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同商戦は元々、「京東」の生誕セールとして始まり広がったもので、中国では「独身の日」に次ぐ大規模商戦期となっている。大手の越境ECプラットフォームでも5月下旬ごろから予約販売が始まり、今年の期間中の売上高は「天猫国際」で約10兆5000億円、京東では約4兆円となり、天猫国際は前年比43%増。4000ブランドが同2倍の売り上げとなった。
中でも今回はライブコマースによる販売が盛況で、天猫国際での参加店舗別のランキングでは同カテゴリーにおいてヤーマンが売上高で首位となり、そのほかにもドクターシーラボやムーニーといった日本ブランドが上位にランクインした。
ライブコマースは特に若年層のZ世代を中心に購入が広がっている。その手法としてはタレントやKOL、自社の社員、責任者などが出演して、実演を交えた商品紹介を行い、限定セールや特典を付けて販売するパターンなどがある。
アライドアーキテクツが支援した天猫国際に出店する女性向けの服飾雑貨ブランドでは、特に推したい商品のバッグをKOLの「Weibo」アカウントで事前にお気に入り商品として紹介してライブ告知を実施。当日のライブでは詳細説明やセールの効果で期間中に数百個を販売。2時間で数百万円の売り上げを達成した。「ライブコマースは今年の大きなトレンド。そこに乗せて商品を販売するのが最優先で考えなくてはいけない」(番匠達也部長)とした。
ライブコマースに関してはセールや特典がセットとなるため、商品の値崩れやブランド価値の低下を回避するために、最近ではKOLよりも一般消費者に近く、フォローワー数も小規模な「KOC」を起用したくちコミマーケティングの利用も増加。サンプル提供など比較的安価なコストで始められることもメリットとしてあり、レビュー数を増やして認知を上げて成功するというパターンがあるようだ。
「中国発」も台頭
なお、中国本土の消費環境として、6月に入ってからのECでの消費は4、5月と比べて回復傾向にあるという。その一方でインバウンド自体が滞っているため、新たに越境ECに参入してウェブでブランド認知から始めるような段階にある日本企業にとっては中々難しい状況にあるようだ。
最近はコスメジャンルのメイクアップ商品などで中国国産ブランドが台頭するなど、「日本製ブランド」だけで勝てる時代ではなくなっており、今後も競争激化が進むことも予想されている。