ヤマトホールディングスは1月23日、グループ全体のより一層スピーディーな改革を進めるためのプラン「YAMATO NEXT100」を発表した。デジタル化によるデータに基づいた経営などを進めることで、クライアントのニーズに対応できる体制を築き持続的な成長を目指す。ネット販売向けの宅配業務として新たに全国の運送事業者などと連携した配送体制も確立していく。2021年4月にはグループの事業会社を持株会社のヤマトHDに統合し、ヤマトHDが事業会社として機能することで、より顧客起点の経営を行える体制にする。
新たな改革プランは、19年度を最終年度とした現行の中期経営計画「KAIKAKU2019 for NEXT100」での成果と課題を踏まえて策定。中計は「働き方改革」と「デリバリー事業の構造改革」で一定の成果をあげる一方、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」と「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の2つの改革が社会経済環境の変化のスピードが早いため追い付かない状況から新たに抜本的な改革を進める必要があると判断した。会見で長尾社長は「社会インフラの一員として、課題に正面から向き合い、クライアントのニーズに応えていける体制にする」と語った。
新プランは3つの事業構造改革と3つの基盤構造改革を進めることを内容としている。事業構造改革では「ECエコシステムの確立」「宅急便のデジタルトランスフォーメーション」「法人向け物流事業の強化」を進め、基盤構造改革においては「グループ経営体制の刷新」「データ・ドリブン経営への展開」「サスティナビリティの取り組み『環境と社会を組み込んだ経営』」に取り組んでいく。
事業構造改革の「ECエコシステムの確立」では、EC専業者向けの新たな配送サービスの提供を目指す。全国の運び手となる運送事業者を交えて、購入者などにも最適な宅配便ロッカーやコンビなどのほか置き配などの配送・受け取り方法を提示できるオープンなデジタル・プラットフォームづくりを行う。21年4月からの本格提供を目指すが、今年4月からは一部エリアでテスト展開を行っていく。
事業構造改「宅急便のデジタルトランスフォーメンション」は徹底したデジタル化とAIの活用により精度の高い予測に基づくオペレーションを推進する。宅急便の配送ではエリアごとに振り分けるソーティング・システムでの生産性向上をロボットなどの導入で省人化と品質向上を図るとともに、現状の70カ所でのターミナル(ベース)で全国3700カ所の宅急便センターへの仕分けで、配送業務を担う個々のセールスドライバー(SD)の配送コース順に並べて仕分けるようにする。これにより各センターでのSDによる仕分け作業を不要にする。
事業構造改革3つ目の「法人向け物流事業の強化」は、事業会社ごとに点在している法人向け事業を統合し、課題を持つ大手事業者のサプライチェーン全体を担う事業を拡充していく。
基盤構造改革の「グループ経営体制の刷新」では、ヤマトHDが21年4月に現状の事業会社8社を統合した上で純粋持株会社から事業会社へ移行。クライアントの特性により分けた4事業本部と、4機能本部に再編する。事業本部は個人や小口事業者を対象とする「リテール」、国内の大口事業者の物流事業を担当する「地域法人」、グローバル企業に向けた総合的な物流事業を担う「グローバル法人」、EC物流の「EC」を設ける。機能本部は「輸送」「プラットフォーム」「IT」「プロフェッショナルサービス」を設け、各機能本部はネットワーク・起点・車両を含めた輸配送工程の全体最適化、「ECエコシステム」の基盤とするデジタル・プラットフォーム(YDP)や個人会員制度「クロネコメンバーズ」などプラットフォームの進化、ITの強化とIT人材の開発、再編で重複する業務の統廃合による管理間接業務や調達業務を引き継いだ上で業務の標準化・効率化を担っていく。
基盤構造改革「データ・ドリブン経営への転換」は今後4年間でデジタル分野へ1000億円の投資を行う。グループの顧客データの完全な統合や稼働の見える化、YDPの構築や基幹システムの刷新などを行っていく。21年4月にはIT人材を結集した300人の組織を立ち上げる。
基盤構造改革「サスティナビリティへの取り組み」では”つなぐ、未来を届ける、グリーン物流”を掲げ、輸送の効率化、電気自動車(EV)の採用、再生エネルギーの促進など二酸化炭素排出ゼロを目指し、持続可能な資源の利用・消費モデルを創造していく。
