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イーベイの「Qoo10」 ファッション専用売場新設、来春には300ブランドで、初年度目標は100億円

2021年12月 9日 10:30

 仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンは来年4月より、ファッションブランドに特化した売り場を開設する。まずは、300のブランド公式ショップの出店誘致を行い、初年度の売り上げは100億円を目指していく。

 同モールでは今年よりアパレル・下着を軸に売り上げが伸びており、それを受けてファッションブランドの公式出店者に特化した売り場を立ち上げることを決定。オリジナルブランドを所有し、同社が審査して厳選した出店者が対象となる。既存のモールアプリからドメインを変えずにそのまま遷移した売り場として運営し、初年度は100億円の売り上げを目指していく。

 売り場の特徴としては、まず、商品紹介動画があり、同社が制作会社と連携して出店者の商品のコーディネートや利用シーンを紹介するプロモーション動画を作成して売り場内に設置。

 リコメンドについては、AIを活用して顧客ごとに好みや体形にあわせた内容で訴求。また、返品無料サービスも取り入れていき、発送後の顧客都合の返品などについて、同社が送料を負担。返品回数の制限などはあるものの、顧客のECでの購入に関する心理的なハードルを取り除き、出店者の物流作業にかかる負担も軽減させる狙い。そのほか、カスタマーサポートなどに関する相談窓口も設置する。

 すでに11月より既存の出店者に対して募集を開始。12月からは未出店のブランドに対しても募集を始めている。既存のモールの売り場に出店しながら参加することが可能となっている。

 12月2日に開催した記者発表会では、丸山恵未ファッション室長(写真)が登壇。「新しいサービスでも販売しやすいような料金体系やシステム移行を準備している」とし、既存の出店コストに対してさらに大きな負担がかからないことを説明。来年1年目はキャンペーンを行って出店しやすい料金の立てつけを提供する考え。

 まずは、既存出店者で日韓合わせて200ブランドほどを獲得できる見通しで、未出店の国内ブランドについても20者程度を誘致する考え。交渉中となっている主なところでは、韓国ブランドの「NANING9」や、日本ブランドでは「ロペピクニック」、「ハニーズ」などがある。

 韓国ブランドの割合が多くなる見込みで、若年層顧客の支持が高いことから、価格帯としては3000円前後が中心となるもよう。

 今回の開設理由については、ファッションに寄せたUIの売り場を整えたかったということに加え、各ブランドが集合した訴求力の高い売り場を個別に設けることで、これまで取り込めていなかった新しい顧客の目に映る可能性が高まることも期待している。

 なお、売り場の名称については現時点では未定。

メガ割やライブコマースで拡大

 同社によると、現状、同モールでの登録会員数は約1900万人で、月間PVは約6億5000万、登録商品数は12億以上、店舗数は1万8100店舗と年々増加傾向にある。とりわけ、10代~30代が67%、女性会員の比率が78%と高くなっており、モバイル比率が約90%だという。

 コスメに次ぐカテゴリーとしてレディースファッションが伸びており、今年1月~10月までで出店者数が前年同期比50%増となり、公式店舗数が同約280店舗に純増。流通額としても同30%増となり、公式店舗の流通額も同50%となった。中でも公式ブランドや韓国ブランド、SNSインフルエンサーブランドなどが好調となっている。

 11月に行った大型セール企画の「メガ割」ではファッション流通額が同42%増加。「下着・インナー」については同130%増と拡大し、ファッション内のメガ割流通額ランキングのトップ100に39商品がランクイン。また、9月に行ったライブコマース企画においては、韓国のアパレルブランドが1回の放送で40万以上のPV数となっていた。

 
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