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1月28日に行われたオンライン記者説明会で、野原彰人執行役員が明らかにした。コマースカンパニーCOOである野原氏の直下にコマース渉外室を新設する。メンバーは、仮想モール「楽天市場」のルール作成に長年携わっている責任者、弁護士資格を持つ実務担当者、コンプライアンス責任者など5名。「楽天の渉外室と連携しながら、透明化法にしっかりと対応していきたい」(野原執行役員)。
また、3月には楽天市場のサービス改善を図るための組織「楽天市場サービス向上委員会」を設立する。楽天市場の一部出店者で組織する「楽天市場出店者 友の会」と同社との間で意見交換を行う。具体的には「物流について」「地域・コミュニティーについて」「楽天市場のシステムについて」「サステナブル・SDGsについて」など、テーマに応じた分科会を設けて議論する。
「友の会」は昨年4月、同モールの有力店が中心となって立ち上げた出店者団体で、9月28日現在で297店舗が加盟している。野原執行役員は「店舗の声をしっかりと取り入れながらサービスを改善していきたい。友の会以外を排除するつもりはないが、ベースとなるのは、しっかりとした信頼関係の中で『いかにして楽天市場をより良いものにするか』という観点でディスカッションすることだ」と述べた。
また、野原執行役員は透明化法について「行政への報告義務など、作業が増える部分があるし、店舗向けコミュニケーションに割く時間も必要となる。やってみなければ分からない部分だが、法律に制約されることでスピード感が削がれることがないように準備してきた。(規制とイノベーションの相反については)ネット販売はインフラとなっており、多少なりとも制約はあっても、当社のような企業がさらなるイノベーションを実現しなければ長期的なイノベーションにつながらないので、覚悟を持って取り組みたい」と話した。
説明会では、新型コロナウイルス感染拡大後の店舗支援策についても言及があった。月商100万円を超えるための店舗向けオンライン勉強会を62回実施し、参加店舗数は1846店舗に達した。月商100万円突破の達成率は20・7ポイント増(勉強会参加店舗のうち、初めて月商100万円を超えた店舗数を前年同期と比較した増減率)となり、オンラインに場を移したことで学習効果が上がっている。また、勉強会参加店舗と不参加店舗の売り上げ成長率は52・6ポイント差が付いた(昨年12月売上高の前年同期比で比較)。これらを踏まえて、野原執行役員は「コロナ禍においても、しっかりと店舗のビジネスを成長させるためのコミュニケーションが継続的にできた」と評価した。