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調査は、コスメ・化粧品の二次流通市場が一次流通市場にもたらす影響について調べたもので国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏と今年9月に実施した。調査対象は、全国15~69歳の男女2000人で、このうち1500人は直近6カ月間で二次流通市場においてコスメ・化粧品を購入した人、残り500人は、二次流通市場では購入していないが、新品での購入経験がある人となっている。
山口氏の推計によれば、国内におけるコスメ・化粧品の二次流通市場は約1555億円(15~69歳)で、コスメ・化粧品市場全体の約10%程度とみられるという。二次流通購入者のうち、直近6カ月間でトライアル消費(お試し購入)をした人が40・1%で、その理由として「店頭や通販サイトなどで新品の購入を失敗したくなかったため」(43・5%)、「通販で買うことが多く、購入前に試したかったため」(35・9%)、「新型コロナの影響で化粧品・コスメを通販で買うようになり、店頭で試せなくなったため」(35・2%)が多かった。
山口氏は「二次流通市場でのお試し購入が一般的になってきている。ウィズコロナ時代で化粧品を通販で買う人が増える一方、『失敗を避ける』ためのリスク回避策として、二次流通市場の重要性が高まっている」と分析した。
二次流通市場が一次流通市場へ与える影響については、「購入による消費喚起効果」が52億円、「出品による消費喚起効果」が153億円で、合計すると約205億円。これは、二次流通でトライアル購入後に新品を購入したケース、二次流通で化粧品を買ったことで新品を買わなくなったケースの双方を考慮したもので、プラスの影響の方が大きいという。
二次流通購入者の属性に関しては、化粧品・コスメが好きで、買う際に慎重な人が多い。また、直近6カ月における化粧品・コスメの購入金額は、トライアル消費実施者が3万7112円、二次流通購入者(トライアル消費実施者含む)が2万8379円、二次流通非購入者が9207円。一次流通での購入金額に限っても、トライアル消費実施者は2万4206円にのぼり、二次流通非購入者と大きな差がついた。
こうした結果を受けて、アイスタイルの吉松徹郎社長は「『二次流通が広がると一次流通が売れなくなる』『二次流通は安全ではないのでメーカーとして支援できない』という話もあるが、生活者目線で考えたら『メルカリ』で買うことは止められない。安全性についても、メーカー・ブランドが一緒に担保する仕組みを考えるべきではないか。二次流通を(一次流通に至るまでの)”0・5次流通”と捉えて活用すれば、顧客との新しい関係が作れるのではないか」などとコメントした。