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EC運営で抑えたい6つのポイント【第3回】

2019年 5月25日 00:00


Amazonセラー出店攻略方法

Amazonの特徴と魅力

 Hameeコンサルティングでは、Amazon出店者様のコンサルティングも多くお受けしております。

 そんな中、「楽天市場・Yahoo!ショッピングでは順調に売上を作れているが、Amazonは勝手が違い、売上が伸びてこない」というお声をいただくことが多くあります。ご存知の方も多いかとは思いますが、Amazonは楽天市場・Yahoo!ショッピングと違い、特徴的な出品形態になっています。

 Amazonは「商品出品型」、楽天市場・Yahoo!ショッピングは「店舗出店型」などと呼ばれていることを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 Amazonへの出品は「スーパーマーケット」への出品、楽天市場・Yahoo!ショッピングへの出店は「商店街」への出店と表現するケースもあるほど、似て非なる形式になっています。そんな他モールと異なる特徴を持ち、多くのEC事業者様が苦労するAmazonですが、利用者数の多さとそれに比例する売上規模はやはり魅力的です。


 
 Amazonの攻略はEC事業の拡大に不可欠になっている今、どのような対策ができるかご紹介してまいります。


Amazonにおける最重要事項、カート取得

そんなAmazonですが、市場規模が成長しているとはいえ、出品すれば売れるわけではありません。
ユーザーニーズを満たせるかどうかはもちろんのこと、同一商品がAmazon内に出品されている場合、”カートの取得”ができるかどうかが最重要になってきます。


 では、どのように取得すればよいのでしょうか。


 カート取得条件は主に上記の要素が影響を与えると言われており、中でも「2.競争力のある価格を設定(≒最安値)」が重要と言われております。なお、出荷遅延、低レビュー、注文キャンセルなどのネガティブな評価を受けている場合、最安値商品でもカートが取得できないケースがあります。
価格のチューニングやポイント設定などで対策は可能ですが、メーカーや複数出品者が存在する場合はなかなかできない箇所ですよね。そのような場合は、以下のような対策を行って頂くことをおすすめしております。

(1)セット商品の出品
A商品とは別に、他社が販売していない「A商品+その他商品のセット」を作成し、新規カート取得を狙います。

(2)入数違い商品の出品
他社が販売していない入数(他社は5本入りだが、自社は10本入りを作成など)を作成し、新規カート取得を狙います。

 カートボックスの獲得はAmazonで商品を販売する上で大前提となります。社内外への調整・交渉なども発生する対策にはなりますが、価格を下げることが難しい場合は上記のような対策を検討してみてください。

効率のいい集客方法は?

 カート取得が実現すれば、商品ページへ訪問したユーザーが自社商品を購入してくれる確率が高まります。次のステップとして、多くのユーザーに商品ページを見てもらえるよう、アクセスを集める施策を行いましょう。

 他のモールでも同様ですが、なるべく早く・多くのアクセスを集めるためには、モール内広告の活用が重要です。Amazonには主に「スポンサープロダクト」「スポンサーブランド」の2種類(※セラー出品者が運用可能な広告)の広告が存在します。

 「スポンサーブランド」はブランド登録などの手続きが必要であり、少数の出品者のみが運用できるメニューになっているため、本記事では、多くの方が利用可能(※大口出品者。カテゴリや商品によっては配信できないケースあり)な「スポンサープロダクト」の効率的な運用方法をご紹介いたします。

(1)スポンサープロダクトとは
 すでにご存じの方も多いとは思いますが、スポンサープロダクトとは、検索キーワードに連動して表示されるクリック課金型のモール内広告です。検索結果の上部や下部、商品ページの下部などに表示されます。


(2)効率の良い運用のために
 そんなスポンサープロダクトですが、配信はしているもののなかなかうまくいかない方も多いのではないでしょうか? 配信後も運用を行うことで効率化させていくことが重要になりますので、以下のようなポイントを意識してみてください。

・まずはオート配信からスタート
 スポンサープロダクトには”オートターゲティング”と”マニュアルターゲティング”の2種類の配信方法があります。マニュアルターゲティングは自身でキーワード設定ができますが、売上に繋がりにくいキーワードで配信されてしまったり、潜在的な重要キーワードが漏れてしまう可能性があります。そのため、まずはオートターゲティングで広めに配信、レポートで効率の良い/悪いキーワードを確認し、マニュアルターゲティングに移行するという流れをおすすめします。


・配信前後で商品情報の最適化を
 オートターゲティングは、商品情報として登録されているキーワードが自動的にマッチングされる配信方法です。そのため、配信前には商品情報に必要情報をしっかりと記載し、最適なキーワードで広告配信が行われるようにしておきましょう。実際の広告配信後、あまりにも購入に繋がっていないキーワードはユーザーにとって不要な情報の可能性が高いため、削除ないしはページ下部へ移動するなど、ユーザービリティを意識したページ作りにも活かしましょう。

・サムネイル画像/商品紹介コンテンツもチェック
 効率の悪い原因は、キーワード以外にもあるかもしれません。明らかに商品にマッチするキーワードでの効率が悪い場合は、商品ページの改善を実施することも重要です。サムネイル画像はページに流入した際の第一印象となる箇所ですので、複数パターンを用意し、ABテストでの最適化を行ってみてください。

 商品紹介コンテンツは、商品に興味を持ったユーザーへの最後の一押しになる箇所ですので、商品購入に必要な情報を提供できているか、再度見直してみてください。

 カート取得とスポンサープロダクト、まずはこの2点を抑えて、Amazonでの売上を作っていきましょう。

EC運営で抑えたい6つのポイント(週刊通販新聞姉妹紙の「月刊ネット販売」で連載中)
第1回目はこちら
第2回目はこちら


筆者プロフィール
宮本篤(みやもと・あつし)
Hameeコンサルティング株式会社コンサルティング部 部長。人材ビジネスの上流から下流まで経験後、2009年にインターネット広告会社へ。広告部門責任者、海外事業責任者(海外子会社立ち上げ)を経て経営本部付け執行役員を歴任。2017年よりJSコンサルティング(現 Hameeコンサルティング株式会社)に入社。前職の経験も活かしてフロントエンド(集客・CRM)領域を得意としている。
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