10日の流通総額を比較)と好調に推移している。また、相手のライフスタイルに幅広く対応したカタログギフトも同約370%(同)となっており、キッチン用品や生活用品など雑貨類のニーズが比較的高い傾向にあるという。
キッチン用品など自宅使用品が好調
ヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」では3月3日から「母の日」のギフト向け商品を集めた特集ページ「母の日特集2022」を開設、5月14日まで設置する。同ページではユーザーから評価の高い出店者の中から、ギフト選びに悩む利用者向けに商品提案として「ユーザー高評価ストアのギフト」を用意したほか、昨年から開始した商品ジャンルなどを選択していくことで、購入すべき商品案を提案するなど母親の好みにあうプレゼント選びを手伝うコンテンツ「お買い物コンシェルジュ」、対象の出店者で利用できる割引クーポンを先着順で配布する試みなどを行っている。
「ヤフーショッピング」における4月上旬時点での母の日商戦の出足の状況について、関連商品(※商品名に「母の日」が入っているものが対象)の取扱高は前年同期比で11%増と堅調に推移しているよう。売れ筋ジャンルはスイーツ、洋菓子などの食品が最も売れ行きがよく、次いでファッション、3位に花、ガーデニング(生花)など母の日向けギフトで定番の商品群が人気のよう。
それら定番ジャンルに加えて、「コロナ禍での母の日ということもあり、自宅で使える健康、キッチン家電や、好きなギフトが選べるカタログギフトなどが新しい定番ギフトになっている」(同社)とし、具体的には首用マッサージ器やホットサンドメーカー、フードプロセッサー、ミキサーなどの売れ行きが伸びているという。
花とセット購入で購入単価が上昇
カタログギフト事業などを手がけているリンベルでは3月18日から母の日向けのギフトについて、自社通販サイトで販売を行っている。特に注力しているのは、昨年に引き続き、売れ筋として見込まれるカーネーションの鉢植えとセットになったカタログギフト。例年、4月の中旬以降から受注が本格化していくが、ECギフト全般の需要としてはコロナ禍でのリアルの買い物活動が縮小傾向にあることから、堅調となっているようだ。
また、昨年からの母の日ギフトの傾向として、購入単価がやや上昇。以前はカタログ単体の3000円~5000円前後だったが、花とのセット組の購入が増えたことで8000円程度が売れ筋になっているという。
そのほか、カタログギフトの内容としても、婦人画報とコラボレーションした、雑貨と食品の両方が掲載されているものが人気となっている。さらに、今年に関しては、緊急事態宣言などが解除されたこともあり、レストランや宿泊のチケットといった体験型商品の売れ行きが伸びると見ている。
フラワーギフト各社も攻勢へ
花キューピットは、母の日に合わせて歌手でタレントの山下智久さんが直接花を届けるキャンペーンを実施する。同社は2019年から毎年著名人を起用した母の日商戦向けのキャンペーンを実施しており、今回が第4弾となる。
同キャンペーンは、通販サイト「インターネット花キューピット」か花キューピット加盟店で母の日の花を購入し、4月30日までに応募したユーザーの中から抽選で1人に、山下さんが花を届ける(※コロナ感染状況によって対面からウェブ会議システムでの画面越しになる可能性もある)という。
キャンペーンに先立って、同社では2月8日から誰が花を届けるのかを予想する「#今年は僕が届けます」キャンペーンをツイッター上で実施。「好きな花は薔薇、蓮」や「今まで演じた役で印象深かった職業は医者」など毎日1個ずる計23個のヒントを参考に、予想をツイッターで投稿するキャンペーンには総計約8万人が参加した。正解発表前日の3月2日は最終ヒントとして山下さんが後ろ姿で登場する動画を配信して、キャンペーンを盛り上げたという。
同キャンペーンは、山下さんが花を届ける以外にも、アマゾンギフト券や「花とみどりのeギフト」などが計947人にプレゼントが当たる。
日比谷花壇は、認定NPO法人の日本乳がんピンクリボン運動に売り上げの一部を寄付するドネーション付き母の日フラワーギフト2種類の注文を「日比谷花壇オンラインショッピングサイト」で受け付けている。
同社では母の日商戦に合わせてドネーション付き商品を展開することで、購入者が乳がん検診をはじめとした各種健康診断を積極的に受診するきっかけを作るほか、日本中の母親が健康に暮らせることを応援する目的で販売しているという。
いやし関連商品売れ筋に
楽天グループは4月1日、仮想モール「楽天市場」において、母の日向けギフトの特集ページ「楽天市場 母の日特集2022」を公開した。
楽天市場では、3月30日時点で約380万点の商品が、母の日向けギフトとして販売されている。コロナ禍を受けた「ステイホーム」により、ネット販売が生活基盤のインフラとして定着傾向にあることを受け、ギフト需要もEC化が進展。同モールにおける母の日向けギフトの流通額は、2020年から21年の1年間で約30%増(20年と21年の4月1日~5月11日の流通総額を比較)となっているほか、コロナ禍をきっかけとしたライフスタイルの変化に伴い、ニーズは多様化しているという。
