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さらに野原執行役員は「店舗の自由度とユーザーの保護や利便性との両立が課題になるだろう」と述べた。新法では、取引条件等の情報開示が求められており、「出品拒否・停止の理由」「他のサービス利用を要請する際の内容と理由」「検索順位を決める基本的な事項」「データ利用範囲」「取引条件変更の内容と理由の事前通知」が挙げられている。
その上で、同社では「開示事項の整理や店舗から見た際の分かりやすさ」「規約変更等における、店舗とより一層の対話や意見交換ができる仕組みづくり」「法令で定められる一定の事前通知期間に応じたオペレーションの見直し」が取り組むべき課題であるとした。
同社では近年、決済プラットフォームの一本化や、「共通の送料無料ライン」導入など、機能の統一化を進めている。野原執行役員は「ECに対して顧客が求めるサービスレベルがどんどん上がってきており、一定以上の規律やサービスレベルは必要不可欠。引き続き店舗とコミュニケーションを取りながら、制度設計をしていきたい」と、さらなるルール改変を伴う変更をしていく方針を示した。
今春導入した「共通の送料無料ライン」に関しては、一部店舗から反発の声が挙がったほか、公正取引委員会が調査を開始するなど、波紋を呼んだ。野原執行役員は「コロナ禍でオンライン化が一気に進み、たくさんの店舗に一度に情報が伝えられるようになった。イベントなどでしっかりと店舗へ当社の思いを伝えていきたい。チャットなども使い、いろいろな店舗の意見を受け止める」と述べた。
また、仮想モール内で検索した際の順位を決めるロジックの開示に関しては、同社では以前から「一部事業者に悪用される恐れがある」との懸念を示していた。
これに関しては「基本的な部分は示しているが、細かい基準を出せば出すほどリスクは高まる。どこまで大丈夫なのか、きちんと詰めて検討していかなければならない」(渉外室 社会・経済政策課の佐藤創一シニアマネージャー)とした。