ジャパネットグループの顧客応対力とは? “質”と“量”の両方を強化で品質向上
2019年 4月11日 13:20
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通販大手のジャパネットたかたのコールセンターには1日平均で約2万2000件、最も多い日には33万7000件、年間トータルでは880万件超の入電があるという。これらの顧客応対を支えるのはジャパネットたかたの受注業務などを行うグループ会社のジャパネットコミュニケーションズに所属する約1200人のオペレーターたちだ。
ジャパネットグループではオペレーターの応対品質の磨き込みと職場の環境や雰囲気作りの改善による離職率低減による定着化や新しい形態の拠点作りによる新規オペレーターの確保などを強化し、膨大な入電をレベル高く、また素早く処理できる質と量を兼ね備えた受注体制を構築できているようだ。
画面確認システムで研修効果を最大化
同社ではオペレーターの応対品質改善のために、様々な試みを進めているが実効を上げている施策の1つが複数画面一括確認システム(以下、画面確認システム)を活用した研修方法だ。同社では新人オペレーターの研修の際に画面確認システムを活用。同ツールを使うと、例えば「今から問い合わせに関する画面操作をしてください」という指示に対しての受講者の実際の操作画面が、研修を担当する講師のモニターに全員分、表示される。これを見ながら講師はそれぞれの理解度や進捗を確認しつつ、リアルタイムにフォローや軌道修正ができるなど顧客応対の改善を進められるという取り組みを実施している。
この取り組みを開始した結果、以前は新人が研修を受けてから、実際に顧客からの電話を受けて、応対するまでのリードタイムが13・3日かかっていたが、画面確認システムを導入した研修を始めてからは10・3日まで短縮。また、顧客応対を始めた初日に一定のレベルに達している場合のみ合格とする「初判定合格率」は従来50%だったが、導入後は80%まで高まっているという。
社内応対コンクールも実施
また、顧客応対の品質をさらに高める試みとして、「社内応対コンクール」を実施しており、これも成果をあげているようだ。同社では顧客応対レベルの向上を図るため、毎年、日本電信電話ユーザー協会が開催している企業向けにオペレーターが毎年設定される競技問題に取り組み、電話応対サービスの技能を競い合う「電話対応コンクール」に出場しているが、当該コンクールに参加するオペレーターを決める「電話応対コンクール社内予選会」を実施。役員をはじめとする幹部やテレビ通販番組のMCなどが審査する本格的な試みで上位6人が本大会と位置付ける「電話対応コンクール」に応募できるもの。「コミュニケーターが目指すものを作りたいと現場からの提案で始めたが、各拠点でよい意味で対抗したり、非常に盛り上がる楽しいイベントになっている。これを通じて、全体の応対品質のレベルが上がっていると思う」(髙田旭人社長)という。
こうした取り組みの成果もあり、2017年時点では92・1%だった顧客からの入電における応答率は現在は94・3%まで向上した。客観的な顧客応対のレベルについてもITサポートサービスの格付け調査を行うHDIジャパン(運営会社=シンクサービス)による調査では「星3つ」を獲得するなど同業他社の中でも上位の品質評価を受けているようだ。