楽天は2月21日、同社が構築を進めている無人配送サービスに、中国大手のネット販売事業者で仮想モール事業も手掛ける京東集団が開発したドローンと地上配送ロボット(UGV)を採用したと発表した。京東では2016年から商用のドローン配送を開始しているほか、UGVを使った配送も一部都市で手がけている。商用で実績がある機体を導入することで、再配達や人手不足といったラストワンマイル問題の解消につなげる。
楽天は京東からドローンとUGVを購入し、日本向けにローカライズする。購入する台数は非公開。安藤公二常務執行役員(
写真㊧)は、京東と提携した理由について「(無人配送関連の機体については)さまざまな分野で、さまざまなシーンに応じて最適なものを活用していきたいと考えており、京東は実際に配送をした経験を持ち、技術も進んでいる」と説明する。一方、京東副総裁でX事業部総裁の肖軍氏は「当社にとって日本市場は国際化戦略の中で非常に重要な位置づけだ。日本は当社の技術のグローバル化に豊富なシーンとチャンスを提供してくれている。楽天と当社は同じ志を持つ友人であり、両社の提携により、物流・リテール分野でのブレークスルーを実現したい」と提携の意義を述べた。
楽天では、日本国内でドローン配送の実験を続けており、19年度(今年4月~来年3月)中にも定期的な配送サービスを始めたい考えだ。一方、京東では15年からドローン開発に着手、16年には農村部で世界初の商用ドローン配送を開始し、すでに40万分以上の配達飛行を行っている。17年には宅配用UGVを発表、複数の大学構内に導入されているほか、一部の都市でも運行を開始している。中国国内の2カ所には、ロボットによる自動配送ステーションを構えており、配送エリア内での自動配送と人間配送比は1対1、1日のロボット配送量は2000個までとなっている。
楽天では、京東のドローンを山間部や離島など過疎地で活用する。同社ではこれまで、自律制御システム研究所と共同開発したドローンで実験を繰り返してきたが、京東のドローンはそれよりも機体が大きい。そのため、最大積載量はこれまでの2キロから5キロに、最長飛行距離は同10キロから16キロへと性能が向上する。「より多くの商品をより遠くまで届けられる。また、中国国内での実績がある点も大きい」(安藤公二常務執行役員)。利用シーンに応じ、これまでの機体と使い分けていくという。
UGVは将来的に都市部での活用を目指す。利用シーンとしては、専用のスマートフォンアプリと連携したものを考慮する。スマホアプリから注文し、UGVで商品を配送。UGVの位置はスマホの地図で確認し、到着後ユーザーはUGVにPINコードを入力、解錠後に商品を受け取る仕組みだ。
安藤常務は「仮に都市部でのドローン規制が解除されたとしても、着陸ポイントがない。無人配送はドローンだけではまかないきれないので、UGVとの組み合わせが重要」と語る。ただ、日本においては、UGVは道路交通法で車両としての定義がされておらず、公道を走れないことから、政府にルールの整備を働きかけていく方針だ。まずは私有地などの特定エリアで実験し、いずれは家まで商品を配送できるようにする。
楽天では、仮想モール「楽天市場」出店者向けに独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー構想」を進めており、無人配送が実用化されれば、これに組み込まれていくことになる。安藤常務は「夜中であっても朝であっても、倉庫にある商品はユーザーが欲しいときに届けることができるので、再配達がなくなるだけではなく、ドライバー不足や交通渋滞を考えずに商品が届けられるようになるので、楽天市場の流通総額の向上に大いに寄与するのではないか」と無人配送のメリットを強調した。
楽天は京東からドローンとUGVを購入し、日本向けにローカライズする。購入する台数は非公開。安藤公二常務執行役員(写真㊧)は、京東と提携した理由について「(無人配送関連の機体については)さまざまな分野で、さまざまなシーンに応じて最適なものを活用していきたいと考えており、京東は実際に配送をした経験を持ち、技術も進んでいる」と説明する。一方、京東副総裁でX事業部総裁の肖軍氏は「当社にとって日本市場は国際化戦略の中で非常に重要な位置づけだ。日本は当社の技術のグローバル化に豊富なシーンとチャンスを提供してくれている。楽天と当社は同じ志を持つ友人であり、両社の提携により、物流・リテール分野でのブレークスルーを実現したい」と提携の意義を述べた。
楽天では、日本国内でドローン配送の実験を続けており、19年度(今年4月~来年3月)中にも定期的な配送サービスを始めたい考えだ。一方、京東では15年からドローン開発に着手、16年には農村部で世界初の商用ドローン配送を開始し、すでに40万分以上の配達飛行を行っている。17年には宅配用UGVを発表、複数の大学構内に導入されているほか、一部の都市でも運行を開始している。中国国内の2カ所には、ロボットによる自動配送ステーションを構えており、配送エリア内での自動配送と人間配送比は1対1、1日のロボット配送量は2000個までとなっている。
楽天では、京東のドローンを山間部や離島など過疎地で活用する。同社ではこれまで、自律制御システム研究所と共同開発したドローンで実験を繰り返してきたが、京東のドローンはそれよりも機体が大きい。そのため、最大積載量はこれまでの2キロから5キロに、最長飛行距離は同10キロから16キロへと性能が向上する。「より多くの商品をより遠くまで届けられる。また、中国国内での実績がある点も大きい」(安藤公二常務執行役員)。利用シーンに応じ、これまでの機体と使い分けていくという。
UGVは将来的に都市部での活用を目指す。利用シーンとしては、専用のスマートフォンアプリと連携したものを考慮する。スマホアプリから注文し、UGVで商品を配送。UGVの位置はスマホの地図で確認し、到着後ユーザーはUGVにPINコードを入力、解錠後に商品を受け取る仕組みだ。
安藤常務は「仮に都市部でのドローン規制が解除されたとしても、着陸ポイントがない。無人配送はドローンだけではまかないきれないので、UGVとの組み合わせが重要」と語る。ただ、日本においては、UGVは道路交通法で車両としての定義がされておらず、公道を走れないことから、政府にルールの整備を働きかけていく方針だ。まずは私有地などの特定エリアで実験し、いずれは家まで商品を配送できるようにする。
楽天では、仮想モール「楽天市場」出店者向けに独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー構想」を進めており、無人配送が実用化されれば、これに組み込まれていくことになる。安藤常務は「夜中であっても朝であっても、倉庫にある商品はユーザーが欲しいときに届けることができるので、再配達がなくなるだけではなく、ドライバー不足や交通渋滞を考えずに商品が届けられるようになるので、楽天市場の流通総額の向上に大いに寄与するのではないか」と無人配送のメリットを強調した。