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オットージャパン 6年ぶりに新ブランド、顧客理解深化の試金石に

2019年 3月 7日 13:20

 オットージャパンは、新年度(2020年2月期)のスタートと同時に約6年ぶりとなる新ブランド「オットーピトックスタイル」を投入した。主要ターゲット層である40~50代女性の価値観やライフスタイルなどに対する綿密な調査をもとにコンセプトや世界観を構築しており、中期経営計画においても重要な役割を担う。近年は伸び悩んでいた同社だが、新ブランドの開発を契機に働き方も変化してきているようで、再び成長軌道に乗ることができるか注目される。
 
 オットージャパンは、基幹ブランド「オットー」のサブブランドとして「オットーピトックスタイル」を3月1日に始動した。

 「オットー」がグループでグローバル展開するインターナショナルなファッションブランドなのに対し、「オットーピトックスタイル」は同社が日本の女性のためにゼロから作ったオリジナルのライフスタイルブランドで、衣料品やバッグ、靴といったファッションアイテムだけでなく、雑貨も提案する。

 現状、同社顧客のボリュームゾーンは60~70代女性だが、一定のITリテラシーがあってファッションやライフスタイルに対するさまざまな価値観を経験し、子どもも手がかからなくなった40~50代女性の開拓を強化したい考えで、新ブランドでも当該層をターゲットの中心に据えているようだ。

 新ブランドの開発に際しては、オットー事業部内で専任者を決めて進めるのではなく、30~40代の働く女性向けのブランド「ファビア」のスタッフなど社内横断型で人材を集め、ターゲット層の価値観や購買行動などの調査結果をもとにブランドの世界観を構築。頑張り過ぎず、身の丈に合ったファッションやライフスタイルを楽しむヒントを発信するブランドとして展開し、そうした生活が送りやすい街として米国のポートランドを打ち出してイメージしやすくする。

 また、新ブランドは1年ほど前に顧客理解を深めるプロジェクトからスタートしており、徹底した調査から導き出したブランドであるため、「お客様が求めているのはこういうものですよねと提案できるブランドになった」(前之園世紀社長)という。

 同時に、事業部の垣根を越えて集まったチームによる提案力が試されることになり、「お客様の反応次第で当社の働き方、考え方が正解なのか間違いなのかもはっきりする」(同)とし、「ファビア」以来6年ぶりとなる新ブランドは同社の今後を占う重要な役割を担っているようだ。

 加えて、同プロジェクトチームがさまざまな部署から集まり、兼務で新ブランドを担当していることから、「オットー」や「ファビア」にも顧客理解や働き方などの面で良い影響が出てくることも期待している。

 商品面については、アパレルとファッショングッズが約75%、ライフスタイル雑貨が約25%の構成比でスタート。春夏アイテムの中心価格帯は4000円~9900円で、ゆったりと毎日を楽しみ、等身大の自分を愛するポートランドの住人をお手本に、肌触りの良い素材やボディーに寄り添うシルエット、大人肌が映えるカラーの商品などを提案する。

 
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