花やスイーツなど定番商品だけではなく、ウナギやマグロなどの高級食品や惣菜など「中食」用商品、電動頭皮ブラシやネックケアなどの美容・健康家電など「いやし」関連商品のギフト需要が拡大傾向にある。こうした傾向を受け、21年における母の日向けギフトの平均購入単価は、前年比約30%増(同)だった。
今年の特集ページでは、「『贈りたい』がきっと見つかる!」をコンセプトに、定番の人気商品のほか、「おうち時間」を充実させる「楽ちん便利&充実! おうち時間グッズ」や「ご褒美ギフト」など、貰い手のライフスタイルに合わせた多様な切り口で母の日向けギフトを紹介している。
今年の母の日商戦については、忙しい母親向けに「アイロボット」などのお掃除ロボット、リラックスした時間を過ごせるようなシャワーヘッドや電動頭皮ブラシなど、自宅でもできる美容家電等が人気で、家電分野における母の日ギフトの流通額は前年比約21%増(21年と22年の4月1日~10日の流通総額を比較)と好調に推移している。また、相手のライフスタイルに幅広く対応したカタログギフトも同約370%(同)となっており、キッチン用品や生活用品など雑貨類のニーズが比較的高い傾向にあるという。
キッチン用品など自宅使用品が好調
ヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」では3月3日から「母の日」のギフト向け商品を集めた特集ページ「母の日特集2022」を開設、5月14日まで設置する。同ページではユーザーから評価の高い出店者の中から、ギフト選びに悩む利用者向けに商品提案として「ユーザー高評価ストアのギフト」を用意したほか、昨年から開始した商品ジャンルなどを選択していくことで、購入すべき商品案を提案するなど母親の好みにあうプレゼント選びを手伝うコンテンツ「お買い物コンシェルジュ」、対象の出店者で利用できる割引クーポンを先着順で配布する試みなどを行っている。
「ヤフーショッピング」における4月上旬時点での母の日商戦の出足の状況について、関連商品(※商品名に「母の日」が入っているものが対象)の取扱高は前年同期比で11%増と堅調に推移しているよう。売れ筋ジャンルはスイーツ、洋菓子などの食品が最も売れ行きがよく、次いでファッション、3位に花、ガーデニング(生花)など母の日向けギフトで定番の商品群が人気のよう。
それら定番ジャンルに加えて、「コロナ禍での母の日ということもあり、自宅で使える健康、キッチン家電や、好きなギフトが選べるカタログギフトなどが新しい定番ギフトになっている」(同社)とし、具体的には首用マッサージ器やホットサンドメーカー、フードプロセッサー、ミキサーなどの売れ行きが伸びているという。
花とセット購入で購入単価が上昇
カタログギフト事業などを手がけているリンベルでは3月18日から母の日向けのギフトについて、自社通販サイトで販売を行っている。特に注力しているのは、昨年に引き続き、売れ筋として見込まれるカーネーションの鉢植えとセットになったカタログギフト。例年、4月の中旬以降から受注が本格化していくが、ECギフト全般の需要としてはコロナ禍でのリアルの買い物活動が縮小傾向にあることから、堅調となっているようだ。
また、昨年からの母の日ギフトの傾向として、購入単価がやや上昇。以前はカタログ単体の3000円~5000円前後だったが、花とのセット組の購入が増えたことで8000円程度が売れ筋になっているという。
そのほか、カタログギフトの内容としても、婦人画報とコラボレーションした、雑貨と食品の両方が掲載されているものが人気となっている。さらに、今年に関しては、緊急事態宣言などが解除されたこともあり、レストランや宿泊のチケットといった体験型商品の売れ行きが伸びると見ている。
フラワーギフト各社も攻勢へ
花キューピットは、母の日に合わせて歌手でタレントの山下智久さんが直接花を届けるキャンペーンを実施する。同社は2019年から毎年著名人を起用した母の日商戦向けのキャンペーンを実施しており、今回が第4弾となる。
同キャンペーンは、通販サイト「インターネット花キューピット」か花キューピット加盟店で母の日の花を購入し、4月30日までに応募したユーザーの中から抽選で1人に、山下さんが花を届ける(※コロナ感染状況によって対面からウェブ会議システムでの画面越しになる可能性もある)という。
キャンペーンに先立って、同社では2月8日から誰が花を届けるのかを予想する「#今年は僕が届けます」キャンペーンをツイッター上で実施。「好きな花は薔薇、蓮」や「今まで演じた役で印象深かった職業は医者」など毎日1個ずる計23個のヒントを参考に、予想をツイッターで投稿するキャンペーンには総計約8万人が参加した。正解発表前日の3月2日は最終ヒントとして山下さんが後ろ姿で登場する動画を配信して、キャンペーンを盛り上げたという。
同キャンペーンは、山下さんが花を届ける以外にも、アマゾンギフト券や「花とみどりのeギフト」などが計947人にプレゼントが当たる。
日比谷花壇は、認定NPO法人の日本乳がんピンクリボン運動に売り上げの一部を寄付するドネーション付き母の日フラワーギフト2種類の注文を「日比谷花壇オンラインショッピングサイト」で受け付けている。
同社では母の日商戦に合わせてドネーション付き商品を展開することで、購入者が乳がん検診をはじめとした各種健康診断を積極的に受診するきっかけを作るほか、日本中の母親が健康に暮らせることを応援する目的で販売しているという。