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アスクルと筆頭株主のZHDは「ロハコ」や低迷する業績の責任などを巡って対立。ヤフーはアスクルの創業者の岩田彰一郎氏の社長辞任を、アスクルは資本提携の解消を求めて互いを非難するなど関係性が悪化。8月のアスクルの株主総会でヤフーらが議決権を行使し、岩田氏がアスクルの社長を辞任後も新たに社長に就任した吉岡氏はヤフーへ資本提携の解消を求めていく姿勢を鮮明にするなど対立は続いていた。
ヤフーとの連携強化という方針転換に至った理由について、12月17日開催の中間決算説明会に登壇した吉岡社長(=写真)は「社長就任後、ヤフーの川邊社長や小澤専務とかなりの回数、コミュニケーションを重ねていく中で『アスクルの業績をどう高め、企業価値をどう上げていくか』という点で一致した」とした上で、ヤフーはこれまで売り上げを重視する傾向にあったが、アスクルの経営陣が目指す利益を重視した方針について、「理解を示してもらった上で、ヤフーに何ができるのかを真摯な姿勢で取り組んで頂けた」と評価。一連の騒動で繰り返し求めてきた資本提携の解消について「現時点では考えていない。(提携解消のためヤフーの保有株式を買い取るための第三者との協議も)一旦、進捗していない」とした。
事業面においても、アスクル単独で販促施策が必要となる自社サイト「ロハコ」よりも、ヤフー側の負担で販促・集客を実施しているPayPayモールに出店する店舗に軸足を置くことでコストを抑えながら効率的に拡販が可能になるという判断もあるようだ。現状でもPayPayモールの目立つ位置に「ロハコ店」への誘導リンクを露出するなどの支援を受けており、また、さらに買い回りを促すためのモール内での導線改善や機能などについてもヤフー側に要望し、改善が進められているという。「PayPayモールをうまく活用して、ロハコ本店への投資を抑制して損益分岐を下げ収益構造を改善する」(吉岡社長)とし、23年5月期までにロハコ事業の黒字化を目指す考えだという。
なお、今中間期(6~11月)の業績は中国人による転売が目的とみられる大量注文がなくなった影響や配送サービスの変更で飲料の売れ行きが落ち込むなどでロハコ事業の売上高は前年同期比6・7%減の240億円と苦戦したが、消費増税前のコピー用紙の売上急増などの駆け込みの効果もあり、法人向けオフィス用品通販事業が同5・4%増の1640億4000万円と好調で、全体の売上高は同4・3%増の1996億2500万円、営業利益は同236・9%増の34億6800万円で推移した。