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JR東日本商事 10月に消費者向け組織統合、MD面などで最適化図る

2021年11月25日 12:15

 JR東日本商事は10月1日で組織改正を行い、通販事業をはじめ、直営店事業など一般消費者向けのtoC事業について、一つの部署に統合した。

 同社では地産品の販売について、リアルで直営店の「のもの」を運営しており、ECではJR東日本が手がける「JRE MALL」において「お取り寄せきっぷ」店(画像)を出店している。

 共に地産品を販売しているが、運営する部署が違うことからMDも別々で、それぞれの売り場を最適化するために扱う商品も異なる面があったため、違うバイヤーがそれぞれの考えで仕入れを行っていた。「商品カテゴリーや業態ごとに組織を小さく分けて、意思決定を速めながら目の前の顧客に向けた最適化を進めるという点で、以前はそれで良かった」(笹川俊成取締役営業本部長)と説明。

 しかし、昨今はEC市場の拡大をきっかけに、消費者が売り場の壁に捉われず、すべてのチャネルで比較して購買活動を進めている状況に変化。「業態ごとやカテゴリーごとに組織を分けるメリットがなくなり、全体を見ながら、状況に合わせて提案することの方が正しいと感じるようになった」(同)とし、今回の統合に至ったという。

 2018年にはすでに「通販部」を「営業部」に統合していたが、今回はそこに「のもの事業部」を統合させて、「営業本部」という形にした。

 統合に当たっては「部」や「グループ」を廃止。その背景として、個人の能力や知見を発揮しやすい環境にしたかったという狙いがある。

 一例として、実店舗の運営メンバーが新規で扱いたい商品があった場合、商品の仕入れや調達を決めるのが別の組織のチームであると、そこへの働きかけが難しかったりすることや、営業関連でも、酒の卸売り担当者が取引先に食材の提案を依頼された際、商材の種類が違うため深い提案ができないという課題があった。

 しかし、組織を一つにしたことで、店舗運営が主のメンバーも必要に応じて商品開発や仕入れに参加できるようになり、特定商材の卸を担当するメンバーも他の商材を卸販売できるように改善。また、実店舗では扱いが難しい商品はECを活用する選択肢も持てるようになるなど、より顧客に向けて最適な動きができることが見込まれるという。

 「色々な事業をやっていることが当社の強み。リアルもデジタルも持っており、そこが一つになるため、様々な業態・商品を組み合わせながら幅広い提案につなげられる」(同)とした。

 
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