改革プランの実施に当たり今後4年間では、IT関連の1000億円のほか、物流ネットワーク革新にも1000億円、経常投資2000億円の合計4000億円を投資。24年3月期の業績として売上高2兆円、営業利益1200億円、ROE10%以上を目指す。
新たな改革プランは、19年度を最終年度とした現行の中期経営計画「KAIKAKU2019 for NEXT100」での成果と課題を踏まえて策定。中計は「働き方改革」と「デリバリー事業の構造改革」で一定の成果をあげる一方、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」と「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」の2つの改革が社会経済環境の変化のスピードが早いため追い付かない状況から新たに抜本的な改革を進める必要があると判断した。会見で長尾社長は「社会インフラの一員として、課題に正面から向き合い、クライアントのニーズに応えていける体制にする」と語った。
新プランは3つの事業構造改革と3つの基盤構造改革を進めることを内容としている。事業構造改革では「ECエコシステムの確立」「宅急便のデジタルトランスフォーメーション」「法人向け物流事業の強化」を進め、基盤構造改革においては「グループ経営体制の刷新」「データ・ドリブン経営への展開」「サスティナビリティの取り組み『環境と社会を組み込んだ経営』」に取り組んでいく。
事業構造改革の「ECエコシステムの確立」では、EC専業者向けの新たな配送サービスの提供を目指す。全国の運び手となる運送事業者を交えて、購入者などにも最適な宅配便ロッカーやコンビなどのほか置き配などの配送・受け取り方法を提示できるオープンなデジタル・プラットフォームづくりを行う。21年4月からの本格提供を目指すが、今年4月からは一部エリアでテスト展開を行っていく。
事業構造改「宅急便のデジタルトランスフォーメンション」は徹底したデジタル化とAIの活用により精度の高い予測に基づくオペレーションを推進する。宅急便の配送ではエリアごとに振り分けるソーティング・システムでの生産性向上をロボットなどの導入で省人化と品質向上を図るとともに、現状の70カ所でのターミナル(ベース)で全国3700カ所の宅急便センターへの仕分けで、配送業務を担う個々のセールスドライバー(SD)の配送コース順に並べて仕分けるようにする。これにより各センターでのSDによる仕分け作業を不要にする。
事業構造改革3つ目の「法人向け物流事業の強化」は、事業会社ごとに点在している法人向け事業を統合し、課題を持つ大手事業者のサプライチェーン全体を担う事業を拡充していく。
基盤構造改革の「グループ経営体制の刷新」では、ヤマトHDが21年4月に現状の事業会社8社を統合した上で純粋持株会社から事業会社へ移行。クライアントの特性により分けた4事業本部と、4機能本部に再編する。事業本部は個人や小口事業者を対象とする「リテール」、国内の大口事業者の物流事業を担当する「地域法人」、グローバル企業に向けた総合的な物流事業を担う「グローバル法人」、EC物流の「EC」を設ける。機能本部は「輸送」「プラットフォーム」「IT」「プロフェッショナルサービス」を設け、各機能本部はネットワーク・起点・車両を含めた輸配送工程の全体最適化、「ECエコシステム」の基盤とするデジタル・プラットフォーム(YDP)や個人会員制度「クロネコメンバーズ」などプラットフォームの進化、ITの強化とIT人材の開発、再編で重複する業務の統廃合による管理間接業務や調達業務を引き継いだ上で業務の標準化・効率化を担っていく。
基盤構造改革「データ・ドリブン経営への転換」は今後4年間でデジタル分野へ1000億円の投資を行う。グループの顧客データの完全な統合や稼働の見える化、YDPの構築や基幹システムの刷新などを行っていく。21年4月にはIT人材を結集した300人の組織を立ち上げる。
基盤構造改革「サスティナビリティへの取り組み」では”つなぐ、未来を届ける、グリーン物流”を掲げ、輸送の効率化、電気自動車(EV)の採用、再生エネルギーの促進など二酸化炭素排出ゼロを目指し、持続可能な資源の利用・消費モデルを創造していく。
改革プランの実施に当たり今後4年間では、IT関連の1000億円のほか、物流ネットワーク革新にも1000億円、経常投資2000億円の合計4000億円を投資。24年3月期の業績として売上高2兆円、営業利益1200億円、ROE10%以上を目指す。