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ネット販売への真剣さは投入する人材や精度の高い商品政策、広告戦略に表れ、これらの条件がそろえば、商品力(ブランド力)を上回る成果が得られることもあるという。
現状、アパレル企業は、自社サイトとファッションモールに並行出店しているケースが目立つ。自社サイトでは、実店舗との連携を図る取り組みとして、ポイントの共通化や店舗発信型のコンテンツを掲載する企業が増えている。
多くの場合、自社サイトとモールの客層は分かれているようで、「重要顧客は自社サイトで囲い込み、モールではライトユーザーに対応すれば良い」。
実際に、同社がサイト構築や写真撮影、物流業務などを受託するユナイテッドアローズも、スタートトゥデイの通販サイト「ゾゾタウン」の顧客は20代前半が中心で、自社サイトは昔からの店舗客も多いという。
自社サイトを開設する場合、「品ぞろえはフルラインに近いほど良い。常時、200型の商品はないと、サイトの見栄えも悪い」。
店頭の重要顧客こそネット販売の上位顧客になり得るという。リアル店舗からの誘導を強化して、店舗経由の売り上げはリアル店舗に計上するなどの施策も有効で、店頭の協力も得やすい。
ネット販売では商品の在庫がなくなっても画像は残るため、再入荷リクエストの仕組みを使って受注販売を行うなど、在庫リスクを抑えて販売数量を伸ばす手法もとれる。
サイトへの誘導は、リスティングはもちろん、マス対象なら送料無料施策やポイント倍増なども有効。ただ、サイト内だけでPRしても駄目。どれだけ外部に露出できるかが大事で、「販促費用として目標売上高の5%は使う覚悟が必要」とする。
今後はさらにモバイルの重要性が高まる。ただし、モバイル顧客といっても、夜、自宅のパソコンで品定めをして、決済手段として通勤時などにモバイルを使うケースもあるため、行動パターンを分析する必要がある。
アパレルにとって、EC化率5%が最初のステップ。多くのアパレルが目指すのは10%で、その水準を超えてくると、「モールとの在庫共有化など、機会ロスを極力減らす仕組みが必要」とする。