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ギルト・グループ、前年比4倍で売上推移、上位客向けセールなど開始

2010年 9月 2日 10:36

招待制の通販サイトを運営するギルト・グループ(本社・東京都江東区、桑野克己社長)の会員数が45万人を突破し、売り上げ面でも今期(10年7月~11年6月)は、前年同月比で3倍~4倍弱で推移するなど好調だ。8月からは、重要顧客向けの限定セールを開始して好評を得ているという。米国で先行して事業化するグルーポン系サイトの開設も視野にあるようで、11年6月期は前年比3倍の販売計画に対し、同4倍を目標に顧客の囲い込みに向けた取り組みを加速する。

同社ではこれまで、「goo」を運営するNTTレゾナントとパートナーシップを結んで同サイトから消費者を招待したり、ヤフーのファッション総合サイトでは、ヤフー会員から寄せられた着こなしの相談にギルトが回答するコーナーを設けるなど、露出の機会を増やしてきたことなどが奏功し、今年8月時点で45万人の会員を獲得した。

 これと同時に、コスメなど、顧客層に合わせて商品カテゴリーを拡充してきたことが、売り上げの拡大につながっているようだ。

 今年8月には、重要顧客を対象に、ハイエンドな商品をシークレットセールで販売する取り組みを始めて成果を上げているという。

 具体的には、購入実績で上位1%の顧客に対し、メルマガなどで特別セールの情報をアナウンス。対象者は通常通りログインすることで、一般会員向けには表示されないセールに参加できる仕組みを作った。

 第1弾は、海外の高級婦人服をとり上げ、約30万円の商品を10万円代で割引き販売して「予想以上に売れた」(桑野克己社長)。

 上位1%の顧客を対象にしたにもかかわらず、特別セールの売り上げ規模は通常のセール1回分の50%を消化し、手応えを掴んだ。

 ブランド側でも、通常よりもさらに限定された消費者に向けて高額な商品をセール販売できる場として関心が高いようだ。ただ、同社では新たに開始したセールは「重要顧客のCS向上の一環」(同)としており、月1回のペースで、取り扱いブランドを変えて実施する考え。

 今期は、すでに米国のサイトで対応している「iPad」について、日本でも今秋にはサービスを開始する。

 また、本国ではニューヨークとボストンに限定してサービスを開始しているグルーポン型ビジネス「ギルトシティ」の日本版も検討しているようで、参入企業が相次ぐ同市場でもギルトが存在感を示せるのか、その動向にも注目が集まる。




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