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シャプラニール、フェアトレード商品のカタログ展開、商品構成の見直しに着手

2010年 9月 5日 20:32

石けんやノートなど、リピート商材の開発強化

国際協力NGO団体のシャプラニール(市民による海外協力の会=事務局・東京都新宿区、中田豊一代表理事)は、フェアトレード商品を扱う通販カタログの商品構成を見直し、売り上げの拡大を目指す。

 同団体は、1972年に設立。南アジアの人々の生活向上につながる活動をバングラデシュ、ネパール、インドで展開しており、その一環として74年から現地の手工芸品の販売を「クラフトリンク(手工芸品でつながる)事業」として始めた。

 カタログについては78年に会報誌の中で商品をイラストで紹介したのが始まりだ。99年から年2回、春夏と秋冬シーズンに合わせて発刊するようになったほか、04年には「楽天市場」にも出店して一般消費者へのリーチを広げており、「一番身近な海外協力の手段」(小松豊明クラフトリンクチーフ)として訴求している。

 発刊する通販カタログ「クラフトリンク南風」(写真=A4判・36ページ)では、衣料品や家庭雑貨、バッグ、玩具、紙類(ノート)など幅広い商品を扱っており、"手作り"だからこそ出る商品の味わいや、作り手の個性が魅力のひとつだ。

 発行部数は春夏号、秋冬号ともに4万部。会員や寄付者、卸向けの取引先などに送付するほか、国際団体などの事務所でも配布している。

 この数年、クラフトリンク事業(卸、イベント販売など含む)は拡大基調にあったものの、前期(10年3月)は雑貨需要の減退もあり3年前の水準まで落ち込んだ。

 このため、今期は商品構成の見直しに着手する。石けんやノートなど継続的な購入が見込まれる生活消費財の開発を強化し、外部の専門家の協力を得て、品質管理も徹底する。

 一方、単価の高い衣料品の拡充や、台所などで使用する実用品の強化も課題だ。この一環として、食器類の販売にも力を入れる。

 8月下旬に発刊したカタログ「クラフトリンク南風」の最新号では、これまでの衣料品を巻頭に配置する見せ方を改め、陶器のプレートと木製の手作りスプーンを掲載。日用品の取り扱いを強化する姿勢を前面に出した。

 ページ数は前号と変わらないが、掲載点数を春夏の250SKUから230SKUに絞り、その分、生産背景など1商品当たりの情報を厚くした。また、「読み物としても面白い誌面にしたい」(小松チーフ)とし、漫画家の西原理恵子さんへのインタビュー「働くことが希望になる」を掲載している。

 今期は、クラフトリンク事業全体で前年比2桁増が目標。チョコレートや紅茶、コーヒーなど比較的、フェアトレード商品として馴染みのある食品分野の取り扱いは今後の課題となりそうだ。

 なお、同団体では、これまでは自前の倉庫で対応していたが、8月中旬に埼玉県内に倉庫を持つ物流企業に倉庫業務を委託。物流費の削減に加え、10日~2週間かかっていた配送スピードの改善に努める。


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