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アスクル “荷物の個口別れ”を解消へ、電気通信大らと実証実験

2021年12月 9日 10:30

 アスクルは12月1日から、電気通信大学およびタイムインターメディアと組んで物流センターの在庫配置を最適化するためのシステム開発に向けた実証実験を開始した。アスクルは全国に9つの物流センターを構えて在庫配置していることで、1つの受注でも複数の物流拠点から出荷するケースがあり、その場合は荷物が複数個口に分かれてしまい、荷物を受け取る顧客にとっても手間であり、同社にとっても配送費に増大につながるいわゆる”荷物の個口別れ”が発生していた。同実証実験で荷物の個口別れの発生を抑制したい考え。
 
 同実証実験ではアスクルと電気通信大学が共同で在庫配置に関する最適化アルゴリズムの研究開発を行い、インターメディアはそのアルゴリズムの高速化の実現に取り組む。具体的には同社が2019年から電気通信大学でAI(人工知能)分野における進化計算アルゴリズムを研究する佐藤寛之准教授とともに共同研究開発をしてきた物流センターの在庫品の配置を最適化するアルゴリズムによって、物流センターの在庫容量や出荷能力、各商品の在庫量、出荷実績データなどを進化計算により最適化することで商品ごとの適切な在庫配置を算出、各物流センターの在庫量を抑制し最適な配置が可能になるという。また、膨大な出荷実績データを対象とする進化計算の実現に必要な高速化についてインターメディアが協力、推進する。

 実証実験は12月1日から3カ月程度を予定。対象となる物流センターはアスクルが保有する拠点のうち、都内の「DMCセンター」や「新砂センター」、大阪の「大阪DMC」など同社が展開する事業者向けオフィス用品通販事業の配送を担う8拠点。開発したアルゴリズムにより、各物流センターの在庫配置の最適化を進め、最適な商品の在庫配置や荷物の個口数の低減、在庫量の抑制、配送費削減、配送効率などを検証する。
 
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